DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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smetana_mavalst_kubelik.jpg

Smetana "Ma Valst"

Rafael Kubelik
Czech Philharmonic Orchestra


Altus (ALT098)

特別企画第一弾は、恩人(恩CD?)ともいうべきCDから。

正直告白すると、スメタナの「我が祖国」はこの演奏を聴くまで、無縁の存在というより、鬼門的存在でした。元々このブログの趣旨のとおり独墺系好きな私には、土臭く土俗的なこの曲の真価が分かりませんでした。さらに、義父が「ヴルタヴァ(モルダウ)」が大好きで、良く車の中でかけていたのですが、その演奏があまりにひどく(記憶ではカラヤン/BPO)、ああ、やっぱりなんてつまらない曲なんだと、そのステレオ・タイプ的思い込みはさらに強いものになっていました。
しかし、ある日CDショップのの試聴コーナーにあったこの演奏を聴いたのがきっかけで、一転大好きな曲になったのでした。クーベリック好きな私は、クーベリックだし、絶賛されているからとりあえず聴いてみるかという軽い気持ちで試聴したのですが、結局最後までその場に立ち尽くし、震えながらボロボロに泣きながら聴いたのです(涙を隠すのが大変でした)。激しい衝撃でした。もはやこれは音楽とは呼べないのではないでしょうか。このような超絶的演奏はそう存在するものではありません。
一言で表現すると、"dedicated"。クーベリック、チェコ・フィルの奏者全てが献身的に音楽に奉仕している驚異的演奏です。指揮者を含めた奏者全員のベクトルが完璧にそろい、微塵も弛緩せず緊張を持続させ、自ら発する音に100%以上の情熱を注ぎ込む。いわば物理現象的にはただの空気の振動である音楽が、生命を獲得したというべき演奏で、「音楽」と呼ぶには憚れます。
ここではいわゆる「クーベリックはライブの人」(概してこれはその演奏の熱さについて用いられる)というステレオタイプが当てはまらず、いわゆる直接的な迫力や熱気はそれほどありません。有名な「プラハの春」ライブよりも物足りないという人がいてもおかしくないと思います。しかし、音が持つ生命力はこちらのほうが明らかに上で、全ての音が聴き手に語り掛けてくるようです。「言霊」ではないですが、個人の想いが意思を持って集合し、巨大な意思になり迫ってくる感じがします。やはり故郷に対する溢れ出る想いとクーベリック、スメタナに対する尊敬の念がここまでの演奏を可能にしたのでしょうか。畏敬の念を禁じえません。
個々の交響詩に言及するのも野暮なので、ほどほどにしますが、大好きな「ヴルタヴァ」の繊細で暖かい優しさに溢れ、かつまさに大河の悠久の流れを想わせる雄大さ、「ターボル」、「ブラーニク」での巨大な意思など全てが素晴らしく、共感しないフレーズはただの一つもありません。
ここに音楽の究極の姿を見た気がします。このような演奏に出会えることがあるからこそ、音楽を求め続けるのかもしれません。

お買い物『HMV - 『わが祖国』全曲 クーベリック&チェコ・フィル(1991年ライヴ)(ライブ盤)【CD】-スメタナ/音楽/HMV』


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コメント

ボストンso.盤で勝負
テンシュテットと共にライヴの人となったクーベリック。いやいやスタジオ録音も忘れちゃいけないぜ、とばかりに「かつての名盤」で勝負いたす。
バランスがいい。「我が祖国」とはこんな曲だーということがよく分かる。初めて聴くにはいいかも。
しかし、なんだこのよそ行きのクーベリックは。我々は、マエストロの死後、未発表のライヴ盤を聴きすぎた。あまりにも壮絶な演奏が多かったのでもはやスタジオ録音には帰れないのか。
(ぼくのベスト3に入る最高のスタジオ録音があるんだけどね)
ということで、ぼくの負け。
バイエルン放送so.(オルフェオ)だったら勝てたかな。
ちなみに、一番好きな「我が祖国」はターリッヒの54年録音。
「モルダウ」だけならフルトヴェングラーとフリッチャイの恐ろしいほどの名演あり。
※まだボヘミアの旅から帰らないで頂戴!

  • 2006/09/04(月) 21:35:22 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

クーベリックとチェコフィル

こんばんは、クーベリックとチェコフィルがあるのは知りませんでした。私のは1958年のウイーンフィルなんです。私の好きなのはノイマンの2回目1975年頃のチェコフィルなんですが、クーベリックのは、外から見た故郷、あるいは自分の内にあるボヘミア、ノイマンは地の人ならではの演奏という感じがします。もっとも感激したのはテレビで見た、チェコに戻って屋外でチェコフィルを指揮していたクーベリックです。曲はモルダウでした。ソビエト崩壊の後のチェコとスロバキアの分離・独立の頃の映像でしょうか。

  • 2006/09/04(月) 22:28:49 |
  • URL |
  • calaf #-
  • [編集]

クーベリックのスタジオ

穂吉さん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
私もそのクーベリックのライブに毒された一人です(笑)。残念ながら、スタジオ録音は聴いてません。やはりクーベリック好きなら聴くべきですよね。
フルトヴェングラーとフリッチャイの「モルダウ」は確かに素晴らしいですが、個人的にはこの演奏のほうが上だと思ってます。聴いた限りでこれに匹敵するのは、アンチェルのライブか?今度アンチェルのライブを取り上げます。

  • 2006/09/05(火) 01:06:34 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

チェコ・フィルの演奏

calafさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。このエントリでcalafさんからコメントをいただけるとは思っておりませんでした。嬉しいです。この演奏は本当に素晴らしいので是非ともお聴きになってください。ウィーン・フィルとのものは未聴ですが、求心力ではこちらのほうが上と思われます。ですが、ウィーン・フィルの音も魅力ありそうですね。若い頃のクーベリックとウィーン・フィルは意外と相性がいいと思うのですがいかがでしょう。
さて、チェコ・フィルの演奏といえば、アンチェルの素晴らしいライブ録音があります。今度取り上げますね。

  • 2006/09/05(火) 01:14:45 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

わが祖国ですか~

クーベリックがチェコフィルを振った演奏は、以前NHKで放送されたものを観た記憶があるのですが、如何せんテレビの音では貧弱で音楽のニュアンスが伝わってきません。
dokuohさんがおすすめディスクとなると断然聴きたくなりますね。
私は、ベルグルンドがシュターツカペレ・ドレスデンを振ったものを好んで聴いてたりします。ちょっとマイナーですかね。

  • 2006/09/05(火) 22:08:14 |
  • URL |
  • ピースうさぎ #HMJooEnU
  • [編集]

ベルグルンド!

ピースうさぎさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
これは本当にすごい演奏ですので是非ともお聞きになってください。確か今タワレコでAltusのセール中でしたのでチャンスですよ。
ベルグルンドは世評の高い演奏ですね。これすごく気になっている演奏なんです。なんせ、ボヘミアコテコテの音楽を最もドイツ的なオケのSKDが演奏しているのですから!これも要チェックですね。(先立つものが・・・)

  • 2006/09/06(水) 00:15:21 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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