DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Beethoven Symphony No.8

Roger Norrington
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart


hänssler CLASSIC(CD 93.087)



私にとってノリントンは不思議な指揮者だ。オーソドックスでも味のある演奏を好む私にとっては、この手の過激な演奏は最も忌み嫌うタイプなのに、ノリントンは違う。ノリントンの音楽にある「真剣さ」や徹底度に共感するのだろうか。自分でもよく分からない。この演奏を「ユーモアがある」との評を見たことがあるが、私にはユーモアよりも、「真剣さ」のほうがこの演奏の特徴ではないかと思っている。伝統的な演奏スタイルではない過激な演奏が「ユーモア」につながるのかもしれないが、本質は音楽に対する「真剣さ」にあるのではないだろうか。
ノリントンの新盤のベートーヴェン交響曲全集の中で、最も激烈だと思ったのが5番とこの8番である。8番はベートーヴェンの交響曲の中ではどちらかというと、「ユーモア」がある曲なのかもしれないが、この演奏は「ユーモア」よりも「真剣さ」が勝っている。まるで真剣を用いて殺陣を演じているような、殺気立った雰囲気がある。
一楽章冒頭からティンパニのリズムが切り込んでくる。
二楽章の速さは尋常じゃない。ベートーヴェンのメトロノーム指定に従うと、この速度になるのだろうが、ワインガルトナーが打ち立てたテンポに慣れてしまうと、初めはびっくりするかもしれない。所々に現れる微妙なデュナーミクが、曲が単調になるのを防いでいるのは流石だ。
四楽章はとにかく凄まじい。まるでマシンガンを撃ちまくるが如く、リズムが切れ込む。その切迫感は凄まじく、とてもワインガルトナーと同じ曲を聴いているとは思えない。コーダでのティンパニの炸裂など過激だが、単なる過激に陥らず真実味がある。最後の一撃の決まり方も素晴らしく、まるで殺陣で最後の一人を斬りつけたようだ。

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HMVのサイトによると、ヴァント/ミュンヘン・フィルのブルックナーの8番が出るそうです。

http://www.hmv.co.jp/news/newsdetail.asp?newsnum=603280001

9番は超絶的な名演だっただけに、これはとても楽しみなリリースです。しばらくブルックナーの交響曲は買わないと思っていましたが、こう魅力的なリリースが続くと、思わず財布のひもが緩んでしまいますね。


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Beethoven Symphony No.8

Herbert Blomstedt
Staatskapelle Dresden


BRILLIANT CLASSICS (99793)



シュターツカペレ・ドレスデンの魅力が100%出た名演だ。力ずくなところは皆無で、強音部でも絶対に汚くならない。しかし音には迫力があり、力がある。多少ざらついた弦の音も最高で、荒削りの木の表面のようなぬくもりがある。同じ旧東ドイツのオケのゲヴァントハウス管との違いが面白い。金属的で重いゲヴァントハウス管、木質的でふくよかなシュターツカペレ・ドレスデン。コンヴィチュニー、ブロムシュテット、どちらも指揮者の体臭が比較的少なく、目に付く特徴に乏しい演奏だが、充実した音楽を聴かせてくれるという点で同じだ(テンポも似通っていて、各楽章ほとんど同じ演奏時間である)。どちらも素晴らしい演奏で私のお気に入りである。
一楽章はコンヴィチュニー盤のようには重くない。音色は地味だが、どこか晴れ晴れしている。曲を特徴付けているのはやはりティンパニ(名手ゾンダーマン?)だろう。強音での迫力と、迫力がありながら、きつくならない懐の深い音。ティンパニとはオケの中でこうも重要な楽器であるかと認識させられる。ティンパニが活躍する8番では、ティンパニの個人技が堪能できる(もちろん、7番などの曲も素晴らしい)。
三楽章はコンヴィチュニー盤のように音が分厚くならないので、ブロムシュテット盤のほうが聴きやすいかもしれない。
四楽章はさながらティンパニ協奏曲だ。随所でティンパニが大活躍する。コーダは特に凄く、ボコンボコンとティンパニが炸裂する。カロリー満点、お腹いっぱいといった感じだ。しかし、主張しても突出することなく、常にオケに溶け込んでいる。素晴らしい妙技と言えるのではないだろうか。
シュターツカペレ・ドレスデンはこの時期、ブロムシュテットの棒の下で、黄金期を迎えていたのではないだろうか。続くシノーポリ時代は、いまいちピンとこなかった。シノーポリを継いだハイティンクとの関係が長く続かなかったのは、とても残念だ。現在このオケの魅力を引き出せる数少ない人だと思うだけに、惜しまれてならない。

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Beethoven Symphony No.8

Franz Konwitchny
Leipzig Gewandhaus Orchestra


edel CLASSICS (0002172CCC)



「英雄」のような、恰幅の良い実に堂々とした8番である。リズムは重く、弾まない。だが、決して覇気を失わず推進力が常にあり、間延びしたつまらない演奏になっていない。音楽は生き生きしている。交響曲全集の他の曲もそうだが、重厚さを出しながら音楽の生命力を失わない、この絶妙なバランス感覚がコンヴィチュニーの素晴らしいところだと思う。特徴に乏しいが、充実した音楽を聴かせてくれる。
一楽章冒頭の第一主題からティンパニが重く、スケール感を出している。常にティンパニが物を言っている。後で紹介予定の、この演奏と同じ旧東ドイツ系のオケの演奏であるブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデンの演奏と比べると面白い。ティンパニのキャラクターの差が二つの演奏を特徴付けている。展開部など息の長いフレージングで、「英雄」のように雄大に響く。
三楽章はこの感じだともっと野暮ったくなるかと思ったがそんなことはない。メヌエットとは呼べないかもしれないが、重量感があるものの、適度な推進力があり、野暮ったくはない。トリオは人によっては重いというかもしれない。
四楽章は迫力ある低弦がいい。重量感たっぷりで勇ましい。しかしカラヤンのような「コントラバス協奏曲」的な下品さはない。節度あるバランスが保たれている。(4:42)からは誠に勇ましく、ベートーヴェンの奇数番号の交響曲のような力強さがあり、聴いていて力が入る。
ヴァントの演奏の後に、コンヴィチュニーの演奏を聴くとホッとする。この演奏を聴き終わると、いつも「ああ、ベートーヴェンを聴いた」という気持ちにさせてくれる。愛らしさに乏しいが、その代わりに懐の深さがある。とても包容力のある演奏だ。

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Beethoven Symphony No.8

Günter Wand
NDR Sinfonieorchester Hamburg


BMG (74321 89109 2)



ワインガルトナーとは対照的な、ヴァントらしい非常に厳しい名演。もしかしたら、北ドイツ放送響とのベートーヴェン全集の中で一番の出来かもしれない。曲は決して微笑みかけず、厳しいリズムが聴き手を圧倒する。かといってエキセントリックな表現は皆無で、一聴するといたって普通かもしれない。だがその精神の崇高さは第九並で、全然「小さな交響曲」でない。編成も大きいのではないだろうか。人によっては拒絶するかもしれないが、私にとってはワインガルトナーと並んでベストを争う演奏だ。なぜ、この演奏が有名にならないのか不思議でならない。
一楽章冒頭から小さくない。他の演奏にはない強靭な意志を感じる。展開部はとても8番とは思えない壮絶な演奏で、なにか巨大な力が迫ってくるようで恐ろしい。こんな壮絶な一楽章は他では聴いたことがない。
二、三楽章は愛らしさよりも、私情を排し、曲の構造をただただ明らかにした結晶化された演奏で、非常に透明度が高い。聴きようによってはブルックナーのような演奏だ。
想像どおり、四楽章はヴァントの真骨頂。フォルテに転じる場面での切れ込むリズム、コーダでの低弦のうなり、ヴァイオリンの透明な響き、鋭いリズムなど、ヴァント節炸裂である。
ただ、この演奏、大変素晴らしいのだが、ベートーヴェンの小規模な交響曲を楽しむのにはきつ過ぎる。この小さな交響曲から、ベートーヴェンの高潔な精神に接したいときには向いているが、くつろぎたいときには疲れてしまう。それくらい集中力が高く、結晶化した演奏だということだろう。

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beet8_weing.jpg

Beethoven Symphony No.8

Felix von Weingartner
Wiener Philharmoniker


PREISER (90113)



演奏だけなら唯一無二の名演。「小さな交響曲」の魅力が100%出ている素晴らしい演奏で、ベートーヴェンの8番といえば、まずこの演奏が頭に浮かぶ。
ワインガルトナーの演奏は、ベートーヴェンの説教臭さ、堅苦しさは皆無で、実に優雅だ。聴いていると微笑みたくなるほど、愛らしさに溢れている。ベートーヴェンが「小さな交響曲」と呼んで愛した、この曲への愛情が感じられる。作曲当時の聴衆は同時期に作曲した7番の方を好んでベートーヴェンは憤慨したそうだが、私も7番よりもこの曲の方が好きだ。規模が小さく、分かり易さでは劣るが、充実度では勝っていると思う。
一楽章から実に優雅だ。特に第二主題は素晴らしい。優雅とはいっても、展開部などはかなり激しく、録音が良かったらかなりの迫力があったに違いない。間延びしたり、撫でるような甘い演奏に陥っていないのがワインガルトナーの演奏の良さだと思う。
二楽章のテンポ感が実にいい。ベートーヴェンがメトロノームの描写して書いた曲とはいえ、機械的な演奏になっておらず、せかせかした感じもしない。
三楽章はベストかもしれない。なんと優雅で気品のある演奏なのだろう。冒頭のふくよかな弦、ゆったりたっぷり情感を込めて演奏される。しかし感情過多にならず、決して品格を失わない。
四楽章もリズムがきつくなり過ぎず、どこかくつろいでいつところがいい。執拗なリズムの繰り返しが、聴き手の負担にならない。
1936年のSP録音のため、ダイナミクス・レンジが多少狭いが、鑑賞には支障はない。8番のような規模が小さく、比較的振幅の小さい交響曲では許容範囲だろう。それにしても貧しいSP録音の中から、当時のウィーン・フィルの優雅な香りがプンプン漂ってくる。ワルターの「軍隊」、マーラーの9番などと共に、古きよき時代の記録として大切にしたい。板起こしのスクラッチ・ノイズが気にならなければ、一生付き合いたい演奏になることは間違いない。
ところでこの演奏は、SPレコード復刻の雄、OPUS蔵からも復刻されている。良質な復刻を期待しているので、そのうち購入しようと思う。

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みなさま、こんばんは。
昨年末に「第九特集」なるものをやりましたが、自分にとって普段あまり聴かなくなった演奏の良さを再発見するのにいい特集でした。
そこで第二弾として、ベートーヴェン交響曲第8番を取り上げたいと思います。最近重い曲ばかり聴いていたので、元気な曲で最近あまり聴かない曲を取り上げたいと思います。
お付き合いくださいませ。


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