
Beethoven Symphony No.1
Hans Vonk
Saint Louis Symphony Orchestra
PentaTone (PTC 5186318)
先のブラームスの4番とのカップリング。初めて聴いたときの感想は「やられた!」でした。
何故「やられた!」か?ベートーヴェンの1番は前回のツェンダーの演奏がデフォルトになっており、このような演奏は私の「ベト1演奏辞書」の中には無かったのです。
ここでも相変わらずフォンクは奇を衒わず、丁寧で端正です。フレーズ一つ一つ全くおろそかにせず、全てのフレーズが充実しています。速いテンポで飛ばすのではなく、この音楽をじっくり聴かせてくれます。流麗に流れる爽快な音楽ではなく、内側から湧き出る味わい深い音楽です。しみじみ「ああ、良い音楽だなぁ」と味わうことが出来ます。嗚呼、「良い音楽」とはこういうものを言うのだなぁ。
一、四楽章は飛ばしませんが、フレーズ一つ一つにしっかり表情があります。テンポは速くなくとも音楽は生命力を失わず、情熱に事欠きません。
二楽章の流れの良さと活き活きとした表情も特筆すべきでしょう。
三楽章の「力溢れるメヌエット」というべきじっくり踏みしめるように奏でる力感が最高です。
ここに「良い音楽」の原点を見た気がします。「個性」云々の前にもっと大切なものがあると思わずにいられません。
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