DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Dvorak Cello Concerto

Pierre Fournier
Hermann Scherchen
RTSI Orchestra


ERMITAGE (ERM 170-2)



ボヘミアの旅も今回でおしまいです。行けなかった名所はいずれまた旅するとして、祖国が恋しくなったので、祖国に戻ります。

チェロ弾きがこの曲を取り上げない分けにはいかないでしょう。チェロ協奏曲の最高傑作であり、ドヴォルザークの最高傑作の一つでもあります。チェロの貴公子フルニエが、灼熱の指揮者シェルヘンと火花を散らす壮絶なドヴォコン。初めてお聴きなった方は貴公子フルニエの一体どこにこのような熱い部分があったのかと驚かれるでしょう。セルとの有名なスタジオ録音とは別人のような熱さです。もちろん、フルニエなので荒ぶるとはいっても気品と気高さは途轍もなく、デュプレに比べれば線は幾分細いものの、ストレートに聴き手の心に刺さってきます。気高さの上に熱さが加わっているので、スタジオ録音よりも上という人が多くて当然でしょう。熱くなっても決して荒くならず下品にならない、さすが貴公子です。シェルヘンの指揮も時々現れるえげつなさはなく、熱く濃厚な演奏で好感が持てます。その二人が真剣勝負で真っ向対決しているのです。本来私はこのような「対決型」演奏の協奏曲よりも「調和型」演奏のほうが好みではあるのですが、この演奏は「対決型」の面白みを存分に味あわせてもらえます。こういう演奏なら大歓迎です。
一楽章冒頭からオーケストラが熱く、入魂の演奏です。ただ熱いだけでなく、ヴァイオリンも良く歌っています。チェロの独奏が始まるとその格調の高い音楽に背筋が伸びます。フルニエはだんだん熱を帯びてきて、溢れ出る想いを止められない感があります。提示部終わりのの沈み込むところから展開部冒頭チェロの独奏の第二主題かけては涙無しに聴けるでしょうか。私の心を深くえぐって止みません。これほど共鳴する音楽もそうあるものではありません。
二楽章はフルニエにしては感情の起伏が大きく、この感傷的な音楽を深い呼吸で豊かに聴かせてくれます。丁度以前紹介したライブ録音のバッハの無伴奏のように、スタジオ録音にはなかったこの深い呼吸が大変感動的です。
三楽章は壮絶を極めます。二人とも溢れる感情を抑えきれないといった感じで、ところどころ前のめりになっていて突進します。途中フルニエは半分理性を失いかけているのではないかと思うくらい熱く、強靭なテクニックと共に迫ってきます。第二副主題の慈愛に満ちた優しさ!その後のヴァイオリンとの二重奏は何度聴いても涙が溢れます。私がこの部分が大好きなのですが、想いが止め処なく溢れる感じでどうしようもなく私の心を揺さぶります。コーダは巨大で、大きくルバートをかけ大見得を切って終わり、終演後の盛大なブラヴォーも納得です。

録音はモノラルながら良好。この演奏は最近HMVで販売している「グレート・コンチェルト」シリーズで復刻されました。このセットに入っているシューリヒト/バックハウスの皇帝も大変素晴らしく、値段と演奏内容を考えると大変お得なセットです。

お買い物『HMV - グレート・コンチェルト(10CD)(ボックスコレクション)【CD】-オムニバス(管弦楽)/音楽/HMV』


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コメント

こんばんは☆

待っていました♪ドヴォルザークのチェロコン♪
このチェリスト、名声は知っているんですが、まだ未聴です。大好きな曲だけにこんなレビューを書かれるとすぐにでも聴きたい!HMVのシリーズですね??皇帝も入っているなら尚更即チェックです!(といっても買って逆輸入するわけにもいきませんけど 汗)ウィーンはCDが高いのが痛いところです。

  • 2006/09/16(土) 03:50:36 |
  • URL |
  • zauber-ton #ihf87pQc
  • [編集]

フルニエのライブ

こんばんは。直接ドボルザークの協奏曲とは関係ないのですが、フルニエのバッハ無伴奏のライブを聴いて、びっくり仰天したのを昨日のように覚えています。それまでは、端正ではあるが、どこか物足りない(それでも立派な音楽ですが)巨匠の技術を持ちながら、どこか精神面で巨匠を拒否したような、そんな彼の演奏にある種の物足りなさを感じていたのです。ライブの無伴奏を想起すればいいのでしたら、話は簡単。それにしてもシェルヘンとの組み合わせとは?、しかもライブで、聞く前から勝負あった・・という感じですね。

貴公子

zauber-tonさん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
貴公子フルニエ様は良いですよ。以前紹介したバッハの無伴奏のライブなど最高です。他にもベートーヴェンのチェロソナタなど名演に事欠きません。目標にしたいチェリストの一人であります。
このCDは以下を御参考にしてください。

http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1370751

オンラインで購入し、御実家に送付してもらい、御家族に何かに機会に一緒にウィーンに送ってもらってはいかがでしょうか。バックハウスも素晴らしいのできっと得した気分になると思いますよ。

  • 2006/09/18(月) 00:06:11 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

フルニエの物足りなさ

calafさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
おっしゃるフルニエの物足りなさはよく分かります。私にもそういう面がありますが、今はその大人の音楽がたまらなく好きです。とはいえ、バッハの無伴奏はライブのほうが圧倒的に好きですね。
本文には書きませんでしたが、ここでのシェルヘンは対決するだけでなく、結構暖かくフルニエを見守っている部分もあり、ほほえましいです。この人ただの爆演の人じゃないのだなと思いました。

  • 2006/09/18(月) 00:10:52 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

20%の「とりかえばや物語」
すげえ組み合わせ。貴公子と狂人の共演だぜ。これほど資質の違う2人も珍しい。しかし、協奏曲を聴く醍醐味が思う存分味わえるのだ。
お互い相手のようになりたいと思ってる。貴公子は狂人に、狂人は貴公子に。それで、なろうなろうと必死こいてるんだけど、なりきれないところがもどかしいどころか微笑ましい。
フルニエはプチ狂人に、シェルヘンはプチ貴公子にしかなれなかった。20%くらい入れ替わっただけで、あとはいつもの自分そのもの。
大変ユニークなドヴォルザークとなった。
有名なセル盤を推さなかったところがdokuohさんのdokusoh的なところ。(ってゆーか、まだまだセルに偏見持ってるんでしょ?)
多分だけどdokuohさんはロストロはお嫌い?
私のベスト1ドボコンは忘れられた名盤シフ(vn)プレヴィン指揮ウィーンpo.。これ結構渋くていいよ。

  • 2006/09/20(水) 21:29:46 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

ゴーストライター

穂吉さん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。「とりかえばや物語」はあらすじしか知らず、読んだことはありませんが、実に的確な表現ですね。私のゴーストライターになってください!(笑)
セルに対しては偏見もってませんよ。経験値が足りないだけです。最近室内楽などに力を入れてセルはどうしても後回しになるんですよ。昇給したら買いますね。
多分じゃなくてロストロ苦手ですよ。完全に手の内が読まれてますね。昔は好きでしたが、今はちょっと強すぎます。
シフのドヴォコンはよさそうですね。まだ廃盤じゃないのでしょうか。しっとりした演奏も好きです。

  • 2006/09/22(金) 00:50:52 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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