DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Schubert Symphony No.8(7)

Herbert Blomstedt
Staatskapelle Dresden


edel CLASSICS (0002962CCC)



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Schubert Symphony No.8(7)

Hans Zender
SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg


hänssler (93-120)



勢いをつけるためにまずは不滅の名曲、「未完成」から始めましょう。クラシック入門曲として安易に演奏されがちですが、あまりに深すぎる曲だと思います。

この曲にはヴァント最後の日本公演の神々しいまでの演奏が脳裏に焼き付いていて、ベルリン・フィル、ミュンヘン・フィルのライブ録音とともに、あのような透徹した演奏が好みです。数多の演奏がありますが、曲の核心に迫っている演奏は少ないように思います。骨格の良さと暖かい音色で聴かせるブロムシュテット。透明で冷たい歌でシューベルトの深淵に迫るツェンダー。どちらのアプローチも成功しています。

ツェンダーの演奏は南西ドイツ放送響の明度の高い音色に、ツェンダーのクールな色温度の低い音が混じります。明度が高く色温度の低い、水色かエメラルドグリーンのような色をしています。ツェンダーはロマンティックに歌わず、非常にクールで即物的です。そして常にシャープでソリッドなティンパニがより引き締めています。
ツェンダーの真骨頂は一楽章の展開部でしょう。ここで、シューベルトの深淵に迫れるかが決まります。展開部の入りの低弦、そこから湧き上がるヴァイオリンの不気味さ!背筋が凍るほどの戦慄を覚えます。なんと不健康な美しさ!
二楽章冒頭のヴァイオリンの透明感こそはこの曲の肝なのです。ツェンダーの線が細く透明な歌はこの世の響きとは思えません。

ブロムシュテットの演奏を色に喩えると暖色系のオレンジで、ツェンダーとは違った透明感があります。何よりも骨格が良く、凛とした格調の高さがあります。
一楽章、「シューベルトの深淵」とかいう感傷の余地を許さない、響きだけが全ての全く正攻法の演奏です。病的な美しさはなくともその響きだけで満足してしまいます。なんと立派で美しい音楽!
二楽章、ブロムシュテットの演奏は夕映えのような暖かさを湛えています。天上よりも一段降りたところにある現世に近い美かもしれないが、聴き手を優しく包み込んでくれます。冒頭のダムを筆頭とするホルン・セクションによって導き出される暖かい響きにただ身を委ねるだけです。どこか「懐かしい」感じすらします。この「懐かしさ」こそがブロムシュテットの演奏の美点かもしれません。

シューベルトの晩年の虚無に飲み込まれたいのであればツェンダー、曲の美しさに包み込まれたいのであればブロムシュテット。とても贅沢な選択肢です。

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Schubert Symphonies

Herbert Blomstedt
Staatskapelle Dresden


edel CLASSICS (0002962CCC)



schubert_zender.jpg


Schubert Symphonies

Hans Zender
SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg


hänssler (93-120)



シューベルトは大好きな作曲家ですが、普段聴くのは主に室内楽や器楽曲、声楽曲で、交響曲を聴く頻度は低いです。モーツァルトと同じように、この作曲家の本領を発揮する分野は交響曲ではないと感じます。シューベルトには規模が大きすぎると思うのです。しかしながら、有名な最後の二つの交響曲、「未完成」、「グレート」はもちろんのこと、それ以外も世間では構成力の足りない曲と揶揄されますが、聴き疲れしない佳曲揃いです。

ここにシューベルトの交響曲全集で二つの素晴らしい全集があります。一つは「暖」のブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン、もう一つは「冷」のツェンダー/南西ドイツ放送響。この対照的な二つの全集があれば、私はとりあえず満足します。
ブロムシュテットとシュターツカペレ・ドレスデンの黄金コンビによる演奏は想像どおりの期待を裏切らない名演で、名録音とともに親しまれているものです。暖かみのある響きが本当に美しい。
この演奏ではツェンダーはシューリヒトよりもロスバウトに近いかもしれません。ツェンダーらしいストレートで透明な歌が特徴の、ときに背筋が凍る演奏です。対照的なブロムシュテットと聴き比べると非常に面白いです。

ちょっと趣向を変えて一つの曲について、この二つの演奏の聴き比べをしたいと思います。特に晩年のシューベルトの深淵に対し、二人は異なるアプローチで迫っているものの、両方とも非常な名演になっているところは興味深いです。

私が贔屓にしている二人の指揮者。この二人がシューベルトの交響曲全集を残してくれたことはとても幸運でした。

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brahms4_vonk.jpg

Beethoven Symphony No.1

Hans Vonk
Saint Louis Symphony Orchestra


PentaTone (PTC 5186318)



先のブラームスの4番とのカップリング。初めて聴いたときの感想は「やられた!」でした。

何故「やられた!」か?ベートーヴェンの1番は前回のツェンダーの演奏がデフォルトになっており、このような演奏は私の「ベト1演奏辞書」の中には無かったのです。
ここでも相変わらずフォンクは奇を衒わず、丁寧で端正です。フレーズ一つ一つ全くおろそかにせず、全てのフレーズが充実しています。速いテンポで飛ばすのではなく、この音楽をじっくり聴かせてくれます。流麗に流れる爽快な音楽ではなく、内側から湧き出る味わい深い音楽です。しみじみ「ああ、良い音楽だなぁ」と味わうことが出来ます。嗚呼、「良い音楽」とはこういうものを言うのだなぁ。

一、四楽章は飛ばしませんが、フレーズ一つ一つにしっかり表情があります。テンポは速くなくとも音楽は生命力を失わず、情熱に事欠きません。

二楽章の流れの良さと活き活きとした表情も特筆すべきでしょう。

三楽章の「力溢れるメヌエット」というべきじっくり踏みしめるように奏でる力感が最高です。

ここに「良い音楽」の原点を見た気がします。「個性」云々の前にもっと大切なものがあると思わずにいられません。

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beet16_zender.jpg

Beethoven Symphony No.1

Hans Zender
Rundfunk-Sinfonieorchester Saarbrüken


CPO (999 474-2)



フォンクは一時お休みして、ブログ始めた時に最も書きたかったことの一つ、ツェンダーについて再び書いてみます。次のエントリへの伏線だったりするのですけどね(笑)。

ベートーヴェンの1番は、ベートーヴェンらしさという観点からはまだ個性を確立する前の作品であるが故に、他の交響曲よりも一段低く見られる傾向があるように思われます。私もその一人でした、そう、この演奏を聴くまでは。

ツェンダーのベートーヴェンの1番は唯一無二の演奏で、それまではこの曲に全くシンパシーが無かったのに、この演奏のお陰でその魅力に開眼しました。今のところこれ以上の演奏は考えられません。ツェンダーらしい速めのテンポで畳み掛けるのですが、硬質にならなずに歌が溢れだし、シューリヒト的アプローチでありながら、シューリヒトよりも成功しています。これを聴くとツェンダーの古典への適性を思い知ることができます(モーツァルトも名演)。

一楽章の序奏の歌の豊かさはどうでしょう。ツェンダーの真骨頂はこういったテンポのゆっくりしたフレーズにあります。ただテンポを速くして誤魔化した演奏とは一線を画しています。主部が始まってからの駆け抜けるテンポの良さは天下一品です。テンポが速くなってからも歌心を忘れておらず、ヴァイオリンは豊かに歌っています。硬くならないなんと豊潤な歌!

二楽章の冒頭のヴァイオリンの響かせ方からそのセンスが半端じゃありません。ここをべったりと弾き、のっぺりとなる演奏が多いのですが、程よく弾ませ音楽に生命力を吹き込んでいます。

実質的なスケルツォの三楽章。リズム良さは言うまでもありません。

四楽章は最高!これ以上の演奏は望めません。一楽章同様唯一無二の演奏です。速めのテンポで軽やかに駆け抜ける爽快感!体はリズムを取り熱くなります。軽やかに天を駆け抜ける様は正にシューリヒトのそれに通ずるものがあります。

先の「田園」とこの1番、もう一曲シェリングとのヴァイオリン協奏曲をカップリングしたこの一枚は私の宝物の一枚で、この演奏を紹介した友人達も異口同音に絶賛します。現在廃盤なのが本当に悔やまれます。是非ともなんらかの形で復活させて欲しいと思います。


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brahms4_vonk.jpg

Brahms Symphony No.4

Hans Vonk
Saint Louis Symphony Orchestra


PentaTone (PTC 5186318)



告白しましょう。私はこの演奏を聴いて本当に何年かぶりにブラームスの4番を聴いて号泣したのです。

ここにはクライバーの颯爽さ、ザンデルリンクのような重厚さもありません。ひたすら誠実に丁寧に歌が紡がれていきます。一音たりと弾き流されることはなく、一音一音が大切に奏でられます。それゆえの独特の透明感があります。ここにはブラームスの音楽に不可欠だと思われていた「うねり」がありません。ブラームスの音楽にはうねりがないと感動できないのか?否。この感動はうねりに巻き込まれて心揺さぶられる感動ではなく、内側からジワジワと共感し、それが広がっていく感動なのです。恐らくこの演奏を聴いてなぜそこまでに感動するのかとお思いになる方も多いでしょう。もしかしたら、そこにあるのがブラームスの音楽の本質ではないか、今まで気がつかなかったブラームスの音楽の本質にまた一歩迫ることが出来たのではないかと、あらぬ自己満足の妄想を抱いているのです。

フォンクの音楽は一聴素っ気なく、平凡に聴こえます。しかし耳をそばだて感覚を研ぎ澄まして耳を傾けると、そのフレージングの見事さに驚きます。フレーズの浮き沈みが緻密に計算され、全体としても構成感を失っていません。音量は見事にコントロールされ、絶妙なデュナーミクがフレーズに奥行きを与えています。またそれが自然でチェリビダッケのような人工臭がしません。「職人肌」とは「天才肌」に対するアンチテーゼとして用いられ、天才肌の指揮者よりも一段低い扱いを受けていますが、私は最上の賛辞としてこの言葉を用いたいと思います。いったいここまで音楽と深く共感し、理解している音楽家が何人いるでしょうか。
また驚くべきはその音色です。およそ、アメリカのオーケストラとは思えないまろやかで豊潤な音がするのです。淡いワインレッドの音。これはフォンクの芸風によるところが大きいのでしょう。前回のドレスデン・シュターツカペレと同質の美質を兼ね備えており、オケの力だけではないということが分かります。そして、聴いていて最も感じることは、オーケストラのメンバーの奏者のベクトルがそろっており、大変共感に溢れているということです。これが更に音楽を感動的にしているのでしょう。その共感の深さに心打たれます。

一楽章は一聴素っ気なく聴こえるでしょう。ですが、丁寧に奏でられた綿雪のように繊細な第一主題は心にふっと溶けていくようです。決して枯れてはおらず、適度な緊張感が保たれています。

二楽章は絶美。第一主題変奏(2:42)の優しさに満ちた美しさ!フレーズ一つ一つが優しく語り掛けてきて慈愛に満ちています。もうここだけで号泣してしまいます。そして続くチェロによる第二主題(3:46)のなんと繊細なこと!フレーズの消え行く様は言葉にならず、フレーズの最後まで愛おしそうに奏でられます。(8:06)からまたあの第二主題が弦楽器で厚みを持って奏でられるとき、涙が溢れてどうしようもなくなっています。

三楽章はありがちな推進力に満ち颯爽とした演奏ではありません。ですが、内側からエネルギーが放出され大変感動的です。この楽章を持ってこの演奏が気の抜けた演奏ではなく、内部に莫大なエネルギーを宿し、緊張感溢れる演奏であることが証明されるでしょう。一音一音確かな足取りで奏でられ、そのエネルギーに体が熱くなります。コーダのエネルギーの大きさには息が出来なくなり、涙が出ます。

四楽章、エネルギーが爆発します。相変わらず一音一音丁寧に奏でられますが、そこにエネルギーが充満しています。

4番はブラームスの傑作だと頭では理解していながら、重々しくてなかなか聴く機会がありません。共感度も低いほうです。ですが、このフォンクの演奏により、激しく共感する自分を発見しました。

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mozart_overtures_vonk.jpg

Mozart Overtures

Hans Vonk
Staatskapelle Dresden


DELTA (15 885)



フォンクの演奏で一番慣れ親しまれているのは、このモーツァルトのオペラ序曲集でしょう。格安の値段からは信じられない超一流の名演揃いです。私の中では同曲集のベストであり、宝物の演奏です。

モーツァルトのオペラ序曲集と言えば、モーツァルトを得意としたドイツの二つの歌劇場のオーケストラ、シュターツカペレ・ドレスデンとシュターツカペレ・ベルリンの演奏が好みで、後者はスイトナー、前者はコリン・デイヴィスとこのフォンクの演奏を好んで聴いています。

ここで聴くドレスデン・シュターツカペレの音は、スイトナー、ブロムシュテット、コリン・デイヴィスで慣れ親しんだ音とは少し異なります。リズムの切れは多少減じているものの、まろやかさや滑らかさが数段増しており、これがフォンクの真骨頂でしょう。とにかく響きが美しい。シュターツカペレ・ドレスデンの美質が倍増されています。
暖かくまろやかで品のある音色、適度に弾むリズム、極めて自然な豊かな歌。もうそれだけでモーツァルトは微笑むのです。

「魔笛」冒頭の和音からもう惚れ惚れするほど美しく、その後の序奏の美しさなど言語を絶しています。これを聴いて幸せにならない人がいるでしょうか。「フィガロの結婚」、「劇場支配人」の自然なリズムの躍動も素晴らしい。

フォンクとシュターツカペレ・ドレスデンの相性は最高だっと思うのですが、残されている録音で手に入るものは少なく、管弦楽のみではこの演奏しかないのではないでしょうか。素晴らしい実力を持っていながら録音に恵まれなかったのが残念でなりません。

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