DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Mozart Requiem

Peter Neumann
Collegium Cartusianum
Kölner KammerChor


Virgin CLASSICS (7243 5 61769 2 8)



モーツァルト・イヤーだというのに、もう半年近くモーツァルトのエントリがありません。これではモーツァルトの御霊に申し訳ない。
私のモーツァルトのレクイエムの刷り込みは有名なベームの演奏で、他の演奏を受け付けない状態がしばらく続きました。あの美しいながらも重々しく、死者の慟哭が聴こえてきそうな壮絶な演奏は、やはり唯一無二だと思うのです。ただ、どんな曲でも「これしかない」という演奏を持ってしまうことはある意味不幸でして、再現芸術たるクラシック音楽の最大の楽しみを放棄しているに等しく、他のスタイルを楽しめない自分が悲しときもあります。私の場合、特に古楽器による演奏が苦手でした。これもベームの演奏の刷り込みによるところが大きいと思います。
さて、そんな私は滅多にレクイエムのCDを購入しないのですが、最近やっとベームの呪縛から解いてくれる演奏に出会えました。ペーター・ノイマンの演奏です。
モーツァルトの宗教曲は有名な数曲を除いて、一回も聴いたこともないという曲が多く、それらをそのままにしておくのは、あまりにもったいないということから、廉価で評判のいい、ノイマンの演奏を購入しました。これが実にいいのです。
とにかくハーモニーの美しさが半端じゃない。合唱はもとより、独唱、オケまでが極めて美しく透明なハーモニーを聴かせてくれます。ノイマンの耳の良さも並ではなく、合唱も相当訓練されているのでしょう。そして、最も重要なのが、古楽器による演奏は、演奏法の特徴からどうしても腰が軽くなる演奏が多いのですが、この演奏は適度に重さや湿度、厳しさがあるのです。所々で轟くティンパニなど、突き刺さる厳しさがあり、決して生優しい演奏になっていません。
「イントロイトゥス」の美しいこと!やはりレクイエムといえばこの曲です。この曲を美しく、そして悲しく聴かせてくれないとだめですが、ノイマンの演奏は何の不満もありません。合唱、独唱のみならず、オケも古楽器独特の土臭さがなく、極めて美しい。
「キリエ」での低弦の蠢き、ティンパニの叫び、「eleison, eleison」と迫り来る合唱、空恐ろしさすらあります。最後の空虚五度の魂が抜かれるような美しい響き!。
続く「セクエンツィア」も力感に溢れています。こういう曲での力強さと美しさの見事な両立はなかなか他で聴けるものではありません。
モーツァルト絶筆の「ラクリモサ」は絶美。冒頭のヴァイオリンの悲痛な叫びから引き込まれます。そして最後のアーメン終止。体が軽くなり、魂を抜かれるような錯覚すら覚えます。天を仰いで涙して聴いてしまいました。

他の曲もぼちぼち聴いてエントリします。モーツァルトの無名な宗教曲にも宝物のような曲が沢山あるということを教えてくれた、素晴らしいセットです。

お買い物『HMV - Sacred Vocal Works: P.neumann / Collegium Cartusianum, Cologne Chamber.cho【CD】-モーツァルト/音楽/HMV』


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コメント

やっぱりベーム

こんばんは。
私もベームの被呪縛派。最近(でもないか。)、映像版を視聴したら、余計病が重くなりました。
ベーム恐るべしです。
余裕があれば、ちょっと見てみてください。

  • 2006/08/01(火) 01:13:54 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

映像

garjyuさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
映像版とはなんとも悩ましいお話です。おっしゃる通り、きっと病が重くなるんでしょうね。それくらい凄い演奏だと思います。DVDは出来るだけ手を出さないように我慢してるのですが・・・。

  • 2006/08/01(火) 21:06:04 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ベーム

こんばんは。ベーム/ウィーンフィル盤はどうしてもはずせない1枚です。レクイエムはスコアも多種でていて、それらによる盤もありますが、ホントにモーツァルト?と思うようなものがほとんどではないでしょうか。ジェスマイアーの手腕云々も散々言われていますが、ベーム盤を聴くと忘れてしまいます。私は、ベーム盤の合唱、ソロの出来は普通だと思うのですが、ウィーンフィルの出来が、無茶苦茶に美しいのです。「怒りの日」の疾風怒濤も、ラクリモーサの「アーメン」の引きずるような伴奏も、(私の試聴ポイントです)他に例を知りません。
従いましてペーター・ノイマン盤の気になるところは、この2点いかがでしょうか?古楽の演奏は好きではありませんし、未だに演奏自体がまともかどうか疑問を持っております。ちなみにブリュッヘン18世紀Oの盤は名盤の誉れが高いそうですが、私の中ではペケです(もちろん持っています)。

  • 2006/08/03(木) 03:10:58 |
  • URL |
  • calaf #-
  • [編集]

ジェスマイアー

calafさん、
こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
私はジェスマイアー肯定派です。ジェスマイアー以外の補筆版をいくつか聞いたことがありますが、ジェスマイアーが一番しっくりきます。無論、刷り込みのせいもあるかとおもいますが。
(確かに演奏していると、ジェスマイアーの補筆したところになったとたんに、集中力が切れ、つまらなくなってしまうのですが・・・)
ノイマンの演奏は旧時代的演奏ではないので、濃厚な歌は期待できません。よってcalafさんのお口に合うかはなんとも言えません。ですが、「怒りの日」の疾風怒濤は御満足していただけるかもしれません。「ラクリモサ」はベームのような引きずるような、沈鬱な表現ではなく、あっさりしているとお感じになるかもしれません。これを受け入れられるかはまずは最初のハードルになるかと思います。しかし、アーメン終止の前の数小節の一度沈み込む表現は他から得られないものですし、アーメン終止では天を仰いでしまいます。

  • 2006/08/04(金) 10:38:25 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

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  • 2006/08/15(火) 08:26:35 |
  • |
  • #
  • [編集]

素晴らしいモツレクですね

こんばんは。
私も5月までは、ノイマンの存在すら知りませんでした。
でも5月の「熱狂の日」に、初めてペーター・ノイマンの演奏を聴き、魂が震えるほど感動しました。残念ながらレクイエムは聴けなかったのですが、ヴェスペレの何と神々しかったこと!
すぐに、このバジェットボックスを注文し、私の愛聴盤になっています。
このレクイエムも、ピュアな点では、この演奏を凌ぐものはないように思います。

ノイマン

romaniさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
「熱狂の日」は本当に良かったみたいですね。大学の友人のブログでも絶賛されていて羨ましくなりました。
このVirgin廉価盤はノイマンが残した全ての録音を網羅しているわけではないらしいので、是非とも残りのお蔵入りしている演奏も復活させてもらいたいですね。

  • 2006/08/18(金) 00:33:01 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
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