DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Haydn String Quartet No.77

Gewandhaus Quartett


NCA (60148-210)



「意志の強い作曲家」というと真っ先に思い浮かぶのはベートーヴェンでしょう。「苦悩から歓喜へ」。不屈の精神で不遇の人生と戦い続け、その戦いの中から人類の至宝とも言うべき作品を数多く生んだベートーヴェン。

しかし、私はハイドンにもまた違った強さを感じるのです。彼の残した膨大な作品に影はなく、常に前向きです。立ち止まることなく挑戦しつづけ、音楽を産みつづけたその精神の強さはいかばかりだったのでしょうか。ハイドンの音楽からもらえる元気は、そういった前向きさからもたらされるのだと思います。

ハイドンの残した膨大な弦楽四重奏曲の中の最高傑作でもっとも有名な77番「皇帝」。現在のドイツ国歌、当時のオーストリア国歌として有名な二楽章はどこかできっと聴いたことがあるメロディーでしょう。ハイドンはイギリスに滞在中にその国歌に感銘を受け、ナポレオンの侵略に脅かされていた祖国オーストリアのためにこの曲を書き、フランス軍が侵攻する中、体を病魔に蝕まれていながらウィーン陥落の日までこの曲を弾き続けたといいます。今に伝わるそういったエピソードの中にもハイドンの強さを見出すことができます。

先日素晴らしい演奏を聴かせてくれたゲヴァントハウス弦楽四重奏団がこの曲を至高の演奏で聴かせてくれます。彼らの音楽性はベートーヴェンの初期やハイドンの弦楽四重奏との相性がいいのです。特にハイドンとの相性は最高ではないでしょうか。彼らのハイドンの録音がこれしかないのは至極残念です。

全くの自然体。音楽は決して力まずどこまでも美しい。1st Vnのエルベンを始め、各パートのふっくらして柔らかい美しい音は特筆すべきでしょう。ハイドンの音楽にはベートーヴェンのような力みはいらないのです。二楽章は何度も何度も繰り返し聴いても飽きません。

センチメンタリズムでは目の前の問題は解決しない。たとえ間違っていても前に進み続けることこそ問題解決に結びつく。ハイドンの音楽にはそういう強さを感じます。

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Haydn Symphony No.98

Eugen Jochum
Staatskapelle Dresden


BERLIN Classics (0090342BC)



今年はハイドン・イヤーだというのに、パパ・ハイドン先生のエントリが今年に入ってまだ一つもありませんでした。

この曲にはとても想い出深いエピソードがあります。当時まだお座りを始めたばかりの息子が、一楽章でケラケラ笑いながら、音楽に合わせてお座りしたままピョンピョン跳ねたのです。そのかわいかったこと!それはまるで某新興宗教で有名になった「空中浮揚」のようでした(笑)。この曲を聴くたびにその光景が脳裏に浮かびます。その模様はしっかりビデオに納めており、将来宝物になることでしょう。

さて、そんな「空中浮揚」をしたくなるほど楽しい曲なのがこの98番。冒頭は堂々とした重々しい序奏で始まりますが、その後はいつものハイドンで元気一杯です。四楽章など愛らしくてたまりません。

このヨッフムの演奏は同曲で最も好んで聴きます。この曲に関してはザロモン・セットで多くの名演を残してくれたヘルビッヒも敵いません。ヨッフムらしく重心が低くがっしりして推進力があり、音楽がとても生き生きしています。その音楽の生命力!しかもシュターツカペレ・ドレスデンの音色が華を添えます。ただ元気なだけでなく、弱音の美しさなどはこのオケならではのものでしょう。

この演奏では通奏低音にチェンバロが用いられています。このチェンバロがとても新鮮で素敵です。四楽章には協奏曲のカデンツァのようなソロの楽句があります。さすがパパ・ハイドン先生、なかなかユニークで革新的です。ヘルビッヒの演奏では最後のソロ以外はチェンバロを通奏低音に採用していないのですが、これがあるのとないのとでは音楽の華やかさが違います。

今日もハイドンに元気をもらいました。

最近HMVでヨッフムで検索すると、名演の数々がことごとく廃盤になっています。やはりヨッフムの音楽は地味で一般受けしないのでしょうか。この演奏もいつのまにか廃盤になってしまいました。最近ジャケットを変更して再発売のサイクルに入っているBERLIN Classicsなので、近々再発売されることを切に願います。有名曲はあまり入っていませんが、最高のハイドンが聴ける一枚です。


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mozart38_maag.jpg

Mozart Symphony No.38 "Prague"

Peter Maag
Orchestra di Padova e del Veneto


ARTS (47364-2)



昨日は息子の誕生日、今日は娘の誕生でした。このブログを始めた頃、娘はまだ妻のお腹の中で、息子は今の娘と同じ年でした。本当に子どもの成長は早いです。

純真無垢な子ども達の誕生日を祝福するには、これまた純真無垢な音楽でなければなりません。合い相応しい演奏はないかとCD棚を眺めていたところ、ふとこの演奏が目に留まりました。久しぶりに聴いて心が洗われました。ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトという純真無垢な作曲家と、ペーター・マークという純真無垢な指揮者。これほど童心に返らせてくれる音楽はありません。

マークという人はスター街道を歩み出した絶頂期に、スター街道に背を向け世俗の垢を落とすため香港で禅の修業をしたそうですが、そういった生き様は音楽に如実に現れています。このモーツァルトも、均衡を破って強奏されるホルンや鋭い弦の切り込みなど、決して耳に心地よい響きではないのに「美しい」と感じる。マークの音楽は表面ではなく内部が透き通っており、モーツァルトのそれと深く共鳴しているのです。残念ながらマークの実演に接することは出来ませんでしたが、ジャケットから拝見するその純粋な笑顔に吸い込まれてしまいます。

モーツァルトの音楽の純真に迫る時間軸の流れは、二つあると思っています。一つは老いて枯れていく過程で子どもの純真に戻っていく時間軸を進める方向、もう一つは時計が逆に回り、子どもそのものに戻る時間軸を戻る方向、マークの音楽は後者に相当するのではないでしょうか。

モーツァルトのシンフォニー中で最も幸せな「プラハ」をマークが奏でると、相乗効果でなんと幸せな音楽になるのでしょう。聴いていて本当に心の垢が取れていき、子ども達と童心に返って夢中になって遊んでいるときと同じような感覚になります。

完全に子どものような純真さを保つのは難しいでしょうし、これから更に世知辛くなる世の中を生きて行くには多少のしたたかさが必要ですが、子ども達にもずっとこの音楽に共感できるような心を持ちつづけて欲しいです。

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beet_blomstedt2.jpg

Beethoven Symphonies

Herbert Blomstedt
Staatskapelle Dresden


BERLIN Classics (0184442BC)



Brilliant Classicsから発売されたブロムシュテットのベートーヴェン交響曲全集は、演奏内容とその値段との相乗効果で、このレーベルだけなくベートーヴェン交響曲全集のベストセラーになったのはクラシック音楽ファンの間では有名なことでしょう。拙ブログでも8番を既に取り上げています。
元々、BERLIN Classicsの初期盤を購入しようと思っていたのですが、左右のチャンネルが反転している問題があるということを耳にしていたので、購入を見合わせているうちに廃盤。しばらくしてBrilliant Classicsから低価格で再発売され、すぐに飛びつきました。

しかしよくよく聴いてみると、素晴らしい演奏ながら高音の抜けが悪く、平面的で金属的な音だったので、ブロムシュテット/シュターツカペレ・ドレスデン黄金コンビのシューベルトの交響曲全集ドヴォルザークの8番の超名演名録音を知る者としては、ずっともどかしさを感じていたのです。

ということで、ダブりを覚悟で少し前にBERLIN Classicsから再発売された同全集を購入しました。「嗚呼、この音だ。」とホッと胸をなでおろしました。高音の抜けが良い柔らかく暖かい音で、これぞ私の「音楽のふるさと」の音です。ややもすればくどくなるベートーヴェンの交響曲を、何の苦もなく聴き通すことができました。
第九などはこんなに美しい音楽だったかと聴き入りました。第九でこのコンビではゼンパーオーパー再建記念ライブのほうばかり聴いていましたが、改めてこのセッション録音の素晴らしさを再認識したのです。


さて、キング・レコードから発売されている高音質が売りのハイパー・リマスタリング・シャルプラッテンでもバラですがブロムシュテットのベートーヴェンを集めることが出来ます。

まずはペーター・ダムのモーツァルトのホルン協奏曲など、現在BERLIN Classicsでは手に入らない演奏を優先的に購入し、その音質の素晴らしさ(演奏ももちろん天下一品)に驚きました。元々素晴らしい録音なのですが、ベールが一枚剥がれた感じで、音のリアリティが全然違います。現代の技術を持っても、これだけの心地よい響きは出せないのでは思わせますし、少なくとも最新の録音でここまでの録音は聴いたことがありません。

このブロムシュテットの全集も、ハイパー・リマスタリング盤を一枚でも購入しその音質の良さを体験してしまうと、再び全部購入してしまいそうで恐いのです。一枚1800円なので全集にして一万円強。これは実に恐ろしい(笑)。同演異盤で音質を競っているフルトヴェングラーならともかく、比較的新しい録音でこれはまずいのです。

どなたか音の違いを体験された方、その恐怖体験をお話になってください(笑)。

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