DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Tchaikovsky Symphony No.6 "Pathetique"

Herbert von Karajan

Berliner Philharmoniker


EMI CLASSICS (0946 3 81798 2 5)



取りを勤めるのはやはりチャイコフスキーと言えばこの人、真打カラヤン。前回のポリャンスキーとは全く対照的な演奏です。

「官能重戦車」とは意味不明なタイトルではありますが、これ以上の表現が見つかりません。色気のある戦車って一体どんな戦車だろう?ピンク色の戦車???それとも砲弾の替わりに媚薬を発する戦車???(笑)

カラヤンの演奏の特徴は、ドイツものだとマイナスになることがありますが、チャイコフスキーでは強みになります。隙の無い完璧なアンサンブル、官能的なレガート奏法。これらがチャイコフスキーの特質に見事にマッチします。
カラヤンは「悲愴」をなんと7回も録音したそうですが、この演奏はカラヤンの演奏の中で最も「重戦車」ぶりが凄まじい、速度も質量もある運動量が最も大きい演奏で、強奏部分での一糸乱れず突進してくる様は、ただただ唖然とし平伏すのみです。もちろん、メロディーを官能的に響かせる手腕も超一流で、これほど艶っぽい演奏はなかなかありません。
「カラヤンの音楽には深みがない」と一蹴してしまうのは簡単ですが、それではあまりにもったいない。刹那的な快楽かもしれませんが、それを享受するのも悪くありません。

一楽章、硬質で透明感のある弦が奏でる第二主題はわずかにポルタメントをかけとても艶っぽく、さすがカラヤンです。木管のソロもさすが全盛期のベルリン・フィルで、非常に巧い。演奏の精度は非常に高いです。しかもライブのようなにテンションが高いのです。これは他のカラヤンの演奏にはない特徴かもしれません。再現部の凶暴な音響も自然の脅威ではなく、人工的脅威といった感じがします。ゆえに「重戦車」なのです。

二楽章の官能的な歌は随一。聴き手をとろけさせるような官能的な音はカラヤンならではです。中間部もあまり沈みこまず、美麗な音響が支配します。

三楽章は凄すぎる。重戦車が木々をなぎ倒して凄いスピードで突進してきます。「音楽の深み」とかそんなことはどうでもいい、ただただこの凄まじい音響に身を委ねる、それだけでいいのです。その重戦車に一緒に搭乗し、自分も一緒に突進しているような感覚に捕われます。

四楽章は作曲者の絶望よりも曲の構造自体を感じさせます。感情移入は最小限で、流麗で均整の取れた音響に心奪われます。強奏部分での迫力は相変わらずで仰け反ります。

最近になってCD化し、Disky、韓国EMI、東芝EMI、本家EMIなどで復刻されましたが、この最新リマスターは一番音が均されていて迫力が減じているかもしれません。ただ、終楽章の音が割れていてお蔵入りしていた4番のリマスターではこれが一番成功しており、聴きやすくなっています。4、5番共に最強のチャイコフスキーが聴ける素晴らしい一枚です。

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コメント

梅雨ですね。曇った窓ガラスに「つーゆー」と書いた女子大生がいました。 To you の意味かも ・・・ 北村薫の小説の中で、ですけれど。
カラヤン、生涯最後の「悲愴」を、聴きました。官能はありません。第四楽章にカラヤンの涙を感じましたが、むろん私の妄想です。あの人に涙は似合わないですね。
しかし、隠れて泣いたことは何度かあったように思います。フォルテ6つの衝撃、この日本ライヴが一番凄い。EMI盤も、もちろん大好きな演奏です。

すみません、遅くなりました

あきさん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。また、返事が遅くなって申し訳ありません。ちょっとゴタゴタしていてブログどころではありませんでした。
カラヤンの悲愴は最後の来日ライブの中で最も気になっている曲です。あきさんがそこまでおっしゃるのであれば、是非とも聴いてみないといけないですね。でも2800円はちょっと高すぎですよ・・・。

  • 2008/06/13(金) 00:27:27 |
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