DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
schubert_mass6_giulini.jpg

Schubert Mass No.6

Carlo Maria Giulini
Chor und Symphnieorchester des Bayerischen Rundfunks


SONY CLASSICAL (SICC270)



クラシックブログ共同企画、「勝手にジュリーニの日」に拙ブログも参加させていただくことにした。ジュリーニは大好きな指揮者で、その優れた音楽性、紳士でハンサムな風貌、謙虚で誰からも愛された人柄は憧れの的である。ジュリーニのCDで氏の顔が映っているジャケットはすべて「美しい」。いつも手に取ると、その引力に引き寄せられてしまう(もちろん、悩ましいことに全部買うわけにはいかないのだが)。指揮者の中でも特に「美しい顔」を持った指揮者だった。ただ単にパーツが整っているだけでなく、内面から滲み出る優しさと気品があった。音楽家の中で最も好きな顔かもしれない。

ところで声楽曲のエントリが今までに一つも無いことに気がついたので、今日はシューベルトの傑作を。「バッハ、マタイ受難曲」、「モーツァルト、レクイエム」、「ベートーヴェン、ミサ・ソレムニス」、「ブラームス、ドイツ・レクイエム」、「ブルックナー、テ・デウム」というように、有名作曲家には必ず、有名な宗教曲があるわけだが、なぜか愛するシューベルトには有名な宗教曲が無い。シューベルトの声楽というとリートばかり目立つが、シューベルトも挙げた作曲家達に負けない素晴らしい宗教曲を書いている。ここで紹介したいのは最後のミサ曲第6番である。作品番号から分かる通り、この作品はシューベルト死の年の作品で、個人的にはベートーヴェンのミサ・ソレムニスに匹敵する作品だと思っている。シューベルトならではの優しさ、無垢さが生かされた歴史に残る名作ではないだろうか。特にアニュス・デイの敬虔な美しさは古今東西のミサ曲の中でも、特筆すべき傑作だと思っている。
この傑作をカンタービレの巨匠、ジュリーニが最強オケ&コーラスのバイエルン放送響&合唱団と共に演奏してしているわけだから、名演が生まれて当然かもしれない。シューベルトの晩年の作品の演奏には謙虚さ、高潔さが必要だと思っているが、この演奏はジュリーニの謙虚で高潔な人柄が滲み出た稀有な名演だと思う。全編慈しむように一音一音大切に奏でている。ゆったりとしたテンポで、滑らかに歌い上げる。しかし音楽は張りを失わない。また、彼の音楽には「嘘」が一切無い。だから宗教曲ではとびきびの名演を残してくれた。(バッハ、ロ短調ミサ曲、ベートーヴェン、ミサ・ソレムニスに名演あり)どれも敬虔な歌に溢れている。
キリエの冒頭から柔らかい優しい音に包まれる。なんと心地よいのだろう。
グローリアでは力強さ、輝かしさの中に、優しさがちりばめてある。
クレドはジュリーニの真骨頂。「聖霊によりて」の冒頭のチェロの優しさときたら! 独唱陣も素晴らしい。大仰なヴィブラートを伴った大時代的な歌い方ではなく、いい意味で力の抜けた美しい歌を聴かせてくれる。
アニュス・デイはどうしようもなく美しい。アカペラ部分での清廉で祈りに満ちた合唱、そして最後の弱音での祈りに満ちた美しさ!最後のティンパニがディミニュエンドして消えて行くところは非常に感動的で、無宗教の私でも手を合わせたくなってしまう。涙なくしてこれを聴けるだろうか。音が消えたあとは目をつぶり、胸いっぱいになって天を仰いでしまった。この曲を聴いたことが無い方はこの演奏を聴いたらきっと大好きになるだろう。

それにしてもgarjyuさんのブログにエントリされている、音楽評論家、黒田恭一氏のエピソードは大変感動的だった。ジュリーニの人柄が如実に現れたエピソードだと思う。(garjyuさん、紹介していただき、ありがとうございます。)多くの人に尊敬され、愛されたジュリーニ。憧れるのは勝手だが、自分に他人に対してそれだけの謙虚さがあるか?否。あのような素敵な年の取り方が出来るよう精進したいと、この曲を聴きながら改めて思った。ありがとう、ジュリーニ。

お買い物『HMV - ミサ曲第6番 ジュリーニ&バイエルン放送交響楽団&合唱団、他【CD】-シューベルト/音楽/HMV』


↓本記事がお役に立てたら、クリックにご協力お願いいたします。

音楽ブログランキング にほんブログ村 クラシックブログへ

テーマ:日記 - ジャンル:音楽

このページのトップへ

コメント

ご参加、ありがとう

初めまして。miwaplanと申します。
今回は「勝手にジュリーニ」企画への参加、ありがとうございました。

不勉強なもので、シューベルトのこの曲は、たぶん聴いたありません。ジュリーニによる演奏で聴いてみるつもりです。

情報を、ありがとうござしました。
これからも、よろしく、どうぞ。

Dokuohさん、
「勝手にジュリーニの日」ご参加ありがとうございました。
ジュリーニ、カッコ良いというと軽々しい、「美しい顔」というのは、その通りですね。指揮姿は華麗というわけではないですが、“絵になる”。でもそれが鼻につかず、良い年齢の取り方をされた方だなあ、と生意気にも思います。
ジュリーニのような“おとな”になりたいですね。

シューベルトのミサ、ジュリーニの演奏だから、購入しました。
感動しました。バッハの祈りに通ずるミサでした。これも大好きな演奏です。

garjyu

  • 2006/05/16(火) 21:54:47 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

こんばんは、dokuoh さん。  その後いかがお過ごしですか?  健やかに平和な毎日を送られていることを祈ってやみません。  ところでシューベルトのミサ曲ですか?  これは KiKi は知りませんでしたね~。  なるほどベートーヴェンのミサ・ソレムニスに匹敵するのですね??  そう教えていただいちゃったらこれは聴かないわけにはいきませんね~。  これからも色々と教えてくださいね♪

  • 2006/05/16(火) 22:56:13 |
  • URL |
  • KiKi #bMLlLu06
  • [編集]

はじめまして

miwaplanさん、
初めまして。コメントありがとうございます。「勝手にジュリーニの日」楽しませていただきました。是非ともまた参加させていただきたいと思います。
シューベルトのミサ曲は是非ともお聴きになってください。お気に召すこと保証いたします。
今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2006/05/17(水) 21:53:54 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

おとな

garjyuさん、
コメントありがとうございます。おっしゃる通り、ジュリーニのような「おとな」になりたいものです。ですが、遠い道のりです・・・。
garjyuさんもこの演奏お聴きになったのですね。同じ感動を分かち合える方がいらっしゃって嬉しいです。

  • 2006/05/17(水) 21:55:42 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

平和じゃない日々(T T)

KiKiさん、
いつもコメントありがとうございます。また、ご心配ありがとうございます。
平和な日々を送っております・・・と言いたいところですが、実はとんでもないことになっていたりします。正直疲弊しきっております(涙)。
さてさて、そんなことは置いておいて、この演奏マスト盤ですので是非ともお聴きになってください。シューベルトとジュリーニの魅力の詰まったお買い得な一枚です。

  • 2006/05/17(水) 21:58:35 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

勝手にしやがれ ジュリー
かと、思ってしまった。
私の仮説:音楽家の人間性とその人から出てくる音楽は何ら関係がない
むしろ、私はセルのような暴君が振る曲に「やさしさ」を見出したとき、嬉しくなってしまうのだ。
しかし、この仮説はジュリーニによって覆されてしまう。人間性そのものの音楽が出てくる人だ。特に、dokuohさんが取り上げたような合唱曲がいいんだな。
ところで、ワルターも相当嫌な奴だったそうで。改心したのは晩年になってからか?それまでは、「新世界より」など凶暴な指揮がけっこうありますね。
となると、「人間性と音楽性はイコールで結ばれる」というつまらない仮説の方が当たっているのか。

  • 2006/05/17(水) 22:34:48 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

分かります!

穂吉さん、
いつもコメントありがとうございます。分かります分かります。小生もクナやクレンペラーの音楽の中に「やさしさ」を見出したとき嬉しくなります。
生意気言いますが、よく「人間性」といいますが、むしろ「人間臭い」ことが音楽には必要だと思うのです。優れた芸術家は欠点があってもどこか憎めないような人間臭いところがあります。面白い人間、魅力ある人間であることが重要なのかもしれません。

  • 2006/05/17(水) 23:14:09 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

dokuohさん、こんばんは。
穂吉さん、はじめまして。

ジュリーニのことを書くときに、“指揮者論”みたいなことを入れるかは、実は迷いました。
実はジュリーニと直接会ったことはないわけですし。
あと、ひとつ。クナ、クレンペラー、トスカニーニ、ベーム・・暴君、口うるさいオヤジと言われた人たちも、『尊敬』するに値する何かを持っていたんではないかなあと思います(もちろん、音楽性などと言われるもの含めて)。

実社会でも、仕事には鬼のように厳しいけれど酒を飲んで打ち解けると案外良い人、いつもは怒っているけれどときどき見せる笑顔が素敵な人・・とか。歴史に名を残すような名演奏をした指揮者たちは、そんな人たちではなかったのでしょうか(それが、dokkuohさんの言われる“人間臭さ”に近いでしょうかね。)。

とりとめのない文章、すいません。

garjyu

  • 2006/05/20(土) 02:49:27 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

garjyuさん、
まさにおっしゃっていることが、小生の言う「人間臭い」です。一緒に仕事はしたくないけど、話すと楽しい人、昔の上司がそうでした(^^;)。

  • 2006/05/21(日) 13:23:49 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

こんにちは♪  今日、ちょっと外出する用事があって、で、何となくその通過経路に新宿があったのでタワコに行ったら、この CD が KiKi に「私を買ってv-238」と呼びかけてきたので思わず購入してしまいました ^^;  明日以降、じっくりと聴いて楽しませていただこうと思います♪  又、色々と教えて下さいね。  

  • 2006/05/25(木) 19:24:49 |
  • URL |
  • KiKi #bMLlLu06
  • [編集]

それはそれは

KiKiさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
それはそれは。引力でしょう。是非ともじっくりお聴きになって、ご感想をお聞かせください。きっと宝物になると思いますよ。

  • 2006/05/27(土) 01:05:07 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dokuoh.blog35.fc2.com/tb.php/107-edb60d53
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

バッハ ミサ曲ロ短調 / ジュリーニ バイエルン放送交響楽団&合唱団他

勝手に**の日『それにしても、あなたは、字を、なんとゆっくりお書きになるのでしょう(評論家 黒田恭一氏のHPより)。』

  • 2006/05/16(火) 21:47:27 |
  • 一年365枚
このページのトップへ

FC2Ad

Information

dokuoh
  • Author: dokuoh
  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

Search

Calendar

09月 « 2017年10月 » 11月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

 

プロフィール

dokuoh

Author:dokuoh
最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

リンク

  このブログをリンクに追加

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。