
Bruckner Symphony No.6
Sergiu Celibidache
Münchener Philharmoniker
EMI CLASSICS (7243 5 56694 2 1)
残念ながら、私はEMIから発売されたチェリビダッケのブルックナー選集をあまり評価していません。弛緩して緊張感が持続しない演奏が多くて残念な思いをしました。不謹慎な海賊盤の方がはるかに感動的な演奏が多いと思ったのは私一人ではないはずです。(噂では発売を許可したチェリビダッケの御子息が美的感覚の無い方で、録音上の表面的な傷が無いものばかり選んで、本当に価値のある演奏が埋もれてしまったとか)
そんな中で一番良かったのがこの6番。チェリビダッケにしては意外とテンポも遅くなく、普通といってもおかしくないテンポ設定です。ブルックナー6番の演奏の中で、全体の完成度という点ではこの演奏がベストでしょう。
一楽章の力感はチェリビダッケが一番素晴らしいです。これぞマエストーソ。壮麗でかつ決して濁らない美しい響きはチェリビダッケ/ミュンヘン・フィルの真骨頂でしょう。冒頭のフォルティッシモになるところのかっこよさ!やはり名手ザードロのティンパニが物を言っており、全体を引き締めています。特にリズムが曖昧になることがありません。この曲を支配する付点と三連符のリズム、特に付点のリズムが曖昧になる演奏が多いのですが、さすがチェリビダッケ/ミュンヘン・フィルです。コーダもティントナーには及ばないものの、美しいコード進行を聴かせてくれます。特にフォルティッシモになってからの壮麗さは鳥肌が立ちます。最後の壮絶なティンパニの打ち込みもこの演奏ならではないでしょうか。SONYから出ていたレーザー・ディスクの映像で見ると、この最後のザードロの妙技が堪能できます。
二楽章の磨かれた深い弦の音が素晴らしいです。呼吸も深く豊かに歌っています。ラルゴなど沈鬱で不気味さすら感じます。ただ、録音のせいもあるのかもしれませんが、祈りと優しさの量において、ティントナーのほうが上だと思うのです。ただの美音で終わってしまっている感じがするところがあります。もちろん、非常に高次元での比較の話でこれは本当に素晴らしい演奏なのですが。
三楽章、四楽章も力感溢れ、特に四楽章は曲の弱さを補う壮麗さがあり、四楽章の最後は祝典的に華々しく終わります。
ところで、私はこのシリーズ、輸入盤をバラで購入したのですが、理由はこのジャケットです。なんと枯山水!小宇宙を表す枯山水はブルックナーにぴったりで、なんとセンスあるジャケットなんでしょう。しかも中にはお坊さんと一緒にチェリビダッケがお茶を飲んで茶菓子を食べている姿が写っている!チェリビダッケは禅に興味を持っていたそうですが、それにしても東洋的で不思議なジャケットで大好きです。
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