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DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

bru6_leitner.jpg

Bruckner Symphony No.6

Ferdinand Leitner
SWR Sinfonieorchester Barden-Barden


hänssler CLASSIC (CD 93.051)



タイトルは変わりましたが、一連のブル6特集のエントリです。以前エントリしたブルックナーの9番と並んで、この6番も素晴らしい演奏です。ライトナーは地味な指揮者ですが、その実力はもっと認められていいのではないでしょうか。しかしながら、ブル6ファンでこのCDをお持ちの方は結構いらっしゃると思います。本当に素晴らしい演奏です。

ライトナーの表現は地味ですが、非常に「丁寧」です。「丁寧」というのは一音一音おろそかにせずに、配慮が行き届いており、奇を衒った表現ではなく何一つ特別なことはしてないものの、実に響きが充実しているということです。外面的効果を一切狙っていないにも関わらず、心に響いてきます。故に、聴き栄えがして音響効果がある一楽章の強奏部分などよりも、むしろ一楽章の第二主題など比較的地味で穏やかな曲想での充実度が際立っています。ヴァイオリンの歌わせ方が絶妙で非常に美しい。
もちろん、輝かしい曲想でも素晴らしく、速めのテンポながら非常に構成がしっかりしているので、腰が軽くならずに説得力があります。
この演奏で一番感銘を受けたのは、曲自体の出来のいい一楽章でも二楽章でもなく、三楽章のトリオです。これほど丁寧に一音一音おろそかにせずに中身の詰まった美しいトリオを聴いたことがありません。本当に美しい。また、四楽章のチェロの奏でる序奏の主題など充実した響きも素晴らしいです。
これらの演奏を聴くとライトナーは非常にブルックナーに適性があったと思います。録音が少ないのが惜しまれます。

実はライトナーにはもう一つ、最晩年にバーゼル響と演奏した録音があります。そちらはこの演奏をさらに上回る演奏で、いずれ紹介したいと思います。

ブル6ばかりだといい加減くどいので、今回のエントリで最終回にしましょう。久しぶりにブルックナー三昧でした。ここまでブルックナーばかり聴いたのは何年ぶりでしょう。本当に素晴らしい曲です。
他にももう一つのティントナー、もう一つのライトナー、シュタイン、ボンガルツなど紹介しようかと思いますが、ここですべて出し切ってしまうと、次が無くなるのでこの辺でおひらきにします。
長々とお付き合いいただきありがとうございました。ブルックナー苦手な人には苦痛以外の何物でもありませんよね(笑)。

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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

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コメント

名演登場
やっと追いつきました。ワルターのブラームスについて言いたいことはあるものの、とばして約束のライトナーのコメントから。
dokuohさんと同じ意見です。この人、指揮者の鑑のようです。耳がすごくいい。造形力があるのでフニャフニャにならない。それに「歌」もある。さすがだね。
バーゼル響との録音は知りませんでした。レーベルは何ですか?
職人シュタイン/ウィーンpo.の名演も大好きです。これまた職人ボンガルツのはそんなに感銘を受けませんでした。
他にアイヒホルン、クレンペラーのを好みますが、なんといってもナンバー1はサヴァリッシュです。意外ですか?

  • 2006/10/05(木) 07:01:43 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

ライトナー賛

穂吉さん、
いつもコメントありがとうございます。
ライトナーの音楽は何もしてないようでいて、実に細部に配慮が行き渡っていますね。コーホー先生は二流指揮者だとおっしゃってましたが・・・。
バーゼル響との録音はACCORDから出ていました。ライトナー最後の録音です。もう廃盤ですね。残念です。
ボンガルツはマニアックさでエントリしたいだけです(笑)。シュタインはいいですね。アイヒホルンも好きです。実はお恥ずかしながらサヴァリッシュは未聴です。いつも横目に見ていたら廃盤になってました。CDは本当に生ものです。

  • 2006/10/05(木) 19:55:51 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

お疲れ様でした

複数のエントリ、それも連続で大変でしたでしょう。本当にご苦労様です。

クラシック音楽を聴く楽しみは、同一曲の聴き比べにありますからね。

自分の好きな曲を、とことん知るには、少々無理をしても、それが楽しみになる時が、訪れるものです。いかがでしたか?

ブルックナーの6番は、なぜか2番と並んで
余り聴かれないようですが、私は大好きです。
もしブルックナー以外の作曲家が作曲していたら、もっと高い評価を得たのではないでしょうか。

ライトナーとは聴いたことがありませんが、
Dokuoh様の文章を読むと無性に聴きたくなりますね。ちなみに私は定番ですが、クレンペラー盤を好みます。

  • 2006/10/07(土) 06:50:21 |
  • URL |
  • kyrie #-
  • [編集]

全然疲れませんでした!

miwaplanさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
ブル6はカロリーも程よく、連続で聴いても全然疲れませんでしたよ!大好きな曲だというのもありますしね。
好きな曲、好きな演奏も集中して聴くと色々と新たな発見が出来るものですね。これだからCDは中々売れなくて、どんどん増えてしまうわけです(苦笑)。

  • 2006/10/08(日) 21:31:21 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

隠れた名曲

kyrieさん、
こんばんは。コメントありがとうございます。
ブル6好きが結構多くて嬉しいです。ブル2、ブル6は本当に素晴らしい曲で、もっと聴かれてもいいですよね。次はブル2特集でもしましょうか。日本人は表題がついた曲が好きなので、日本のレコード会社が表題をつけて売り出せば、人気が出たかもしれません(笑)。
クレンペラーは格調の高いいい演奏ですね。ライトナー是非とも聴いてください。

  • 2006/10/08(日) 21:35:59 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ライトナーの凄み

ブルックナー6番は最晩年のバーゼル響との演奏が超名演ですね。ハルトマンの6番は凄絶な演奏で度肝を抜かれました。ライトナーの本領発揮はこのようなバーバリスティックな現代音楽ではないでしょうか。数ある音盤の中でも屈指の名演だと思います。

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  • Author: dokuoh
  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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