DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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brahms_tragic_schuricht.jpg

Brahms Tragic Overture

Carl Schuricht
London Symphony Orchestra


BBC LEGENDS (BBCL 4213-2)



過去に聴いたロンドン響の演奏の中で、これほどに深い響きを引き出した演奏を他に知りません。常任指揮者だったクリップス、モントゥー、ケルテスといった錚々たる面々も及びません。いや、ロンドン響だけでなく、管弦楽でこれだけ深い響きを出せるのも稀で、シューリヒトの演奏の中でもトップを行く演奏ではないでしょうか。これだけ深い響きを出せるシューリヒトはやはり稀有な芸術家だったと思わずにいられません。
この演奏は以前DISQUES REFRAINという海賊盤で出ていて、初めて聴いたときに激しい衝撃を受けました。この音はいったいどこから響いてくるのか?その先に黄泉の世界が広がっているかのような信じられないほど深い響きに驚愕しました。その後も数枚の海賊盤で発売されたようですが、このたびようやく正規盤としてBBC LEGENDSから発売されました。

このシューリヒトによる悲劇的序曲の響きは、「重い」のではなく「深い」のです。ただ分厚く重い響きを鳴らすだけがブラームスではない。生命をもったように生々しく、急流の深みのように深い響き。喋るように歌うヴァイオリン、蠢く低弦。ここでのシューリヒトはインテンポ気味で過剰にオケを煽ることは一切しません。瞑想するかの如くじっくりオケを鳴らします。それが生み出す恐ろしいほどの説得力!フォルテでの音圧はさほどありません。シューリヒトは決して大音量で表面的な音響効果を狙うのではなく、その「意味」によって聴き手を圧倒します。
アンサンブルとしては弱い点があるのですが、金管が弱いとかヴァイオリンの音程が合っていないとかそんなものを論じるのが馬鹿馬鹿しくなります。

第二主題が現れる前、(2:14)からの弦のシンコペーションに乗ってオーボエが奏でるところなどこの世の響きとは思えない深い音が圧倒します。続く第二主題の歌の素晴らしさは筆舌に尽くしがたく、これだけ意味深い第二主題は他では聴いたことがありません。その後の(3:56)からの壮絶さ!地底から死人が唸り声を上げているような低弦!
コーダの悲痛さは涙無しに聴けません。体をズタズタに切り裂かれそうになります。凶器にもなり得そうななんという壮絶な響き!

正規盤の音質はノイズリダクションしすぎたせいか、少し海賊盤よりもシャリシャリ感が強く、深い響きが多少失われているのが残念ですが、それを堪能するのに十分です。

お買い物『HMV - レーガー:ヒラー変奏曲、ブラームス:悲劇的序曲 シューリヒト&LSO、ベートーヴェン:大フーガ ボールト&NPO(ステレオ)(ライブ盤)【CD】-Orchestral Concert/音楽/HMV』


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コメント

シューリヒトの新譜

DokuOhさん、お久しぶりです。
これはシューリヒトのステレオ録音の新譜ですよね。一応、眼には留まったのですが、マックス・レーガーがメインということで、ちょっと食指を動かされずにいたのです。DokuOhさんのこの記事で、ブラームスだけでも聴く価値ありと見ました。
購入(予定)リストに入れておきます。

  • 2007/06/25(月) 06:25:51 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

シューリヒト・マスト盤

garjyuさん、
ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。
これはシューリヒト・ファンには必須盤だと思っています。いったいどうやったらこんな深い響きが引き出せるのか不思議です。悲劇的序曲だけのためでも購入する価値あると思います。
カップリングのボールトによる大フーガもなかなかの演奏ですよ。

  • 2007/06/25(月) 12:07:45 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

はじめまして

 はじめまして。クラシック系のブログを中心に散策してるものです。
 こちらのような本格的なブログを拝見しますと、私もいろいろと参考になりますし、また、自分の音楽の見識もまだ広がりそうな気がします。
 私自身はクラシックにはまり始めて年が浅いですが、特にマーラー、ブルックナー、ショスタコビッチあたりの交響曲に傾いています。
 これからも時々お邪魔させて頂きます。では。

  • 2007/07/01(日) 03:26:24 |
  • URL |
  • ドドンパ #-
  • [編集]

長らくご無沙汰しております(^^;
DISQUES REFRAIN盤を持っています。そんなに良かったかな?聴いてみます。
もちろん、DENONのバイエルン盤は大好きでよく聴くのですが(^^)

  • 2007/07/01(日) 12:59:31 |
  • URL |
  • brukabe #-
  • [編集]

初めまして

ドドンパさん、
初めまして。コメントありがとうございます。
マーラー、ブルックナーにショスタコがお好きですか。最近そのような大音響から離れ、室内楽に偏っていますが、それらの作曲家も取り上げますので、コメントを頂けたら幸いです。
最近サボり気味のブログですが、今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2007/07/01(日) 20:52:47 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

御無沙汰しております

壁男さん(brukabeさんの方がいいですかね?)、
大変御無沙汰しております。久しぶりにコメントをいただけて大変嬉しく思います。
スタジオ録音も素晴らしい演奏ですが、この演奏は次元が違う感じです。この演奏を聴くと他が聴けなくなります。スタジオ録音のようにテンポを揺らしませんが、その分恐ろしい深みがあります。是非聴きなおしてみてください。DISQUES REFRAINのほうがノイズ・リダクションしていなくて、その「深み」をより味わえます。
ロムしていますが、ブログ拝見しています。コンマス頑張っておられるようですね。今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2007/07/01(日) 20:56:56 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ご無沙汰しております

こんばんは。残念ながら、シュリーリヒトは無縁、ブラームスの悲劇的序曲は、食わず嫌いですので、コメントす資格はまったくないのですが、何となく特別な雰囲気が伝わってきます。

  • 2007/07/05(木) 22:27:30 |
  • URL |
  • calaf #-
  • [編集]

シューリヒト

calafさん、
いつもコメントありがとうございます。「無縁」にも関わらずコメントをいただけて嬉しいです。
シューリヒトと無縁とはなんとももったいないですね。是非とも超有名なプラハからお聴きください。この指揮者の凄さを堪能できると思います。

  • 2007/07/07(土) 23:47:22 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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