DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Mozart Agadio and Rondo K617

Ensemble Villa Musica


MDG (MDG 304 1183-2)



真冬の夜、人々が寝静まったころに雪がしんしんと降っている。街角のおもちゃ屋のショーウィンドウには寒さに凍えたおもちゃの楽隊がじっと外を見つめている。ふと、ショーウィンドウのデコレーションの明かりが灯ると、おもちゃの楽隊が動き出した。

まさにそんな雰囲気なのがこの曲、グラスハーモニカのためのアダージョとロンド。ケッヘル・ナンバーをみると分かるとおり、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」の一つ前で、最晩年純真無垢な少年に返っていったモーツァルトの隠れた名曲です。グラスハーモニカとはグラスの淵を水をつけた手でこすると高い澄んだ音がするのと同じ原理を用いて作成された楽器で、かの発明家、ベンジャミン・フランクリンが発明した楽器だそうです。ウィーンでも一時は人気でしたが、演奏が難しいからか、はたまたその怪しい音色が危険視されたからか、次第に廃れていったそうです。クラシックにそれなりに親しんだ人でも、その音を聴いたら最初は不思議な感覚に捕われることでしょう。しかしこの世の音とは思えない澄んだその響きは一度耳にすれば、虜になること間違いありません。

前半のアダージョは正に夜の雪景色。グラスハーモニカの寒寒とした音色がそれを助長します。グラスハーモニカのソロでは周りの空気が凍りつきます。
後半のロンドになるといよいよおもちゃの楽隊が動き始めます。何ともメルヘンチックでこれを聴いて童心に返らない人がいるでしょうか。グラスハーモニカの音は無垢で美しく、楽しいなかに何ともいえない悲哀が漂っています。無垢すぎるが故に悲しい。これぞ最晩年のモーツァルトです。

この演奏もアンサンブル・ヴィラ・ムジカのレベルの高さが分かる演奏で、管楽器が素晴らしく、実に丁寧に奏でられています。グラスハーモニカ以外でも一番の脇役フルートが実に上手い。数種聴いた中では一番の演奏でしょう。是非この一枚をお聴きになり、弦楽四重奏以外のモーツァルトの室内楽の魅力を知っていただきたいです。

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Mozart Quintet K452

Ensemble Villa Musica


MDG (MDG 304 1183-2)



モーツァルトの最高傑作はどの曲かといわれると返答に窮しますし、絶対に答えの出ない質問だと思います。しかしモーツァルトが書き記した沢山の手紙の中で、ただ一度父レオポルドに宛てた手紙の中で「最高傑作」と自ら記した曲があります。それがこのピアノと木管楽器のための五重奏曲。ピアノと木管楽器の五重奏という特殊な編成でコンチェルト的要素と室内楽的要素を併せ持つ、他の通常の編成の曲には無い独特の魅力を持った素敵な曲です。

弦楽好きな私は管楽器のアンサンブルはあまり好きではありませんでした。当たり前ですが弦楽器の音の統一感に比べると、管楽器はそれに欠けると感じてしまうのです。しかし、この曲、演奏は各楽器のバランスが見事です。木管アンサンブルだけでなく、そこに調和するピアノの素晴らしさ!各奏者の実力にも舌を巻きますが、モーツァルトの天才ぶりにも驚嘆します。ちょっとしたことでバランスを崩しかねない楽器編成で、これだけの曲を作り上げるのですから。事実モーツァルトはかなり綿密に構想を練ってから作曲したそうです。後にベートーヴェンも同じ編成で曲を書いていますが、軍配はもちろんモーツァルトに上がると思います。

一楽章序奏からもう美しさの連続です。柔らかく美しくホルンが奏でられた後の、木管の掛け合いの下で奏でられる深々としたピアノのアルペジオ!ここだけ聴けば、恐らくこの曲、演奏の虜になるでしょう。主部に入ってからもピアノの上手さが際立っています。フレーズの隅々まで入念な表情付けがされているにも関わらず、非常に自然です。出すぎず、没しすぎず。モーツァルトはこうでなくては!もちろん管楽器も素晴らしいです。ホルンの力みの無い透明な音も特筆すべきでしょう。

二楽章は溜息が出そうに美しい。ピアノの純白さはまるで最後のピアノ協奏曲の緩徐楽章のよう。そして管楽器全ての奏者のレベルが非常に高いのです。全ての楽器がモーツァルトを体現している!全員のレベルがこれだけ高くなければ、この繊細な曲は生きないでしょう。バランスが完璧です。

三楽章の冒頭は正にピアノ協奏曲の終楽章のようで、コンチェルト的要素を楽しめます。

さて、このアンサンブル・ヴィラ・ムジカという団体、ドイツの各地域のオーケストラから集められたメンバーで構成される非常設の団体で、名手がそろったハイレベルな団体です。彼らの残したモーツァルトの管楽のための室内楽曲集は珠玉の名演ぞろいで絶対のお薦めです。オーボエ四重奏、ホルン五重奏、クラリネット五重奏、グラスハーモニカのためのアダージョとロンド、全てが名演で室内楽好きにはたまらないでしょう。次回はこの演奏とカップリングされている秘曲、グラスハーモニカのためのアダージョとロンドをご紹介することにします。

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