DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Haydn Cello Concerto No.1

Richard Tgnetti
Daniel Müller-Schott


ORFEO (C 080 031 A)



ハイドンの二つのチェロ協奏曲は、チェロ弾きであれば誰でも思い入れのある曲なのではないでしょうか。ずっとこの曲初のエントリをペレーニの演奏にしようかと思っていましたが、現在Orfeoのセール中であることから、このミュラー・ショット盤を先に紹介することにしました。
ハイドンの音楽を味覚にたとえるならば、通常甘味はそれほど含まれないでしょう。辛味も少なく、どちらかというと玄米のような素朴な味が適切かもしれません。よってティータイムには少し物足りないのです。しかし、この演奏はほんのり甘い。美味しい紅茶、コーヒーの御供にぴったりです。
ミュラー・ショットのチェロは甘味を含んでいます。メロンのように瑞々しく溢れる甘い果汁。ミュラー・ショットの音は本当に美しい。決して音が濁ったり硬くなったりしません。軽めの弓ながら乾いておらず、適度な色気があり、甘味があります。女性がこんな音を聴いたらすぐに惚れてしまうことでしょう。しかも彼は非常にハンサムです。天は二物を与えるのです。嗚呼、うらやまし(オヂサンのぼやき)。その彼が乾いている色気の少ないハイドンの曲を弾くと、あら不思議、ハイドンの音楽が甘味を帯びてきます。
一楽章冒頭のオーケストラから、透明感があり、品があってとても美しいです。フレーズの一つ一つを良く歌っています。チェロの独奏の入りも音を叩きつけるのではなく、やわらかくふくよかに鳴らします。音符一つ一つに細心の注意が払われ、一つ一つの音符にも表情がついています。また、感心したのが開放弦の扱い。この曲はどうしてもA線(音が一番高い弦)の開放弦を使わなければならない場面があるのですが、開放弦が開放弦のように聴こえません。他の演奏ではこの開放弦が目立つケースが少なくありません。技術的にも大変優れているといえるでしょう。
二楽章の美しさは特筆すべきでしょう。しっとりと美しく歌い上げています。高音域でも決して音が硬くなりません。ボウイングのみならずヴィブラートも実によくコントロールされています。カデンツァは本当に美しい。遠鳴りしてるようで、まるでバッハの無伴奏の緩徐楽章を聴いているようです。
三楽章の躍動感も素晴らしいです。三楽章は曲調から美感を失うことがあるのですが、この演奏はそんなことはありません。独奏、伴奏ともに透明感を失っていません。しかも透明感と両立しにくい躍動感にも溢れています。軽めの弓ながら、ただ音を飛ばすのではなく、所々たっぷり音価ギリギリまで歌っています。
この演奏は伴奏も大変素晴らしく、この曲の伴奏の中でも五本の指に入るでしょう。ミュラー・ショットのチェロが浮くことなく、しっかり寄り添っています。しかもミュラー・ショットのチェロ同様、音に透明感があり非常に美しいのです。この一体感が素晴らしい。ハイドンに必要な躍動感にも事欠きません。独奏、伴奏ともに優れたファーストチョイスにしてもおかしくない名演です。

久しぶりにハイドンのチェロコンをさらいたくなりました。これから、マンションの集会室を借りてちょっとだけさらってみることにします。

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コメント

いいですね

ハイドンのチェロ協奏曲、私はミクロシュ・ペレー二にのディスクを愛聴してます(というかそれしか聴いたことが無い)。

チェロをお弾きになるんですか。
いいですねー。
私は一度だけ大学のオケの見学に行った時に弾かせてもらったことがあります。

コンパに出てそれっきりオケには顔を出していないです。
結局私は、合唱を続けています。

  • 2006/11/05(日) 17:32:19 |
  • URL |
  • ピースうさぎ #mQop/nM.
  • [編集]

ペレーニ!

ピースうさぎさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
いきなりペレーニとは嬉しいです。普通ならデュ・プレとかロストロですから。ペレーニも本当に素晴らしい演奏ですね。
最近はなかなか時間が取れませんが、「弾いてる」というより「触ってる」程度に細々やってます。合唱いいですね。私もオケでなければ合唱がやりたかったのです。高校まで剣道をやっていて、非常にいい声をしていたんですよ!変声してからも高校までソプラノの音域まで歌えました。

  • 2006/11/05(日) 20:31:41 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

オルフェオのセールやっているのは知っていたのですが、これは気がつきませんでした。というよりミュラー・ショットさん知りません。甘さを含んだハイドン聞いて見たいです。

  • 2006/11/07(火) 23:36:47 |
  • URL |
  • ダンベルドア #-
  • [編集]

今のうち

ダンベルドアさん、
こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
Orfeoのセールをやっている今のうちに購入されることをお勧めします。彼、うまいですよ。最近は、ムター、プレヴィン夫妻とも競演していて、モーツァルトのトリオが出ています。

  • 2006/11/08(水) 12:11:31 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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