DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Mahler Symphony No.8

Gary Bertini
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester


EMI CLASSICS (9646 3 40238 2 5)



同じ指揮者が振った同じ作曲家の複数の曲について書くとき、文才無しがつらつら書くと、同じようなことを書いてワンパターンに陥ってしまいだれてしまう。ベルティーニのマーラーは、とりあえず今回で一旦終わりにすることにした。また気が向いたら他の曲にも触れてみたいと思う。(文章を書くというのは本当に難しい。)

全集の中で一番強烈だったのはこの8番だ。正直ベルティーニの芸風からして、それほど8番は期待していなかった。「美しい千人」というのが想像がつかなかったのである。ただ、色んなところのレビューでも8番は絶賛されていたので、期待は膨らんでいき、実際聴いてみたら、評判通りの壮絶な演奏だった。
冒頭からいきなり想像を覆された。轟くティンパニ!とにかく、音圧が物凄い。物凄いエネルギーを放出し迫ってくる。ショルティーに匹敵するか、それ以上だと思う。エネルギーが溢れていてテンションが高く、演奏がCD一枚に収まるような速めのテンポであるにも関わらず、ショルティーのように呼吸が浅くならない。響きは透明なままの懐の広い演奏を聴かせてくれる。これこそが千人!
第二部、「神秘の合唱」でのスケール、呼吸の深さは今まで聴いたどの演奏にも負けていない。私はクライマックスに近づくにつれ、聴いてて呼吸が速くなり、体が震え、ボロボロに泣いてしまった。一緒に魂が昇天してしまいそうだった。もはやこれは音楽ではない。
ちなみにこの演奏は東京のサントリーホールでのライブ録音だそうである。ただでさえ、演奏会で聴くことができる機会が少ない曲なのに、ライブで聴いたらどんなに凄かっただろう。その場に居合せた人がうらやましい。

9番、大地の歌もかけがえの無い名演。そろそろマーラー三昧も疲れたので、一旦小休止して、いずれ取り上げたい。

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Mahler Symphony No.6

Gary Bertini
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester


EMI CLASSICS (9646 3 40238 2 5)



4番同様、マーラーを聴く一つの基準となるのが6番だ。ドロドロしてグロテスクなこの曲を、美しく昇華させてくれるかどうかが、マーラー振りとして評価するかどうかの私の基準になっている。私はこの曲に怨念を求めていない。求めているのはあくまで純音楽的な美だ。ベルティーニがこの曲を美しく聴かせてくれるのは至極当然。いずれ取り上げようと思っているハイティンク/フランス国立管の最新ライブがマイ・ベストだが、ベルティーニはそれに次ぐか、匹敵する美しい「悲劇的」を聴かせてくれる。
この曲の勝負が決まるのは一楽章のヴァイオリンによる第二主題だろう。ここを美しく聴かせてくれれば、後は安心できる。ベルティーニは透明感のある実に清廉とした演奏をする。特筆すべきは再現部の美しさだろう。歌うところではテンポを落とし、極上のハーモニーを奏でる。一楽章の最後のクライマックスでのテンションの高さ、迫力はハイティンク盤を上回り、聴いてて体が熱くなる。
二楽章の切れ込みの鋭さはハイティンク盤には無かったものであり、ベルティーニに一日の長がある。
もう書くまでもないが、三楽章はベルティーニの独壇場。美しい、とにかく美しい。甘くなく、ちょっと苦味の利いた美しさだ。バルビローリがミルクと砂糖入りのコーヒーだとすると、このベルティーニはブラック・コーヒーという感じだ。
四楽章でも決して音楽が濁らない。ドロドロした怨念が美しい音楽に昇華され、低俗にならず格調の高さを保っている。四楽章、最後の一撃は控えめ。あれ?と思うかもしれないが、このマーラーの終わり方はこれでいいのだと、不思議と納得させられる。

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Mahler Symphony No.4

Gary Bertini
Lucia Popp (Sp)
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester


EMI CLASSICS (9646 3 40238 2 5)



マーラーの交響曲の中で4番の人気が他の曲と比べて乏しいのはとても残念だ。アマオケの中では特に金管吹きからは敬遠される傾向が強いようである。確かに小規模で音響効果に乏しいが、こんなに楽しくて美しい曲なのに。私は4番を上手に聴かせてくれる指揮者をマーラー指揮者として信用する。ハイティンク然り、アバド然り、バルビローリ然りである。もちろん、このベルティーニも私のベストに並ぶ素晴らしい演奏だ。
演奏の細微への配慮、精密度ではハイティンクやアバドの新盤などのほうが上だと思うが、それらに決して負けない透徹した美しさがあり、一楽章の終わりのヴァイオリンの透明な響き、三楽章の冒頭のチェロ、それに続くヴァイオリンの歌、クライマックスのトゥッティの前後など「美しい!」と叫んでしまった。どこまでも透明で濁りが一切ない。特に三楽章の美しさは他のどの演奏にも負けていないと思う。
もう一つ、この演奏の好きなところは、四楽章の独唱。ルチア・ポップがこの上なく素晴らしい!四楽章のソロとしてはベストだと思う。ポップの清廉で過度に感情移入しない透明な響きが曲想と合っており、何よりベルティーニの芸風と相性がいい。岩山に咲く小さな花のように清楚だが、芯があり気丈としている。そしてどこかなんともいえない寂寥感が漂っている。この寂寥感がより演奏を素晴らしいものにしているのだと思う。この四楽章の独唱は天国的なただ明るい演奏が好まれるようだが、私はモーツァルトにも通じる、明るくても寂しさを湛えたこの演奏ほうが好きだ。四楽章の最後の消え方も最高で、ゆっくりとリタルダンドして、雲がふっと消えていくようだ。「生」よりも「死」を感じさせる。

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Mahler Symphony No.3

Gary Bertini
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester


EMI CLASSICS (9646 3 40238 2 5)



どの曲から始めるか迷ったが、まずは一番感銘を受けた3番から。ベルティーニの過度の感情移入を避けた芸風と、ケルン放送響の明るめの寒色系の音色が、とても曲にマッチしている。爽やかな風が体の中を通り過ぎるようだ。マーラーの全曲中最も演奏時間が長く、ただでさえ聴くのがしんどいのだから、自然賛歌のこの曲が濃くなっては困る。
この曲は両端楽章のインパクトが強いので、どうしてもその感想が強くなってしまう。まずは一楽章。一番脳天を直撃されたのは、一楽章最後、ハープのグリッサンドから爆発するクライマックス。ぐっとエネルギーを溜め込んで爆発させる巨大なスケールは他の指揮者からは聴くことが出来ない。ベルティーニのマーラーは本当に不思議である。このような芸風だと、普通スケールが小さくなってしまいがちなのに、小さくなるどころか、スケール極大である。
両端楽章以外の中間楽章はこの透明感のある爽やかさが心地よい。3番を聴くときはこれらの楽章を飛ばすことが多いのだが、聴き入ってしまった。これを聴いた後では、ハイティンクの演奏ですら、濃いと感じてしまう。演奏効果が出しやすい、激しい曲調ではなく、このような楽章で真価が問われると思う。
白眉はやはり終楽章。3番をすべて通して聴くのはしんどいので、よくこの楽章だけ取り出して聴くが、しばらく他の演奏は聴けそうにない。こんなに美しい演奏は聴いたこと無い。遅めのテンポでじっくり慈しむように奏でられる。コーダは絶美。最後クライマックスの直前に一度音量が落ちて、その後クライマックスに向けてクレッシェンドしていく直前のパウゼ!なんと意味深く感動的か。クライマックスでは、ヴァイオリンのトレモロがあたかも空から星が降り注ぐかのようで、聴きながら思わず天を仰いでしまった。泣いた。号泣した。もうそれくらいしか言葉が無い。

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Mahler Symphonies

Gary Bertini
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester


EMI CLASSICS (9646 3 40238 2 5)



「宝石のようなマーラー」というと、ただキラキラ光って綺麗という印象を受けるかもしれないが、ここで用いている「宝石」とは硬質で透明感があり、そしてほのかに妖艶な光を放っているという意味合いである。ここでのケルン放送響の音色は明度は高いが、色温度は高めの寒色系。そう、色に例えるとエメラルドグリーンが一番近いかもしれない。コンセルトヘボウの暖色系の音とは対照的である。オケの精度はコンセルトヘボウに劣るが、比較するのは愚行といえる。宝石の如く向こうが透けて見えるように透明で、クライマックスでも絶対に音の透明度を失わない。理性が常に働いて絶妙にコントロールされている。ただ理性的だからといって、決してスケールが小さくならず、クライマックスでは絶大なスケール、下手すると感情没入型の演奏をはるかに凌ぐスケールで奏でられる。この二つの要素を両立されるのは至難の技なのに、ベルティーニはやってのけている。
私は特に3,8,9,大地の歌がずば抜けて素晴らしいと思った。次いで、4,6番。中でも3,8番は唯一無二の演奏だと思う。3番の心中したくなるほどの美しさ、8番のまさに「宇宙の鼓動」と呼ぶべき巨大なスケール、言葉を失った。全集でこれだけすべての曲で演奏水準が高いのは驚異的だ。私はすぐこの全集をmp3にして、一枚のCD-Rに焼きベルティーニのマーラー三昧に陥ってしまった。(もちろん、妻からはマーラーばかりでうるさいと苦情が来たが。^^;)マーラーなんて普段立て続けに聴けたものではないが、この全集は今だ私を虜にして離さない。
私は正直、バーンスタイン、テンシュテットのような感情没入型演奏が苦手だ。自分の精神が薄弱なのかもしれないが、そのような強烈な個の告白にはついていけない。私が好きなマーラーはハイティンク、ノイマン、アバド、そしてこのベルティーニが行ったように昇華され純度が高く、響きが透明で理知的な、でもどこか妖しさも覗く演奏が好きだ。そんな私にとってこの全集は宝物になった。ハイティンクのマチネーライブ(後ほど特集予定)に並ぶ、文字通りマーラーの「宝石」になった。全集で再発売され、広く親しまれるようになったことを感謝したい。
今回は総評だけにして、次回から各曲をかいつまんで駄文ながらこの感動を記したいと思う。

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J.S.Bach 6 Cello Suites

Yo-Yo Ma


SONY CLASSICAL (CB 812)



正直告白するとこの演奏を聴くまでヨーヨー・マには全くシンパシーが無かった。技術は右に出る者はいないが、時に上手すぎそれが鼻につくのだ。旧盤の無伴奏などは全部聴き通すのが辛かった。そんな先入観もあり、新盤が出た時も世間では騒いでいたが、しばらくは興味の対象外だった。そんな中たまたま安売りをしていて、これだったら演奏が悪くても仕方ないと割り切って購入することにした。これが先入観を覆させた。前回の録音から15年。音楽の深化はここまで来たかとヨーヨー・マに対する考えは一変し、今までステレオタイプで見ていた自分を反省した。「人を批判するくらいならおまえが精進せい!」という感じで。^^;
これはバッハというより、完全にヨーヨー・マの世界だ。ヨーヨー・マの音楽はいつも伝統とかそういう縛りがなく、完全に「個の世界」だと思う。ヨーヨー・マの伝統の縛りがないというのは、決して悪しきインターナショナリゼーションと等価でなく、確固たる独自の世界が完成しているというポジティブな意味でである。
現代楽器ながら、古典ピッチ。バロック奏法のように弓は軽め。ただ時々力強いボウイングが現出する。肩の力を抜いた透明度の高いバッハである。このスタイルの完成形を示していると思う。
ただ・・・なぜかこの演奏聴き続けているとだんだん疲れてくる。やはりあまりにうますぎるのだろうか。それとも単に自分の生理に合わないのだろうか。色々考えたが、どこかに人間の生理に反する要素があるような気がしている。今はそれが何かはっきり分からないのだが。演奏スタイルは似ているがモルクの優しい響き、フルニエのライブの傷があれど人間らしい演奏が恋しくなってきてしまった。批判じみてきたが、素晴らしい演奏であることには変わりない。

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J.S.Bach 6 Cello Suites

Truls Mork


Virgin CLASSICS (7243 5 45650 2 1)



ヨーヨー・マを途中まで書いていたのだが、望外の新譜に出くわし、先に書くことにした。売れている新譜ということで購入してみた。以前からモルクの名は知っていたが、まだその演奏に触れる機会が無かった。もう無伴奏はいいだろうと内心思いつつ、モルクはどんな演奏をするのか聴いてみたくなり、購入を決めた。
正直最初聴いたときはピンと来なかった。ここのところ、現代楽器の演奏では濃い演奏を立て続けに聴いてたからか、はじめは物足りなさを感じた。だが聴き進むうちに、次第に驚愕して一気にこの演奏の虜になってしまった。聴き進めるうちに心が浄化されていく。今まで無伴奏を聞いてこんな感覚になったことは一度もない。無伴奏演奏の新しい名盤の誕生を確信した。
モルクの音は大変美しく、優しい。決して汚い音は出さない。弓は軽めで何かふわっとして質量が軽い。天気のいい日に空に浮いて流れていく雲のようであり、草原に爽やかな風が吹き抜ける、そんな印象を受ける。どこか懐かしい。ちょっと臭いが、心が洗われて少年のような純粋な気持ちにさせられてしまった。
バロック奏法を取り入れており、ビブラートは控えめ、ピッチは現代ピッチである。サラバンドなどの曲の終わりにリタルダンドして歌われる世にも美しい響きを聴いてほしい。このまま終わらないで欲しい!と叫びたくなる。すべての曲が素晴らしいが、曲の充実度も手伝ってか特に後半の3曲が特に素晴らしい。四番のブーレでは涙してしまった。なんという優しさ!特に六番は素晴らしい。アルマンド、サラバンドの優しさは言語に絶する。私はこのサラバンドが大好きなのだが、久しぶりにこの曲で涙した。慈悲に溢れた響き。プレリュードのハイポジションでも音が絶対に硬くならない技術的余裕も素晴らしい。技術的に非常に高度でも、ヨーヨー・マを聴いているときのように次第に疲れるようなことも無い。(この差はなんなのか、今だ私には分かっていない)
しばらく、この演奏が自分のスタンダードになりそうだ。過去の名演と比較して遜色ない、というより、この演奏は今までのどの分類にも属さない、比較を絶した、無伴奏演奏の新しい可能性を示したかけがえの無い名演だと思う。

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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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