DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Mahler Symphony No.3

Bernard Haitink
Chicago Symphony Orchestra


CSO RESOUND (CSOR 901 701)


この演奏を一言で表現するなら「磐石」。一部で「凡庸」と揶揄されながら真面目にその道を極め、既に巨匠の域に達したハイティンクが更なる高みに達したことを認識できる演奏です。昨年音楽監督に就任したハイティンクによる新たなシカゴ響黄金時代の到来を予感させてくれます。
ハイティンクの3番はクリスマスマチネー・ライブやベルリン・フィルとの演奏も好きですが、今回の演奏はこれまでの演奏と特徴を異にします。この演奏の特徴は無類の安定感にあります。巨大な一枚岩のような強固な揺るぎない構成力。遅めのテンポながら弛緩せず持続する緊張感。これまでの演奏にあるような、劇的さはなりを潜め、ブルックナーかと思うような巨大なスケールの音響が支配します。最近フランス国立管と組んだ5番は同じようなスタイルながら、オケの特性もあり多少弛緩して枯れた演奏になっていましたが(あれはあれで好きです)、この演奏にみなぎる力強さと安定感はとても77歳の棒とは思えないものです。ハイティンクなので表現はオーソドックスではありますが、鳴るべき音がなっているという感じで無個性などと物足りなさを感じることは一切ありません。

その特長が最大限に生きるのは両端楽章でしょう。一楽章の重量感は今まで聴いたなかでも一番のものです。コーダも突進するのではなく、雄大に終わります。また終楽章の弦の青白くクリスタルのような透明感が大変素晴らしい。過度に感情移入しないことのなんという美しさ!まるでブルックナーを聴くかのような透明感と寂寥感。それは一人夜空の星々を仰ぎ見るときの感覚に似ています。シカゴ響は金管ばかり注目されますが、弦セクションの素晴らしさももっと注目されていいのではないでしょうか。ジュリーニと残した数々の名演もこの弦セクションあってのことでしょう。

中間楽章はそのスタイルから少しメルヘンが足りない気がしますが、二楽章のヴァイオリンの歌など、このオケ独特の弦の透明な響きが大変美しいです。シカゴ響併設の合唱団も素晴らしく、

五楽章ではデ・ヤングの清潔な独唱と共に透明感溢れ嫌味のない歌を聴かせてくれます。

ハイティンクはオケの魅力を引き出す能力に秀でた指揮者だと思っています。シュターツカペレ・ドレスデンを辞任するときはとても残念でしたが、今回シカゴ響のシェフになり、オケの魅力を引き出してくれるものと期待しています。今後も素晴らしい演奏を聴かせてくれることでしょう。

さて、私の勤務する会社は外資系で本拠地がシカゴ経由で行ける場所にあり、出張のついでにシカゴ響を聴きに行くチャンスがあります。私の上司はクラシック好きで、以前シカゴ経由で出張に行き、MTTのマラ2を聴いて大変興奮して帰って来ました。個人的な出張報告では仕事の話は後回しでまずはシカゴ響の話をしました(笑)。ハイティンク在任中に是非とも聴きに行きたいものです。

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コメント

気になっていたんですよね。

こんにちは。
このCDについては気になっていたんですよね。このコンビ吉とでるか凶と出るか。どちらかというとヨーロッパの伝統的なオーケストラを振ってその実力を発揮してきたハイティンクと、ハイパワーを誇る米国資本主義の強さを表象するようなこのオケ・・。
Doku-ohさんがレビューを書いてくださったので、安心して手に入れる方向で行きます。

  • 2007/07/11(水) 09:27:46 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

シカゴ響

garjyuさん、
こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
シカゴ響に抱く印象はショルティの影響が大きいと思われますが(私はショルティが大嫌いです)、ジュリーニの例にあるとおり実はハイパワーだけが能じゃないオケなのですよね。ハイティンクのようにヨーロッパで経験を積んだ指揮者が振ると芳醇な演奏を聴かせてくれます。
このコンビは当たりですので、是非ともお聴きになってください。このコンビはこれからが楽しみですね。

  • 2007/07/11(水) 12:13:43 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

 ふたたびお邪魔します。^^話題になりながらもあまりの高価さに手を出しあぐねていたハイティンク&シカゴ響のマラ3を取り上げて下さって、うれしい限りです。
 そうでしたか、dokuohさんはショルティがお嫌いだったんですね?私は彼のマラ全集は全部ではないのですが、2、3、5、6番は気に入ってました。
 確かにショルティとの演奏では金管の充実ぶりが話題になることが多かったですね。ブル全集もそんな感じがしました。
 ハイティンクはこれからシカゴとマーラーチクルスでもやってくれるのかな、と期待してたのですが、さっきHMV見たら、、コンチェルトヘボーとのマーラー4番が出るみたいですね!!ちと驚き!ってことは、一つのオケで彼のマラ全集はでないってことでしょうか。こんなんならコンチェルトヘボーとのマラ全集を手放すんじゃなかったと、後悔しています。まあ、中古でそのうちゲットしようかなとも思ってますが。。^^ではまた。

  • 2007/07/21(土) 06:54:48 |
  • URL |
  • ドドンパ #-
  • [編集]

ハイティンクのマーラー

ドドンパさん、
こんばんは。続けてコメントありがとうございます。
ハイティンクのマーラーはマチネー・ライブをお薦めいたします。どれも名演ぞろいで素晴らしいセットです。ただ、残念なことに6,8番が入っていないのですが、6番はフランス国立管との超名演で補完できます。
発売の予定されている4番はとても楽しみにしています。

  • 2007/07/22(日) 23:08:03 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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