
J.S.Bach Brandenburg Concerto No.2
James Levine
Adolph Herseth (Tp)
Chicago Symphony Orchestra
BMG CLASSICS (82876762222)
拝啓ハーセス様、
小生は長らく貴方様を誤解しておりました。某体育会系指揮者の演奏の刷り込みにより、ただのテクニックだけの方と思い込んでおりました。その貴方が独奏曲でなく協奏曲で、しかも大バッハでこんなに素晴らしい演奏をされるとは、自身の不明を恥じる次第でございます。そして、小生の大好きなこのブランデンブルクの第2番でこんなに素敵な演奏を披露してくださるなんて、感激の極みでございます。感謝の意に耐えません。
元シカゴ響トランペット主席奏者のハーセスはラッパ吹きの中ではもはや神格化された存在で、「ハーセス様」と呼ぶ知人のファンも数名いるほどです。私もそのテクニックの素晴らしさは彼がシカゴ響でソロを吹いた曲を聴いて認識していましたが、これほどまでに豊かな音楽性の持ち主だとは思ってもいませんでした。バッハが無類のテクニックとともに、豊かに奏でられるのです。まさかバッハでこれほどの演奏を聴かせてくれるとは思ってもいませんでした。神業的なテクニックによりトランペットの音は鳥の如く自由闊達に空を舞い、溢れる湧水の如く留まることなく豊かに流れる。しかし、それがテクニックを見せびらかすような嫌味さがなく、非常に自然であることに驚愕します。全くハーセスは無類の音楽性の持ち主であるということを認識されられました。
一、三楽章のトランペットの木管楽器のような柔らかい音はどうでしょう。これが金管楽器?というほどに透明で柔らかい音です。アタックは完璧で絶対に汚い音がしません。これだったらホルンのように木管アンサンブルに入っても全然違和感がないではないですか。そして伴奏を含めた拍感を強めに出したリズム感が抜群です。
ブラインドテストでこれがシカゴ響のメンバーによる演奏だとは分からないでしょう。他のソリストの技術も抜群です。バッハもこれだけの演奏できてしまうシカゴ響の奏者達の能力の高さに感服します。二楽章など多少陰影には乏しいですが、楽しさという言う点で聴かない手はありません。
シカゴ響のバッハというとコアなバッハファンからは敬遠されてしまいそうですが、虚心坦懐にして聴くときっと幸せなバッハに巡り会えることでしょう。
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