DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Bruckner Symphony No.9

Carlo Maria Giulini
Radio Sinfonieorchester Stuttgart


hänssler CLASSIC (CD 93.186)



ある日CDショップに出かけると、年老いた先生が微笑みかけてきた。「歌うブルックナーを聴いてみませんか?」「あ、もうブルックナーは結構です。」と言いかけたが、先生の素敵な笑顔に引き寄せられてしまった。ああ、やっぱり素晴らしい演奏。でも待てよ、先生のブル9はもう二種類持っているではないか。「先生すみません。」と手にとったCDを元の棚に戻した。そしてそれを繰り返すこと四回。最後は理性が先生の誘いを断った。しかし、家に帰り改めて手持ちの先生のブル9を聴いたあと、再びCDショップに出かけると、また先生が微笑みかけてきて、半分無意識のうちに手に取ってレジへ・・・。

もうブルックナーは食べ過ぎて、今度こそ「断ブル」をしようと思っていたのですが、長年身についた習性は中々抜けないものです。結局購入してしまいました。しかし、改めてこの素晴らしい演奏を聴くと、やっぱり買って良かったなとほっとしているところです。
この演奏はジュリーニ最晩年の演奏であり、ジュリーニ三種目のブルックナーの9番です。ここにはヴァントやシューリヒトほどの厳しさはありません。そのかわり包み込むような包容力があります。本来ブルックナーの9番に全宇宙的な厳しさを求める私は、昔はこのようなに対して寛容ではなかったのですが、近年その魅力が分かるようになりました。
テンポはシカゴ響の演奏に近いですが、このシュトゥットガルト響の演奏の細部への歌い込み方は尋常でなく、細かい表情付けが所々に見られます。シカゴ響のドライな演奏のほうが私の好みではあるのですが、それを覆されました。また非常に良く歌っているのにも関わらず、音楽が一切弛緩せず、極めて高い緊張感を終始保っています。約8年前のウィーン・フィルとの演奏のような間延びした感じがありません。当時のジュリーニの年齢を考えると凄いことではないでしょうか。
やはりこの演奏では弦楽器の歌が素晴らしく、私が一番好きな一楽章提示部、再現部の第二主題の歌は本当に美しいです。非常に懐が深く、優しい歌に溢れています。一方で巨大な提示部の第一主題、再現部の最後、コーダの最後など壮絶なトゥッティが襲ってきます。そしてジュリーニ独特の意味深いパウゼ。このパウゼが懐の深さにつながっています。
二楽章の重量感、迫力も十分。感心したのはトリオの弦楽器。やはりジュリーニの歌が効いています。
ジュリーニの芸風でその効果が最大限発揮されるのは三楽章。特に歌謡主題の弦楽器の美しさといったら、溜息が出ます。この深々とした弦楽器の歌に身を浸す幸せ。かと思えば、コーダの前の頂点の壮絶さは仰け反るほどで単なる甘い演奏になっていません。

先生、こんなに素晴らしい演奏をありがとうございます。大切にします。

お買い物『HMV - 交響曲第9番 ジュリーニ&シュトゥットガルト放送交響楽団(1996)(ライブ盤)【CD】-ブルックナー/音楽/HMV』


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コメント

ブル9の決定盤を求めて

こんばんは。

買っちゃいましたか。ジュリーニの9番。演奏は良いに決まっているんですよね。一応、私は、このコンビの練習風景も入ったDVD(CDと演奏の日は違うはず)を持っているので購入踏みとどまりました。doku-ohさん推薦のヴァント/ミュンヘンフィルも予約していることだし・・。

ブル9は奥深いので、名指揮者といわれる人たちは、真剣に取り組み、名演の出る確率は高いように思います。でも、まだ、まだ、これより上の演奏がある筈だ・・と思わせられてしまうんですよね。

garjyu

  • 2006/11/04(土) 19:34:37 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

やっぱり買ってしまいました

garjyuさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
やっぱり買ってしまいましたよ。DVDのほうは持っていませんが、先生のお姿を拝見できるので欲しいです。
ブルックナーの9番は曲が凄すぎますから、究極を追い求めてしまいますが、最近は多様性を求めるようになりました。このCDを買ったのもそのような動機からです。深淵さではやはりヴァントの方が上だと思います。

  • 2006/11/05(日) 02:51:20 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ついに買いましたか
dokuohさんがこれを買わないはずがありません。前段のジュリーニ先生との対話、気に入りました。このジャケット、最高ですよね。
ブルックナー名指揮者のペア。50~60年代はクナとシューリヒト。70年代はヨッフムとベーム。90年代はヴァントと朝比奈。
80年代が抜けてるぞ?
ここには、ジュリーニとハイティンクが入る。この2人のブルックナーを過小評価しちゃあいけない。クナ、シューリヒト、ヴァント、朝比奈、おまけにチェリより断然好きなんだな。
(ただし、ジュリーニ先生のシカゴso.との9番は駄演だと思う)

  • 2006/11/05(日) 22:29:54 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

ええ、買いました

穂吉さん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
このジャケット大好きです。素敵な年の取り方をした人しかできない、素敵な笑顔だと思います。
ハイティンクのブルックナーはコンセルトヘボウとの9番とウィーン・フィルとの8番が好きです。それ以外は、それほどシンパシーがなかったような・・・。
穂吉さんがCSOとのブル9を駄演とおっしゃるのが分かる気がします。ある意味ジュリーニらしくないですよね。歌が足りない気がします。しかし、それが私には魅力だったりするわけですが。

  • 2006/11/06(月) 00:14:05 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

そういえばウィーンフィルとの7番、9番(DG)が1000円で再発になりましたね。
う~ん、どっち買おうかな。悩むな。

  • 2006/11/20(月) 16:31:29 |
  • URL |
  • キンキン@ダイコク堂 #jBFAzqw6
  • [編集]

全てです(笑)

キンキンさん、
こちらにもコメントありがとうございます。
今の私はこの演奏が一番しっくり来ますが、どれも素晴らしい演奏ですので、是非とも全てお聴きください。それぞれの魅力があります。

  • 2006/11/21(火) 19:39:46 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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