DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Bramhs String Quartet No.1

Leipziger Streichquartett


MDG (307 1281-2)



ブラームスはさぞかし苦しかったでしょう。巨人ベートーヴェンが目の前に立ちはだかり、常にそれに対峙しなくてはならなかったのですから。ベートーヴェンの巨峰、九つの交響曲を前に、交響曲第1番を作曲するのに20年かけたことは有名です。そして、弦楽四重奏でもベートーヴェンは16曲の偉大な作品を残しました。ブラームスはここでも八年の歳月を費やしています。
流石に八年の歳月を費やし、それまでに多くの作品を破棄しただけのことはあり、ブラームス最初の弦楽四重奏曲は交響曲第1番のような技巧的に隙の無い、完成度の高い曲になりました。駆け抜ける劇的な一、四楽章、ブラームスらしいロマンティックな緩徐楽章、この曲が曲の完成度に比べて知名度が低いのが不思議でなりません。弦楽六重奏や五重奏などのベートーヴェンが作品を残さなかった曲にある、ブラームスの開放された前向きさに比べ、彼の苦悩が前面に出てしまうからでしょうか。

この曲の虜になったのはライプツィヒSQの演奏を聴いてからです。ライプツィヒSQは最近のお気に入りで、ブラームスの室内楽にとっておきの名演の数々を残しています。この団体はその名の通り、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のメンバーが結成した団体です。「ライプツィヒ・ゲヴァントハウス」と聞くとあの重く重厚な音を連想しそうですが、実際はイメージよりも音はすっきりしていて透明感があり、暗めの奥行きのある音色がブラームスにはぴったりです。

この曲を重々しく演奏するとその苦悩が増幅され、余計に聴いているほうが息苦しくなります。その点ライプツィヒSQは立ち止まることなく疾走していきます。うねりを伴いながら駆け抜けていきます。そう、必要なのはこの「うねり」であって「重厚さ」や「劇的さ」ではないのではないでしょうか。「うねり」があれば過剰な演出はいりません。

一楽章冒頭から速めのテンポで疾走します。逆にそれが生み出す物凄い説得力!決して大げさな表現でないにも関わらず、音が叫んで聴いている者の胸を締め付けます。この胸の締め付けこそがブラームスの音楽です。(5:40)からの各楽器の掛け合い、コーダ(8:45)からの切迫感など、直接的迫力がないにも関わらず真実味があります。

二楽章も良く歌います。振幅は大きくないものの、透明ですすり泣くような歌に胸が締め付けられます。ブラームスの音楽はこんなにも透明感のあるものだったかと。各楽器が喋るように対話しながら見事に絡み合います。

三楽章トリオなどどこか遠鳴りするようで、明るい曲調にも関わらずどこか哀しみを湛えています。

四楽章冒頭の悲痛でも品格を失わない美しいユニゾン!音を叩きつけないがゆえに余計に哀しみが胸に入り込んできます。(2:48)からやコーダも安易に突進しません。それが物足りない人もいるかもしれませんが、この演奏は静かに語ることの素晴らしさを示してくれます。

今日は急に寒くなり、ようやく秋らしくなりました。やはり秋の夜にはブラームスの室内楽がよく似合います。今夜もブラームスに胸を締め付けてもらいことにします。一年の中に少しだけしみじみする時期があってもいいではないですか。

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