DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Tchaikovsky Symphony No.6 "Pathetique"

Carlo Maria Giulini

Philharmonia Orchestra


EMI CLASSICS (7243 5 86531 2 0)



ハードな演奏が続いたので、次は曲の美しさを堪能できる演奏を。

ジュリーニの「悲愴」といえば、ロス・フィルとDGに録音した演奏が有名ですが、私はこのフィルハーモニア管とEMIに録音したほうをより好んで聴きます。こちらの演奏のほうがより歌っており彫りが深く、録音も透明感がありDGのものより聴き易いです。DGの演奏はロス・フィルの色気の無い音とDGのけばけばしくドライな録音とが耳に障ります。無論、ロス・フィル盤も素晴らしい演奏ではあるのですが。

歌の人ジュリーニがメロディー・メーカーであるチャイコフスキーを振れば、悪い演奏になるわけがありません。豊かな歌に溢れた演奏です。フリッチャイやマルケヴィッチのようなデモーニッシュさはありませんが、曲の美しさを堪能するには最適な演奏でしょう。歌に溢れながら気品があり、官能に溺れすぎずいやらしくならないところはジュリーニの真骨頂でしょう。
壮年期の演奏ゆえ、晩年のようにテンポも極端に遅くならずに音楽に張りがあります。音楽は流麗に流れ、安心してそのメロディーに身を浸すことが出来ます。この心地よさはジュリーニならではないでしょうか。

一楽章、第二主題の美しさはジュリーニならでは。展開部もむやみに凶暴にならずに格調を保っています。音は常に滑らかで、安易な音響効果で音楽の格調を失うことはありません。

二楽章はただただ美しく、音の滑らかさと音楽の張りはロス・フィル盤以上です。このメロディーの美しさに身を浸す幸せ。個の告白ではなく、音楽の持つ美しさ自体を堪能できます。

三楽章はロス・フィル盤よりもテンポが速く音楽に勢いがあります。これは壮年期のジュリーニならではの演奏でしょう。音楽が全く弛緩しません。

四楽章、弦の歌はジュリーニならでは。良く歌っています。また、決して構えず音楽に身を浸せるのがこの演奏のいいところなのです。絶望や虚無に打ちのめされることもなく、ただ曲の美しさを堪能できる。最後も完全に絶望しておらず、どこか救いがありホッとします。悲劇を美しい歌に昇華できるこの才能こそ、ジュリーニならではでないでしょうか。

ジュリーニであればチャイコフスキーは最高の演奏になるはずですが、残念ながら私は「悲愴」とこの演奏とカップリングされている2番以外聴いたことがありません。4,5番は録音が残されていないのでしょうか?あれば是非とも聴いてみたいです。

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コメント

幻の5番

こんばんは。
ドライな音のロスフィル盤も好きな私です。両方愛聴しています。
他の曲については知りませんが、5番は録音のその日にジュリーニが『この曲は私には分からない。』といってドタキャンしたという話をよんだことがあります。
クライバーじゃあるまいしと思ったのですが、ジュリーニは全集をつくるなど、企画のための企画を嫌う・・というよりは、本当に愛している曲しか振らない人だったのでしょうね。
5番聴いてみたかったけれど。

  • 2008/02/23(土) 20:27:45 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

待ってました!

garjyuさん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございまいます。ジュリーニということでコメントお待ちしておりました!
幻の5番があったのですね。是非とも聴いてみたかったです。とはいえ、どんな演奏になるのかイマイチ想像がつかないかもしれません。
ジュリーニのこういう音楽に対する謙虚な姿勢は好感が持てます。だから私はジュリーニの音楽が好きなんでしょう。

  • 2008/02/23(土) 21:17:25 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

こんにちは。過分なお言葉を頂いたのは私の方です。造詣が深いなんて、とんでもない。メール交換してたら判ってきます・・・
風邪をひき、月曜まで休暇をもらいました。熱があってもCDは聴けます。で、ジュリーニのチャイコフスキー「悲愴」を聴きました。私もこちらの録音が好きです。切々と訴えてきます。バルビローリのチャイコフスキーにも感じた情緒・・・日本的表現ですね・・・が、ここにもありました。
さて、それから4番のSy.も聴きたくなり、迷いましたけれど、ムラヴィンスキーのメロディア録音を聴きました。世間的には60年のウィーン録音が著名でしょうが、私はあれより3年前のこちらを好みます。なんていうか、ロシアの空気を(より濃密に)感じさせてくれます・・・

ご謙遜

あきさん、

こんにちは。いつもコメントありがとうございます。
いえいえご謙遜なさらずに。薄学の私に比べれば、はるかに博学でらっしゃいます(ちょっとオヤジギャグ)。
あきさんもこちらの演奏のほうがお好みなのですね。嬉しいです。ジュリーニに悲愴はぴったりです。ムラヴィンスキーの四番ですか。メロディアのモノラルですよね?未聴です。ムラヴィンスキーの演奏は永遠ですね。最近彼の演奏を聴いていないので、聴いてみたくなりました。

  • 2008/04/04(金) 12:47:39 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

お返事有難うございます。風邪で勤めを休んでいると、こんなにヒマなのかと痛感します。DokuOh さんのオヤジギャグにおつきあいして一篇作りました。
      駆路聖母沢田似
つまらぬものですが、お納め下さい。
御分かりとは存じますがいちおう説明しますとカルロ・マリア・ジュリーニ。
彼のCDではモーツァルトの40番、41番を偏愛しています。ベルリン・フィルとの共演です。DokuOh さん推薦のクーベリックはいささか高級過ぎて・・・あっそうそう、ミュンヘン音楽大学のアナ・チュマチェンコ女史を御存知ですか?
DokuOh さんのお好きなユリア・フィッシャーの師匠です。この人、評判いいですよ。音大自主制作CDでベートーヴェンの協奏曲を出してますが、~市販されていない~もうすぐ入手出来そうなんです。ドレスデン・シュターツカペレ唯一の日本人奏者・島原早恵さんもお弟子さんで、もう絶賛してました。

沢田似(笑)

あきさん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
「沢田似」には笑わせていただきました。20代の人には分からないかもしれませんね。
ジュリーニのモーツァルトいいですね。ウィーンフィルとの濃厚な40番もいいですよ。
チュマチェンコは名前のみで演奏は聴いたことありません。名教師の演奏、是非聴いてみたいですね。
前回コメントし忘れましたが、体調を崩されているとの由、季節の変わり目は体調を崩し易いので御自愛ください。

  • 2008/04/05(土) 23:55:07 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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