DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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J.S.Bach Air

Herbert Kegel
Dresdener Philharmoniker


Altus (ALT056)



最近、久しぶりにバッハ、ブルックナーのサイクルに入っています。この二人の音楽は情感よりも構造、人間のドラマよりも宇宙の法則を感じさせ、音楽の風景に人がいないのが共通しています。そのある意味「潤いのなさ」に体が拒絶反応を示すことが時々あるのですが、この一年近くそのような状態が続いていました。しかし、自分で驚くほどここ数日体がバッハを求めています。この音楽の嗜好の波は精神の動きとどう連動しているのか?今後の研究課題にしたいと思っています(笑)。

さて、久しぶりのバッハのエントリですが、いきなり「音楽の捧げ物」や「フーガの技法」といった結晶化した音楽では敷居が高いので、ポピュラーな曲にしますが、それでも内容は大変へヴィーかもしれません。

かつてこれほど「G線上のアリア」が透明で寂寥感を湛え、美しく奏でられたことがあったでしょうか。信じられないほど美しく、そして哀しい。ケーゲルが「冷たく歌い」きった稀有な演奏です。たった5分弱の音楽がここまで心揺さぶることは!
ケーゲルらしい透明感溢れる演奏ですが、それが徹底されています。軽い眩暈を覚えるほど、ヴァイオリンは氷のように透明で冷たい。そしてそれ故に胸が締め付けられるほど哀しい。最初のテーマが戻ってくるところはぎりぎりまで引き伸ばされたりと、ケーゲル独特の歌に溢れており、ただ音響的に透明なだけでなく、そこにロマン気質とは違うケーゲルの「冷たい情念」が宿っています。それが音楽を無類の感動的なものにしているのです。嗚呼、メロディーそのものが持っている暖かさのみが唯一の救いか。

カップリングの「運命」も特異な名演ですが、この5分弱のためだけにこのCDを買っても決して無駄にならないと断言します。こんな素晴らしい演奏が日本で繰り広げられていたとは。この演奏の数ヵ月後、東西冷戦が終結し、ベルリンの壁が崩壊、ついにケーゲルはピストルで自らの命を絶ちます。この演奏はケーゲルの遺言だったのか?バイアスをかけて物事を見てしまうのは人の性ですが、ケーゲルはどれだけのものをこの音楽に込めたのか、思いを馳せてしまいます。

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