DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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梶本音楽事務所のホームページによると、ハイティンク/CSOが再来年の二月に来日するようですね。

『梶本音楽事務所 - 公演企画一覧』

これは何が何でもチケットを取らなくてはいけません!本日上司(大のCSO好き)に話したら興奮しておりました(笑)。

ヴァントの最後の日本公演以来、あまりオーケストラを聴こうという気にならなかったのですが、これはとても楽しみです。

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Beethoven String Quartet No.13

Gewandhaus Quartett


NCA (NCA60139)



ベートーヴェン後期弦楽四重奏曲の中でも、この曲に開眼したのはかなり遅かったように思います。この曲を本当に好きになったのは、この演奏と出会ってからでしょうか。同じ多楽章形式で冒頭からただならぬ雰囲気の14番、モルト・アダージョが大好きな15番や「後期への幕開け」の12番などと比較すると、セレナーデ的性格を持ったこの曲は、少し軽く感じられたのでしょう。しかし、今では全体を通して一番聴くのはこの曲かもしれません。どこか異国情緒が漂い(といっても国というより、あちらの世界と言った方が適切か)、他の後期弦楽四重奏曲よりも内省的で、ベートーヴェンの精神が一番自由に羽ばたいています。

ゲヴァントハウスSQの技術力の高さはアウリンSQに匹敵するでしょう。完璧なアンサンブルを聴かせてくれながら、エッジを効かせるのではなく、いい意味で角が取れており、硬質な音は一切しません。ふくよかに豊かに鳴らします。その点、ズスケSQやオーケストラだとシュターツカペレ・ドレスデンの美質に通じるものがあります。
特筆すべきは1st Vnのエルベンで、アウリンSQのリンゲンフェルダーと同等の技術と音楽性の持ち主ではないでしょうか。後期弦楽四重奏は下手な協奏曲の独奏よりも難しいと言われますが、無駄な力の抜けた美しい歌を随所で聴かせてくれます。
また2nd Vnのコンラート・ズスケの音楽性も特筆すべきでしょう。1st Vnに見事に寄り添いながら、歌うところは見事に歌います。
ゲヴァントハウスSQはその技術力を余すところなく出しながら、極めて自然な表現で立体的な構築感のある名演を成し遂げています。通常この曲の構築性を前面に押し出そうとすると押し付けがましい演奏になりがちになり、内省的な面を前面に押し出すと、枯れすぎてしまうのですが、ゲヴァントハウスSQは見事に両立させています。

一楽章序奏を抜けてアレグロに入ったときのヴァイオリンも硬くならずに羽ばたいています。

二楽章の躍動感も申し分なく、硬くならないのはさすがです。
この曲は五楽章のカヴァティーナばかり目立つのですが、私は三楽章がとても好きです。ここはエルベンの独壇場。このどこかのどかな美しい歌を完璧に歌い上げています。(4:50)からの上行音形の美しいこと!

四楽章のレントラーもエルベンの歌の素晴らしさが際立っています。過剰に拍感ををつけず、どこかのどかな感じで好感が持てます。

五楽章カヴァティーナ。ベートーヴェンが書き残した緩序楽章の中で、15番のモルト・アダージョに並ぶ名作だと思います。特に(3:55)からのヴァイオリンのレチタティーヴォ風の歌は言葉になりません。どこか絶望していながら、「もう頑張らなくていいんだ」といった安堵の気持ちが入り混じり、とても切ない気持ちになります。ここのエルベンは完璧で、これほど胸に迫る演奏はありません。安らぎと切なさがゆるやかに渦を巻いて心をかき乱します。

フィナーレ。ベートーヴェンは当初は大フーガをこの楽章に置き、後に出版社からの進言により新しいフィナーレに差し替えました。最近はベートーヴェンの意思を尊重して大フーガを持ってくる演奏が多いですが、私は絶対的な新フィナーレ派です。事実上、この新フィナーレがベートーヴェンが作曲した最後の曲になるわけですが、「深淵なユーモア」とも言うべきベートーヴェンの魂の最後の自由な飛翔に心から惹かれるのです。これは決して「軽い」音楽ではありません。その自由な魂に触れるとき、聴き手の心も開放されていきます。
冒頭からおどけたヴァイオリンが清々しく、嫌味が一切ありません。(2:00)(5:48)からはこの楽章で一番好きなところなのですが、ユニゾンの歌は懐が深く優しさに溢れており、何度聴いても幸せな気持ちで一杯になり、涙が溢れます。最後盛り上がるところでも決して力まず、常に「自由」です。これがこの演奏最大の美質ではないでしょうか。

ベートーヴェン後期弦楽四重奏曲の偉大さは、遥かな精神の高みをたたえながら、常に等身大で身近であり、音楽と対峙するというよりも、音楽が体の中にすっと溶け込むところにあるように思います。こちらは構えなくても同化できる。ゆえに私はズスケSQやこのゲヴァントハウスSQの行ったような自然さを獲得した演奏を心から敬愛するのです。

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Beethoven String Quartets

Gewandhaus Quartett


NCA (NCA60139)



「現代最高の弦楽四重奏団」。この称号に相応しい弦楽四重奏団を挙げよと言われたら、迷わず拙ブログで何度か取り上げ贔屓にしているアウリンSQと、もう一団体、このゲヴァントハウスSQを挙ます。
(ちなみにこれに続くのが、モザイクSQ、タカーチSQ、プラジャークSQ、ライプツィヒSQ。メロスSQやブランディスSQなどは現役とは言えないか。)
前者はロマン派の音楽に適性を示し(シューベルトなどに「超」の字が付く名演あり)、後者は古典派の音楽に適性を示しています。

ゲヴァントハウスSQはその名のとおり、ゲヴァントハウス管弦楽団の首席奏者により組織された弦楽四重奏団で、このオーケストラの歴史と同じく、なんと200年の伝統をもつ団体です。よって彼らの音楽の志向性が現代の第四世代と言われる世間で評判の団体と異なるのは当然のことかもしれません。彼らが古典派の音楽に適性を示すのも自然です。
1st Vnのエルベンの父は先代のVc弾きであり、2nd Vnのコンラート・ズスケはかの名ヴァイオリニストでかつてこの団体にも所属していた、カール・ズスケの御子息です。ここでは悪しき意味での「世襲」と揶揄するよりも、良き伝統が世代を超えて受け継がれる好例としてみるべきでしょう。

このベートーヴェンの弦楽四重奏曲集はズスケSQの伝統に根ざした演奏に、現代的な洗練さと瑞々しさを融合した演奏と言えばいえば当たっているでしょうか。ファーストチョイスとして選ばれてもおかしくない素晴らしい演奏だと思います。特に13番に関しては、ズスケSQの演奏があまりに枯れすぎていたのですが、ゲヴァントハウスSQは自然さとシンフォニックさを両立させた最高のバランスで聴かせてくれます。

次回その13番について紹介したいと思います。

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Mozart Piano Quartet No.1

Paul Lewis
The Leopold String Trio


Hyperion (CDA67373)



拙ブログではピアノ付き室内楽をかなりの数取り上げています。特にモーツァルトに関しては既にピアノ三重奏曲ピアノ五重奏曲を取り上げており、残るはピアノ四重奏曲となります。

モーツァルトのピアノ四重奏曲第1番はモーツァルトの数多の曲の中でも特異な存在のように思います。一楽章はモーツァルトが感情をあからさまに吐露したような音楽で他のモーツァルトの曲とは一線を画します。いわばロマン派の音楽のように聴こえてきます。その点ピアノ協奏曲第20番などと似ているとも思いますが、こちらのほうがよりストレートな感じがします。特に一楽章の魅力は抗しがたく、何度聴いても釘付けになります。

一楽章はその激情性を引き出すため、劇的にロマンティックに演奏するものもありますが、私は感情を押さえ込み、沈鬱にしっとり演奏するほうが好みです。私はこのモーツァルトの独白を過度にストレートに表現してしまうと、音楽が死んでしまうと思うのです。ルイスとレオポルド弦楽三重奏団は無意味に劇的に演奏することなく、見事にこのモーツァルトの独白を表現しています。粛々と進む音楽が哀しみを増幅させます。憂いをたっぷり含んでおり、聴けば聴くほど感動が増していきます。(6:15)から始まるピアノの独白のなんと痛切なこと!美しくもとても儚い。その後の盛り上がるところでも決して声高に叫びません。しかしとめどなく憂いが溢れてきます。

二楽章のルイスのピアノが実に繊細で美しい!この曲は一楽章の劇的さばかり目立ちますが、二楽章の繊細さと儚さも魅力的です。ルイスの適性からいうとこちらの方が合っているかもしれません。

三楽章は腰が軽くなりすぎ、スカスカの音楽になる演奏が多いですが、これは非常に充実した演奏です。表面的には明るいのですが、所々に垣間見れるモーツァルトの独白に敏感に反応し、聴き手をはっとさせます。その対比の見事なこと。

レオポルド弦楽三重奏団は、以前同じHyperionから晩年のディベルティメントK563が出ており、しっとりした素晴らしい演奏を聴かせてくれましたが、こちらでも素晴らしいアンサンブルを聴かせてくれます。細部までおろそかにせず、全ての音が非常に丁寧に奏でられます。奇を衒うような派手なアクションとは無縁。一聴すると地味にも聴こえますが、こういう表面は何もしていないようで充実した演奏は、真の実力者でなければ出来ない演奏でしょう。
このコンビではシューベルトの「ます」が出ており、いずれそれも聴きたいと思っています。

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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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