DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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mozart_quintet4_villa.jpg

Mozart Quintet K452

Ensemble Villa Musica


MDG (MDG 304 1183-2)



モーツァルトの最高傑作はどの曲かといわれると返答に窮しますし、絶対に答えの出ない質問だと思います。しかしモーツァルトが書き記した沢山の手紙の中で、ただ一度父レオポルドに宛てた手紙の中で「最高傑作」と自ら記した曲があります。それがこのピアノと木管楽器のための五重奏曲。ピアノと木管楽器の五重奏という特殊な編成でコンチェルト的要素と室内楽的要素を併せ持つ、他の通常の編成の曲には無い独特の魅力を持った素敵な曲です。

弦楽好きな私は管楽器のアンサンブルはあまり好きではありませんでした。当たり前ですが弦楽器の音の統一感に比べると、管楽器はそれに欠けると感じてしまうのです。しかし、この曲、演奏は各楽器のバランスが見事です。木管アンサンブルだけでなく、そこに調和するピアノの素晴らしさ!各奏者の実力にも舌を巻きますが、モーツァルトの天才ぶりにも驚嘆します。ちょっとしたことでバランスを崩しかねない楽器編成で、これだけの曲を作り上げるのですから。事実モーツァルトはかなり綿密に構想を練ってから作曲したそうです。後にベートーヴェンも同じ編成で曲を書いていますが、軍配はもちろんモーツァルトに上がると思います。

一楽章序奏からもう美しさの連続です。柔らかく美しくホルンが奏でられた後の、木管の掛け合いの下で奏でられる深々としたピアノのアルペジオ!ここだけ聴けば、恐らくこの曲、演奏の虜になるでしょう。主部に入ってからもピアノの上手さが際立っています。フレーズの隅々まで入念な表情付けがされているにも関わらず、非常に自然です。出すぎず、没しすぎず。モーツァルトはこうでなくては!もちろん管楽器も素晴らしいです。ホルンの力みの無い透明な音も特筆すべきでしょう。

二楽章は溜息が出そうに美しい。ピアノの純白さはまるで最後のピアノ協奏曲の緩徐楽章のよう。そして管楽器全ての奏者のレベルが非常に高いのです。全ての楽器がモーツァルトを体現している!全員のレベルがこれだけ高くなければ、この繊細な曲は生きないでしょう。バランスが完璧です。

三楽章の冒頭は正にピアノ協奏曲の終楽章のようで、コンチェルト的要素を楽しめます。

さて、このアンサンブル・ヴィラ・ムジカという団体、ドイツの各地域のオーケストラから集められたメンバーで構成される非常設の団体で、名手がそろったハイレベルな団体です。彼らの残したモーツァルトの管楽のための室内楽曲集は珠玉の名演ぞろいで絶対のお薦めです。オーボエ四重奏、ホルン五重奏、クラリネット五重奏、グラスハーモニカのためのアダージョとロンド、全てが名演で室内楽好きにはたまらないでしょう。次回はこの演奏とカップリングされている秘曲、グラスハーモニカのためのアダージョとロンドをご紹介することにします。

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コメント

tabatabi

たびたびこんにちは。この曲もLPのころ良く聴いていたはずなのですが、CDになってからかいなおしていないですね。管弦楽偏重なので、ちょっと心を入れ替えます。グラスハーモニカのためのアダージョとロンドはものすごく
興味あります。

  • 2007/03/10(土) 12:09:08 |
  • URL |
  • garjyu #-
  • [編集]

こちらにも!

garjyuさん、
こちらにもコメントありがとうございます。
最近、何かブログを書きたいという衝動があるのは、管弦楽でなく室内楽が多いですね。ますますマイナー路線になっています。バランスを考えないといけません。garjyuさんもこちらの世界に引き込みましょう(笑)とはいってもgarjyuさんは私から見ると聴く分野のバランスがとてもいいと思いますよ。でもクラヲタの場合「聴くバランスがいい≒広い分野に対し掘り下げる欲求が沸く」という危険性をはらんでいるのですが。

  • 2007/03/10(土) 16:24:10 |
  • URL |
  • dokuoh #-
  • [編集]

ソフト購入欲は麻薬です。

こんばんは。
「聴くバランスがいい≒広い分野に対し掘り下げる欲求が沸く」≒金がかかるということなんですよ。
昨夜も下品な言い方を他の2名さまにしてしまったのですが、“悪い女性”にひっかかったようなもので、いくら買っても底なしなのですよね。

『君はなぜブルックナーの6番のCDをそんなにもっているのかね。』と聴かれたら、『そこに聴いていない6番のCDがあるから・・。』と言うしかないですよね?

  • 2007/03/10(土) 20:59:33 |
  • URL |
  • garjyu #lJQnh9ng
  • [編集]

中毒患者です(笑)

garjyuさん、
正に麻薬ですね。私も中毒患者の一人です。更に凄い感動があるのではないかとより上の快感を求めてソフトを購入する・・・。「山がそこにあるから」と同じノリですね(苦笑)。でもそれで幸せになるのであれば安いと思うのですがいかがでしょう?

  • 2007/03/10(土) 21:57:11 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

管楽器

こんばんは。やはりdokuohさんのブログは楽しみです。選曲・演奏・レーベルと常識的なものは何一つない!(賞賛しているつもりですが)。超マイナーなMDGというところがいいですね。1784年4月10日ウイーンよりレオポルト宛の手紙の中で、douohさんが紹介されている記述がありました。ホルン協奏曲もこの頃ですよね。私はフルートをかじったせいか管楽器は抵抗がありません。しかしながら、協奏交響曲(偽作の疑いのある)など聴きますと聴いているより吹いている方が楽しいのではないかと思うぐらいです。映画「アマデウス」で観たグランパルティータ?(例のサリエリがうっとりとして楽曲の分析をするあの曲です)のアンサンブルも思わず引き込まれます。この曲はまったく聴いたことがありません。せっかくのご紹介ですから是非聴いてみたいと思います。

天邪鬼

calafさん、
こんばんは。再びコメントを頂き嬉しく思います。また、お褒めのお言葉、どうもありがとうございます。
マイナーでもいいものを紹介したいというのが天邪鬼の性分です。ですが、奇を衒っているのではなく、自信を持って御紹介しています。アウリンは既に数名の人の大賞賛を得てますので、信用していただけると思います。
さて、この曲はピアノ好きなcalafさんであれば、絶対にお気に召すと思います。
MDGは最近お気に入りのライプツィヒSQやパルナッスス・トリオなどでお世話になっています。録音も自然でとてもいいですよ。

  • 2007/03/13(火) 00:31:14 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

CD買うのはタバコ吸ったりコーヒー飲むのと一緒だと思って諦めるよりほかないんじゃないかと(笑

さてK.452。
私は一昨年につくばへ招聘したレ・ヴァン・フランセの演奏が忘れられませんね。初演はモーツァルト本人がピアノを弾いたらしいですね。レ・ヴァン・フランセでCD出してくれたらすぐに買うんだけどなあ、と思いつつ、似たような非常設バンドであるアンサンブル・ヴィラ・ムジカのCDも見かけたら買ってしまいそうです。

グラス・ハーモニカについては、Naxosにグラス・ハーモニカのための曲だけを集めたCDがありますね。モーツァルトの曲も入ってます。最初聴いたときは「なんじゃこりゃ!?」と思いましたけど、慣れるととっても良いです。

  • 2007/03/13(火) 16:24:57 |
  • URL |
  • キンキン@ダイコク堂 #e5IlcSHg
  • [編集]

グラスハーモニカ

キンキンさん、
こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
レ・ヴァン・フランセは凄い面子で、出てくる音楽がゴージャスにならないかと余計な心配をしてしまいますが、名手ぞろいですからそんなことはないのでしょうね。
グラスハーモニカは本当に不思議な響きがして一度慣れると病みつきになります。当時危険視されていたのが分かるような気がします。
ところで事後で申し訳ありませんが、こちらも貴ブログにリンクを張らせていただきました。なにぶん硬派なブログで、小生の勉強不足もあり、コメントはなかなか出来ませんが、家族に社会的弱者を抱えておりますので大変興味深く拝見させて頂いております。

  • 2007/03/13(火) 23:05:51 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

こちらこそ、リンクありがとうございます。

私のブログ、今はリハビリのことを取り上げてケンケンガクガクモードですが、ある日突然半額お総菜を礼賛する記事に変わったりして来た人をあきれ果てさせることがあるので要チェックです(笑

音楽の方は、つくばコンサートというコンサートの企画招聘をやるボランティア団体に参加しているので、そっちの情報が多いです。

  • 2007/03/15(木) 01:13:49 |
  • URL |
  • キンキン@ダイコク堂 #e5IlcSHg
  • [編集]

つくばへ行きたい!

キンキンさん、
こんばんは。コメントありがとうございます。昔はそれこそ社会の問題に憤りを覚えて、いてもたってもいられなかったのですが、最近は社会の問題に対して鈍感になってしまいました。反省しないといけないですね。
さて、キンキンさんの所属されている団体が招聘されている演奏会は興味をそそられるものばかりです。つくばエクスプレスも開通したことですし、脚を伸ばしたいものです。

  • 2007/03/16(金) 18:34:41 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

つくばコンサート

演奏会のラインナップにお褒めを頂いたので、調子に乗って付け加えますと、ノバホールはつくばエクスプレスの終点・つくば駅のすぐそば(徒歩5分くらい)です。

チケット代も東京の方がつくばエクスプレスで往復運賃を払っても、東京料金より安くなるようにしています。富士通さんが協賛金を出してくれているおかげです。

意外と知られていないのですが、ノバホールはクラシック音楽ホールとして非常に音がよく、とくに室内楽ではすばらしい音がします。残響時間の可変装置も付いています。

宣伝じみてしまい、すみませんm(_ _)m

  • 2007/03/17(土) 13:42:47 |
  • URL |
  • キンキン@ダイコク堂 #e5IlcSHg
  • [編集]

いえいえ

キンキンさん、
こんばんは。コメントありがとうございます。
いえいえ、宣伝なんてとんでもありません。有益な情報が共有されることは素晴らしいことです。
ノバホールは過去に聴いたことがありますが、素晴らしいホールですね。是非ともあのホールで聴きたいものです。
もしも新たなコンサートの情報が入りましたら、拙ブログにもコメントいただけると幸いです。楽しみにしております。

  • 2007/03/17(土) 23:47:54 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
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発音体発音体は、主に次のものが使われる。;シングルリード(単簧)::一枚の薄い板(リード (楽器)|リード)に息を吹き付け、楽器の一部に当たっては戻りして振動する。クラリネット属、サクソフォン属。;ダブルリード(複簧)::二枚の薄い板(リード (楽器)|リード)を合わ

  • 2007/03/12(月) 15:10:49 |
  • 楽器が面白いかも
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