DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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bach_cello2_rostro.jpg

J.S.Bach Cello Suites No.2 Saraband

Mstislav Rostropovich


EMI (7243 5 55365 2 6)



ロストロポーヴィチが亡くなりました。享年80歳。一つの時代の終焉です。本当はブログなど書いている場合ではないのですが、どうしても書きたい衝動に駆られ、パソコンに向かっています。

先ほど仕事から帰ってきて、朝日新聞のWebで訃報を知りました。衝撃でした。最近は体調が思わしくないことは知っていましたが、いざ訃報に接すると衝撃は大きいものです。
ロストロポーヴィチは必ずしも好きなタイプのチェリストではありません。私にとって彼の表現は大きすぎ、また強すぎるのです。ですが彼は尊敬に値するチェリストでした。初めてチェロという楽器の限界を超えた人ではなかったでしょうか。今後彼のようなチェリストが現れるとは考えにくいです。

彼が残したバッハの無伴奏は、鳴物入りで登場したにも関わらず、各方面(私の周りでも)で苦言を呈された演奏です。「これはバッハではない」そのような評論を良く目にしました。しかし、本当にこれはバッハではないのか?異様に巨大なスケール、舞曲とは思えないベタベタした重い音。バッハの無伴奏の中では明らかに異質です。

阪神淡路大震災の際、追悼演奏会のアンコールで彼が弾いたのがこの2番のサラバンドでした。私は大学時代の友人と友人宅でその放送を見ていましたが、その壮絶な演奏に絶句し、涙しました。バッハはかくも悲痛なのか。彼のこのバッハは確かに通常概念にあるバッハではないかもしれません。ですが、その深い慟哭を聴いてください。私も彼のバッハの全部を賞賛するわけではありません。ただ、短調のサラバンド(2、5番)だけは、前人未到の深みに達していると思います。これほど胸にささる演奏を他に知りません。音が叫んでいます。

今日はこのサラバンドを流し続けながら、追悼したいと思います。合掌。

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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

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コメント

亡くなられましたか

こんばんは。ご無沙汰しております。ロストロポーヴィッチの無伴奏は出た時から気になっていたのですが、聴かずじまいでした。話は古いですが、彼を知ったのがシューベルトのアルペジョーネ・ソナタなんですが、表現の柄が大きいものの、その音楽には、嫌気というより、ついていけませんでした。それから何を聴いてもダメでした。ベートーヴェンの三重協奏曲でも、しらけている、オイストラフとリヒテルにかわって、ひとりはしゃいでいる演奏も大嫌いでした。ところが、自分は録音しないといっていたバッハの無伴奏を録音する頃から、インタビューでも、とてもナイーブな一面を見せ、音楽が変貌していることを予感させたのです。是非聴かなければいけませんね。ロストロポーヴィッチはグールドをとても尊敬していたことを思い出しました。

チェロの巨星!

こんばんは。
私は、大阪出張から帰りの新幹線の車中で、訃報を知りました。
実は、帰宅後、何組かのディスクを取り出したのですが、その中の一組はまさにdokuohさんのエントリーされた無伴奏でした。
それもサラバンドを聴くつもりで・・・。

彼の表現意欲の大きさは、チェロには納まりきれなかったのかもしれません。
しかし、こんなチェリストは当分出ないでしょう。

ところで、dokuohさんは、1968年8月にソビエトがプラハへ侵攻した日にロンドンで行われたライブ録音(BBC)で、彼のドボルザークのコンチェルトって聴かれたことあります?
壮絶としかいいようのない演奏です。
決して名演とは言いませんが、私にとって絶対忘れれらない演奏です。
未聴でしたら、一度聴いてみてください。

  • 2007/04/28(土) 00:12:12 |
  • URL |
  • romani #8DRVcpnw
  • [編集]

巨星堕つ

こんにちは。
同時代を生きる巨人、巨匠として、無視するには大きな人がまた逝ってしまいましたね。
取り上げられているバッハの無伴奏、チェロに詳しいわけではありませんが、やはり、彼がやるならこうしか弾けなかったというのはわかります。私はとくに明るい曲に、虚飾を排したそのような特徴を聴き取れるように思えました。
私もこの曲集を聴いて故人を偲びたいと思います。

  • 2007/04/28(土) 12:51:33 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

第2番のサラバンド

こんばんは
お久しぶりです。

私もこのニュースを聴いてからずっと第2番のサラバンドを弾いていました。
それはまさに阪神大震災の追悼のアンコールを聴いて、ロストロポーヴィチ氏の無伴奏を象徴する曲だと思うからです。
 全集の評判は良くないみたいですが、この曲や第6番のプレリュードなど一部は彼の特質がマッチして素晴らしいと思います。

  • 2007/04/28(土) 22:20:38 |
  • URL |
  • ダンベルドア #xxUL.Pt6
  • [編集]

ロストロ苦手

calafさん、
大変御無沙汰しております。ほぼ休止中のブログにも関わらず、早速のお返事ありがとうございます。
私もcalafさんと同じように有名なロストロのアルペジョーネはどうも苦手です。シューベルトに大切な無垢さと透明感に欠けます。
確かに彼はこの無伴奏の頃から少しずつ変わっていったように思います。テレビで放映された弟子の子ども達と一緒に弾いたブラジル風バッハも素晴らしかったです。彼はとても人間臭い芸術家でそれが音楽にもろに出ていましたが、それが抑制されていった感じなのでしょうか。
この無伴奏ですが、全体を聴くというより、部分的に曲を取り出すという感じで聴いてみてください。特にこの2番のサラバンドは別格です。

  • 2007/04/30(月) 22:15:00 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

正に巨星

romaniさん、
こちらにもコメントありがとうございます。ロストロは正に巨星と呼ぶべき人でした。全てが、表現の幅、音量、全て大きいですね。
romaniさんが御紹介されているプラハ侵攻の時の演奏、聴いたことあります。壮絶な演奏で音楽というよりはシビアなドキュメンタリーを見ているような感覚に捕われます。

  • 2007/04/30(月) 22:22:29 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ロストロの無伴奏

garjyuさん、
こんばんは。コメントありがとうございます。
ロストロの無伴奏は長調の曲にも素晴らしい演奏が沢山ありますよね。彼独特のバッハであり、あれはあれで一つの究極の姿だと思っています。是非とも2番のサラバンド聴いてください。

  • 2007/04/30(月) 22:28:16 |
  • URL |
  • dokuoh #u.yqumwo
  • [編集]

やっぱり2番のサラバンド!

ダンベルドアさん、
こんばんは。コメントありがとうございます。
やはり、ダンベルドアさんもこの曲を選ばれましたか。同様に感じてらっしゃる方がいらして嬉しいです。私も6番のプレリュードは中々だと思いますが、評判はいまいちですね。

  • 2007/04/30(月) 22:36:14 |
  • URL |
  • dokuoh #Q6L.gS2M
  • [編集]

どれもバッハだ!

バッハに限らず、「XXではない」と言う批評は、極めて不遜だと思います。一つの曲が、多くの人に感銘を与えれば、それだけ様々な受け取り方があるわけで、その曲を演奏する人がいれば、その数だけの演奏解釈があることになり、どれかが正しくて、どれかが間違いとは、簡単には言えないことでしょう。
私自身は、その曲が作曲された時の楽器で、奏法で演奏されたものを聞くことが多いのですが、といって、カザルスやロストロポーヴィッチの演奏を否定するつもりはありません。奇しくも今日、昔ビデオに録ったロストロポーヴィッチのバッハの無伴奏を、編集してDVDにしようとしていたところです。この機会に一度聞いてみようと思っています。

初めまして

ogawa_jさん、
初めまして。コメントありがとうございます。
確かにおっしゃる通り色々な解釈を簡単に否定してしまうのはもったいないと思いますね。
ただこの問題は言葉の表現の問題のような気もします。嫌い、または好きではないを「~ではない」と表現する人が結構いらっしゃるのではないでしょうか。人それぞれ好みがあるのは当然です。
ちなみにこの演奏、私は好きです。でも5年に一度くらいにしか聴けないです(笑)。

  • 2007/05/27(日) 01:48:12 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ロストロポーヴィッチ

dokuohさん、
おっしゃることはよく分かります。演奏や作品について、独断的な意見を読むと、つい反応してしまうもので・・・
ところで、DVDに収めるために、前にNHKで放送したものをテープに録っていたものを、編集したのですが、一曲ごとにます本人の解説があって、それから演奏しているのですが、その両方を見ていると、彼の曲に対する真摯な態度がよく分かります。ただ、彼の曲に取り組む姿勢は、ドヴォルザークでも、バルトークあるいはベートーベンでも変わりないように思います。それを悪いと言っているわけではありません。一つの時代様式とでも言えるものかも知れません。
ところで、映像で見ていると、ロストロポーヴィッチが弾いているチェロは、結構大きいように見えます。あの楽器では、エンドピンなしに膝で挟むのは、難しいかも知れません。

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追悼:ロストロポーヴィチ シューベルト「アルペジョーネソナタ」

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