DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Haydn Cello Concerto No.2

Carl Schuricht
Enrico Mainardi
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart


hänssler CLASSIC (CD 93.150)



畳み掛けてシューリヒトのハイドンをもう一つ紹介します。

実はこのCD、他の「軍隊」や95番目的で購入し、それらがシューリヒトにしては期待したほどの演奏ではなかったので(もちろん凡演ではない)、しばらくお蔵入りしていたのですが、全く期待せずにカップリングのマイナルディと組んだチェロ協奏曲の2番を聴いて、衝撃を受けたのです。

最初聴いた時、一楽章冒頭の序奏数秒であまりの衝撃に一体何が何だか分からなかったのです。「違う、こんな曲ではない。」そう思わずにいられませんでした。冒頭の序奏から自分が知っている世界とは全く違っていたのです。なんという情感豊かで優美な音楽!慈しむように大切に奏でられる第一主題にいきなり涙してしまいました。注ぎ込む愛情がフレーズの枠に収まらず溢れ落ちそうです。たったこれだけのフレーズにこれだけの溢れる愛情を注ぎ込むとはシューリヒトはなんという芸術家なのだろう。一体現代これだけの伴奏が聴けるだろうか?シューリヒトの伴奏は明らかに私の概念にあった伴奏の概念を超えていたのです。そして一楽章再現部始め(8:10)からは心を震わされ涙が止まりません。ハイドンの音楽がここまで心に響くのか?これを涙なしに聴けますか?オーケストラだけのフレーズでこれだけの表現をしておきながら、決して協奏曲としての体裁を崩すことはなく、音楽を高めています。

敬愛するペレーニの師、マイナルディのチェロもロマンティックでゆったりとしたテンポでじっくりとよく歌います。それでありながら決して鼻につくことはなく、独奏者然としていません。シューリヒトと共同作業で豊かな音楽を作り上げていきます。実に素朴で実直なソロを聴かせてくれます。過度に前面に出ることはなくどこか遠鳴りするような、過去から響いてくるような懐かしい響きがします。この演奏の独奏者がマイナルディだったことが成功の要因の一つになっていることは間違いありません。

シューリヒトの作り出す音楽を聴くと、いつも自分が音楽の可能性を知らぬ間に制限していることに気づかされます。音楽はかくも自由で無限の可能性を持っているのです。

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Haydn Symphony No.86

Carl Schuricht
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart


medici MASTERS (MM016-2)



引き続きシューリヒトのハイドンを取り上げましょう。

フランス国立放送管との「ロンドン」同様、「奇跡のハイドン」とも言うべきなのが過去に取り上げたことのある北ドイツ放送響との86番。こちらも奇跡的な演奏ですが、元々海賊盤であり、残念ながら現在では入手困難となってしまっています。実はシューリヒトの86番にはもう一つシュトゥットガルト放送響との演奏があり、良好な復刻で評判のmedici MASTERSレーベルから発売されています。音質は北ドイツ放送響盤よりも若干篭った感じですが良質なモノラル録音です。海賊盤の北ドイツ放送響盤に近い感動を正規盤のシュトゥットガルト放送響盤で得ることが出来ます。ハイドンの音楽を愛する人はこの演奏を聴かなければなりません。

演奏によってしばしば大きな解釈の違いを示すシューリヒトですが、このシュトゥットガルト放送響盤の基本的な解釈は北ドイツ放送響盤とさほど変わりません。美しいフレージングを保ちながら一気呵成に走りぬけるスタイルです。
それにしても一楽章の主部からと四楽章は、バネのような弾力のある見事なフレージングです。音楽は陸上の短距離走者のように躍動しながら颯爽と走り抜ける。コンマ一秒を争う世界で鍛え上げられた一切無駄の無い美しい筋肉を具え、そしてそこから磨かれた無駄の無い自然なフォームを持ち合わせる。そのフォームの美しさと爽快な躍動感に胸が熱くなります。

これらの演奏を聴くと、シューリヒトほどハイドンに適性を示した指揮者はいなかったと思えてなりません。優れた知と情のバランス感覚を備え、そして何より迸る情熱を持ち合わせている。私にとって最高のハイドンを体現してくれる指揮者はシューリヒトなのです。

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Haydn Symphony No.104 "London"

Carl Schuricht
France National Radio Orchestra


Altus (ALT172/3)



いまいち盛り上がりに欠けた(苦笑)ハイドン・イヤーももうすぐ終わり。ラストスパートをかけましょう。

過去に一度取り上げましたが、ようやく正規録音からの発売になった「奇跡のハイドン」と言うべきシューリヒトの「ロンドン」。改めて聴いてみて、やはり「奇跡」以外の何ものでもないと感嘆しました。いったいどうしたらこのような演奏が出来るのか。ハイドンの乾いた音楽を、ここまで潤いのある優美な音楽にしてしまい、我々の中にあるハイドンの音楽の概念を簡単に覆してしまう。シューリヒトの知性とロマンティシズムが出来る芸当です。

LP起こしだと思われるDISQUES REFRAIN盤、MEMORIES盤は霞みがかかったような音で音が篭っていましたが、今回のAltus盤は高音の抜けが格段に良くなり、霞みが晴れたようです。ノイズ・リダクションのせいか多少音がシャリシャリしていますが、こうやってより良好な音質で多くの人に聴かれるようになったことは喜ばしいことです。

今まで霞みがかかったような音質からか、演奏の優美さばかりに気をとられていましたが、今回のAltus盤を聴いて感じたのは、漲るエネルギーの凄さです。当時シューリヒトは70歳台半ばに差し掛かっていましたが、いったいどこからこれだけのエネルギーが湧き上がってくるのでしょうか。最晩年まで衰えることがなかった音楽に対する情熱に敬服します。特に三楽章メヌエットと四楽章の生命力と躍動感は旧盤からは得られないものです。四楽章はそのエネルギーに圧倒され、体は自然にリズムを取り、体中の細胞が活性化され、その一つ一つが幸せに満たされていきます。

ワルターやシューリヒトなど往年の名指揮者が奏でた情感豊かでロマンティックなハイドンは、もはや現代では望むことは出来ないのでしょうか。最近の乾ききったハイドン演奏を聴き、そしてこの演奏を聴くと、そんな懐古趣味に浸ってしまいます。

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廃盤になったかと思っていた、ハイティンク/フランス国立管のマラ6が復活していました!

『HMV - 交響曲第6番『悲劇的』 ハイティンク&フランス国立管(ライヴ)【CD】-マーラー|交響曲|クラシック|音楽|HMV ONLINE』

マーラー演奏史上最高の演奏だと思っているので、お聴きになっていない方は再び廃盤になる前に是非お聴きになってください。


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bru6_leitner2.jpg

Bruckner Symphony No.6

Ferdinand Leitner
Basler Sinfonieorchester


ACCORD (204372)



音楽を再び聴くようになると必ずこの曲に手が伸びます。この曲はいつも自分の音楽の中心にあり、それくらい心から愛しているのです。

フェルディナント・ライトナー最後の録音。一部のファンから神格化されている演奏です。以前、南西ドイツ放送響との演奏を紹介しましたが、この演奏はそれをさらに上回るのではないでしょうか。ブルックナーの6番の中でもトップになりうる演奏だと思います。

全身を優しく包み込む宇宙的な母性。ヴァントチェリビダッケのような神経質さはなく、この演奏には無類の包容力があります。オリオン座の小三つ星、真中のオリオン星雲では星が常に誕生しています。暖かな原始雲は星を育むゆりかごなのです。

残響の多い会場と高齢だったライトナーの身体能力のせいか、テンポは遅く(南西ドイツ放送響盤よりもトータル約6分も長い)、音がカッチリと出ず少し拍より遅れて出ます。音は強奏でも硬質にならず、ふくよかな響きを失いません。それにより、南西ドイツ放送響盤であったライトナーならではの構築感は減退していますが、そのかわりに懐の深さがあり、聴いていて深い安堵感に包まれます。アンサンブルの精度は決して高くはありませんが、むしろそれがプラスに働いています。強弱指定はそれほど厳密ではなく、この曲の特徴である付点と三連符の区別も曖昧である意味大らかです。しかし曲の本質を捉えるどころかそれを超えるような神々しさがあるのです。

一楽章冒頭、第一主題の全奏(0:53)では縦の線がずれていますが、それは小さな傷に過ぎません。第二主題(1:45)の停滞する寸前のゆっくりとしたふくよかな歌。そして第三主題(3:57)からの信じられない優しさと美しさ!一楽章提示部はこれまでに優しく美しい音楽だったか!そして大切な大切なコーダ。低弦の刻みの上をホルンとオーボエが二重奏で第一主題を奏でるところ(15:15)は聴いて泣かなかったことがありません。学生時代に演奏したときも目に涙を溜めながら弾いていました。ブルックナーの音楽で一番好きなところです。ライトナーの演奏は神がかり的で、ここに神の慈悲を感じずに何を感じろというのでしょうか。聴いていて涙が止まりません。これ以上の演奏は考えられません。楽器の音は一切せず、そこには暖かな原始雲があるだけです。

神々しい二楽章。もうこの世の響きではありません。必要以上に弱く、音を細くして神秘さを演出するようなあざとさはなく、むしろ大きめに豊かに鳴らします。冒頭の低弦の動きも強めで時にうなるほどです。しかしそれが響きの豊かさにつながっています。ラルゴの沈降(4:33)、最後のオーボエの歌(16:15)から終曲までなどあまりの美しさに眩暈を覚えるほどです。

物凄い久しぶりに聴いてみて、これほどまでに偉大な演奏だったかと驚きました。このCDは発売後すぐに廃盤になったようですが、何らかの形で復刻されることを切に願います。これだけの演奏が廃盤であることは、人類にとって大きな損失だと思うのです。


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