DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
mahler5_haitink.jpg

Mahler Symphony No.5

Bernard Haitink
Orchestre National de France


naïve (V 5026)



始めに申し上げておきますが、私は良いマーラー聴きではないと思っています。バーンスタイン、テンシュテットといった一般にマーラー指揮者として認識されている指揮者の演奏は、凄いと思いながらもあまり聴きませんし、ショルティに至っては拒絶反応を示します。(ちなみにクーベリックの演奏は大好きです)

これほど透明で静かなマーラーの5番を他に知りません。この曲にある支離滅裂でおどろおどろしい形相は一切なく、信じられないほど透明で「静」が支配します。以前紹介した6番よりも更に昇華してしまっています。この演奏の評価は真っ二つに分かれることでしょう。緊張感が無い、弛緩しているという評もあるでしょうし、それに対して異論はありません。私も初めてこの演奏に接したときには同じ印象を抱き、クリスマスマチネー・ライブと比較して一段低い完成度だと感じました。ですが何度か聴くうちに次第に魅了されていったのです。前述の一聴すると欠点に思える部分が独特の魅力となっており、時々この音響に身を浸したくなるのです。そう、マーラーに合い相応しくない「身を浸す」ことが出来る数少ない演奏なのです。

一楽章は信じられない透明度です。まるで別の音楽に聴こえます。ダイナミクスは一段階くらい幅が狭く、音楽の美しさだけが迫って来ます。これはブルックナーかシベリウスの音楽か?という錯覚に捕われます。冒頭のトランペットのソロから刺すような刺激は一切ありません。煩悩は完全に取り去られ、ハイティンクはどこか解脱してしまっています。こんなに美しい一楽章が他にあるでしょうか。

四楽章にあるのは官能ではなく、人生の終末に煩悩から開放され、悟りの境地に達した人の語りを聴いているようです。なんと繊細で儚いのだろう。(5:01)からなど痛々しいほど儚く、胸が締め付けられます。

現世の苦悩、格闘を描いたマーラーの音楽を彼岸の音楽に仕立ててしまったハイティンクは、いよいよ彼の音楽の総仕上げに入っているのかもしれません。

お買い物『HMV - 交響曲第5番 ハイティンク&フランス国立管弦楽団(2004)(ライブ盤)【CD】-マーラー/音楽/HMV』


↓本記事がお役に立てたら、クリックにご協力お願いいたします。

音楽ブログランキング にほんブログ村 クラシックブログへ

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

このページのトップへ

コメント

ハイティンクのマーラーですか

こんばんは。
拙ブログにて期せずして、私も同じような文章から始まるCDレヴューを書きました。
私は、ショルティは結構いけます(笑)。
ハイティンクは、前書き忘れてしまったのですが、どちらかというとブルックナー指揮者という感じで、マーラーを想像できなく、よって、彼のマーラーは1枚も持っていないのです。
以前、dokuohさんがレヴューされたシカゴとの3番なんかは、結構気にはなっているのですが・・。

  • 2008/04/29(火) 17:41:59 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

以心伝心!?

garjyuさん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
なんと!ブログ拝見しましたが、ほとんど同じ文体ではないですか!以心伝心ですね。

そんなgarjyuさんにはハイティンクのマーラーを是非ともお試しになっていただきたいです。マチネーライブから入っていただきたいですが、CSOとのものでもいいと思います。

  • 2008/04/29(火) 22:50:26 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

マーラーで初めての曲

こんばんは。ビスコンティの「ベニスに死す」を見てからこの曲を聴いてみたくなりました。ところがアダージョ以外はほとんどうるさいと感じるだけで、第1楽章はベートーヴェンの英雄の第2楽章の影響が丸見えで、ほんとうに楽しめませんでした。最初に聴いたのはショルティでした。その後ドホナーニ、テンシュテットなども聴きましたが、アダージョ楽章以外はやはり肌があいませんでした。ところが、1昨年でしたかゲルギエフ/マリンスキーをライブで聴く機会があり、1楽章から驚きの連続でした。全体的に遅めのテンポでしたが、うるさくなくしかもサウンドが大音量にも拘わらず構造がはっきりきこえたのでした。べートーヴェンの亜流と思っていた第1楽章もマリンスキーの金管の名手たちのおかげで、そのイメージを払拭できましたし、ただの轟音と思っていた第2楽章も情念の渦のようなものを感じさせてくれました。思い返せば、ショルティにしても私が彼のダイナミックスについていけなかっただけなのかもしれません。関連があるかどうかわかりませんがリストに超絶技巧練習曲という音符の数が無茶苦茶多い曲集があります。これを初めて聴いて音のすべてがきこえる人はそう多くはないと思います。ただのうるさい曲にはじめはきこえます。その意味ではマーラーもかなりの回数を聴かなければならない作曲家なのかもしれません。

マーラーの音楽に求めるもの

calafさん、

こんばんは。いつもコメントありがとうございます。
マーラーの大音響にカタルシスを味わおうとする人にはショルティの演奏はいいかもしれません。しかし、私のように音楽的美しさを求めるとただのうるさい曲になってしまいます。マーラーほど音楽に求めるものによって演奏解釈に対する反応が変わる作曲家も珍しいかもしれません。calafさんもハイティンクなどの演奏を聴けば、回数聴かずにすぐに開眼すると思いますよ。

  • 2008/05/03(土) 22:20:21 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

トラックバック

FC2Ad

Information

dokuoh
  • Author: dokuoh
  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

Search

Calendar

05月 « 2017年06月 » 07月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

 

プロフィール

dokuoh

Author:dokuoh
最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

リンク

  このブログをリンクに追加

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。