DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
dvo7_moteux.jpg

Dvorak Symphony No.7

Pierre Monteux
London Symphony Orchestra


DECCA (433 403-2)


ドヴォルザークがブラームスの交響曲3番の初演を聴き、その影響を強く受けたといわれている交響曲7番。他の交響曲とは一線を画し、土俗的ではないドイツ的とも絶対音楽的とも言われるこの交響曲は、ドヴォルザークの最高傑作という人もいます。私もかつてそうでした(今では以前と視点が異なりますが、そう思います)。それは私が独墺系好きという嗜好の問題もあるのですが、やはりこの曲の充実度は交響曲でも群を抜いていると思うのです。メロディーメーカーといわれるドヴォルザークが、比較的息の短いフレーズを多用し求心力のある曲を作り上げています。その真価を教えてくれたのがこのモントゥーの演奏でした。
今聴いてもやはりこの演奏は別格的存在だと思いました。モントゥーなので、過度に低音を膨張させ、ブラームスのようなドイツ的重厚な響きを作ることはしません。どちらかというとすっきりした響きです。ですが、何でしょうこの深々とした弦の響きは!背筋が伸びるような格調が高く奥行きのある音。音の持つ説得力が尋常じゃありません。音程がそろっていなかったり、タテの線が合っていなかったりと、オケの精度は現在の一流のオーケストラに比すると劣りますが、そんなのはすぐに気にならなくなります。ロンドン響からこれほど深い響きを引き出したのは私の知る限りシューリヒトしか知りません。
一楽章冒頭の湧き出るヴィオラとチェロの第一主題から尋常じゃない深さです。一体この音はどこから響いてくるのでしょうか。凄いのはコーダ。わずかながらアッチェレランドして迫り来る音の固まりは、聴いていて手に汗を握るほどで、その迫力は物凄いです。音に潰されそうになるのではなく、深い音に脚をとられそうになるのです。まるで急流に飲み込まれるようです。
二楽章。弦が実に素晴らしいです。美しいながらもどこか切なく、遠鳴りしている感じがします。中間部のホルンも遠鳴りしている感じでどこか郷愁を感じます。弦と比べると木管がちょっと弱いのが残念ですが、それは小さな傷にすぎません。最後の消え方も大変美しく、ドヴォルザークらしい懐かしい感じがします。
三楽章のボヘミアの舞曲を思わせるリズム感も素晴らしい。重くなりすぎず、非常に流れがいい。音形はそれほど尖っていないにも関わらず、リズムが突き刺さり痛切です。
四楽章は不気味な第一主題とドヴォルザークのチェロ協奏曲の三楽章で現れる主題を思わせる民謡風の第二主題の対照が面白いです。チェロの第二主題の生き生きとした表情、かと思えば、すぐに奈落の底に突き落とされます。アッチェレランドして迫り来るコーダは恐怖すら感じます。聴いていて全身に鳥肌が立ち、思わず涙が出てきます。大げさな迫力や、急激なテンポの変動で聴かせないにも関わらず、これだけの胸に突き刺さる表現ができるのはさすがモントゥーです。

「ボヘミアを旅する」と題しましたが、今日はボヘミアの香りのあまりしない曲/演奏でした。余談ですが、昔「それが答えだ!」という指揮者を題材としたドラマ(主演:三上博史)で、生徒達が演奏したのがこの曲でした。ドラマを見て「ずいぶんマニアックな曲を選んだな、製作者は相当なオタクだな。」と思ったものです(笑)。そういえば、「銀河英雄伝説」でも使われていました。結構ファンが多いんでしょうね。


↓本記事がお役に立てたら、クリックにご協力お願いいたします。

音楽ブログランキング にほんブログ村 クラシックブログへ

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

このページのトップへ

コメント

モントゥーのドヴォ7

こんにちは。お久しぶりです。
よくそこのレビューを書いてくださいました。
この演奏、「隠れた」名演です。もっと高く評価されて良いはずです。LSOの響きは、ウィーン芸術週間ライブのチャイ5以上に深く、LSO録音史上ベストでは。ボヘミア的でなくて、音楽、芸術的な格調の高さもあります。

ドヴォ8では、ジュリーニ&CSOをリクエストします。

  • 2006/09/05(火) 12:59:23 |
  • URL |
  • orooro #.7Y1KkM.
  • [編集]

ご無沙汰しております

orooroさん、
こんばんは。ご無沙汰しております。再びコメントをいただけて大変嬉しく思います。
しかも、このモントゥーの演奏の素晴らしさを共有できるとは思ってもいませんでした。このLSOの音は本当に素晴らしいです。どうやったらこんなに深い音が出せるのか不思議です。
今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2006/09/05(火) 20:49:58 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

dokuohさんったらボヘミアを旅しても故郷(独墺)の方を向いちゃって
ぼくはこの作曲家の6番をこよなく愛する者である。(演奏はアンチェル)。ボヘミア色がたまらないんですよね。
7番は陰鬱さが嫌で一時期避けていたが、ここ最近セルの演奏に「こんなによかったっけ」と打ちのめされて以来再び聴くようになった。
(近年セルがますます好きになってゆくのだ)
セルはオケをコントロールしすぎなんだけど、響きが凝縮されているので、絶対音楽的な表現を目指しているのに土俗感が強調されるという指揮者の意図していない側面が押し出されることとなった。
モントゥーとの勝負、ぼくだったらセルに軍配をあげたい。(セルとは逆に自分自身のモントゥーに対する評価が下がってるからか)
8番もセルの2枚が凄い。

  • 2006/09/05(火) 21:19:44 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

ついつい・・・

穂吉さん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。ついつい、独墺に想いがいってしまいますねぇ(笑)。
6番ですが。私も大好きです。クーベリックの演奏を良く聴きます。アンチェルは興味深々です。CD屋に直行!
セルのドヴォルザークは評判がいいので聴こう聴こうと思いつつ、いつも二の足を踏んでしまいます。もともとセルの音楽は私にはきついんですよね。でもいつまでも食わず嫌いはいけないのでがんばってみますか。
モントゥーの評価が下がっているとは!理由をお聞かせいただけると幸いです。私の場合は逆に上がりすぎて困っています。

  • 2006/09/06(水) 00:11:25 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ボヘミア・・・

私も気が付くとドイツ系のものばかり(汗)
場所(ウィーン)がら・・・と言い訳しておきます(笑)
ボヘミア系の作曲家の曲、好きなものがとても多いわりに手持ちCDは本当に少ないので買い足すときの参考になります♪
私にとってのナンバーワンボヘミアンはなんと言ってもドヴォルザークのチェロコン。エントリーされたりする予定はないですか?(笑)

  • 2006/09/06(水) 20:57:49 |
  • URL |
  • zauber-ton #-
  • [編集]

ドヴォコン

zauber-tonさん、
いつもコメントありがとうございます。
zauber-tonさんこそ正真正銘のdokuohさんですよね。私などバッタモノです(笑)。
私も一応チェロ弾きの端くれですので、ドヴォコンははずせませんよ!

  • 2006/09/07(木) 01:28:40 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

トラックバック

FC2Ad

Information

dokuoh
  • Author: dokuoh
  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

Search

Calendar

09月 « 2017年10月 » 11月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

 

プロフィール

dokuoh

Author:dokuoh
最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

リンク

  このブログをリンクに追加

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。