DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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beet9_szell.jpg

Beethoven Symphony No.9 "Choral"

George Szell
New Philharmonia Chorus & Orchestra


BBC Legends (BBCL 4155-2)



このブログを長くご覧になっている方はご存知だと思いますが、セルを取り上げるのは初めてです。セルで比較的頻繁に聴くのはOrfeoから出ているウィーン・フィルとの「運命」くらいで、それほどシンパシーがありませんでした。どうもあの完璧無比で詰めがきつ過ぎる音楽が、聴いていてしんどかったのです。しかし、最近その魅力に開眼しつつあります。メカニックな演奏なら数多ありますが、セルの場合はこの完璧無比なアンサンブルが目的でなく手段となっており、現代のただメカニックな演奏とは一線を画しています。ただミクロにアンサンブルを整えているだけでなく、全体の構成が緻密に計算され全体のプロポーションが実に美しいのです。ギリシア神殿のような黄金のプロポーションを持っています。そして音が鋭利なだけでなく、音に質量があり、その音と衝突したときの衝撃は凄いものです。

一楽章再現部冒頭(8:59)、再現部終わり(13:35)、二楽章の(3:29)、そして最後のティンパニの一撃など、もの凄い凶暴な音響で、臓腑をえぐります。しかも単なるこけおどしではなく、無類の真実味があります。いわゆる「爆演」のあざとい演出とは一線を画しています。

セルの芸風だとあっさりしていると予想していましたが、意外とロマンティックに歌っている三楽章。音の線は細いものの、ときにテンポを揺らして情感たっぷりに歌います。(9:56)からわずかにテンポを落として歌う様など、セルの音楽がただ冷徹な音楽でないということを教えてくれます。

四楽章の独唱と合唱は時に叫び声に近いほどテンションが上がっていますが、この熱狂も第九の一つのあり方でしょう。コーダのテンションの高さは尋常ではありません。壮絶なのは最後のプレスティッシモ!フルトヴェングラー以来の凄さではないでしょうか。音の塊が一糸乱れず物凄いスピードで大きな質量を伴って突進していきます。聴衆の熱狂振りも物凄いもので、これだけの演奏を聴かされたら熱狂せずにはいられません。

もっと色々な演奏を取り上げようと思っていたのですが、年末は何かと忙しく、今年の第九のエントリーは二つだけになってしまいました。残りは来年の年末にとっておきましょう。

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コメント

ジョージ・セル

明けましておめでとうございます!

昨年はdokuohさんとブログでお知り合いになれて大変嬉しかったです。なかなか趣味の非常に合う仲間は決して多くは無いですからね。
今年も有るときは賛同、あるときは激論??を交わしながら楽しく行きたいと思います。宜しくお願いします。

さて、セルは昔はクールで面白みの無い指揮者というイメージでした。スタジオ録音には確かにその傾向が強いですが、ライブ録音になると別人のように燃えることに気が付いてからは非常に好きになりました。マーラー6番、チャイコ5番、シューマン2番などなどです。この第九は聴いていませんがライブならばかくやと言うところでしょう。

それではまた。良いお正月をお過ごしください。

  • 2009/01/01(木) 01:04:48 |
  • URL |
  • ハルくん #SIR.BgG2
  • [編集]

明けましておめでとうございます

ハルくんさん、

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。

こちらこそ、お知り合いになれて嬉しいです。ハルくんさんのお挙げになっているラインナップを拝見するととても嬉しくなってしまいます。そんな中で趣味の違いを見つけるのもこれ一興ですね。

セルですが私もライブから入りました。最近United Archiveから復刻された演奏がテンションも高く素晴らしい演奏ばかりです。

頻繁に更新できるか自信はありませんが、お付き合いいただけると幸甚です。

  • 2009/01/02(金) 02:21:06 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ジョージ・セル

はじめまして。
こんばんは。
kurtと申します。
拝見させていただきました。
セルに関して、同感です。ただ、自分はセルをはじめて聴いたとき(ベートーヴェン7番)気に入って
しまいました。
セルの7番を聴くまで、どの演奏もどこか好きになれなかったのですが、痒いところに手が
ほんとうに届いてくれたのを覚えています。完璧さだけではなくて表現についても聴いていると気持ちが高揚してました。
ただ、その後に聴いたフルトヴェングラーとクライバーだけは別格です。

  • 2009/01/18(日) 22:50:55 |
  • URL |
  • kurt #-
  • [編集]

初めまして

kurtさん、

こんばんは。初めまして。コメントありがとうございます。

セルを好きな友人を見るとある共通した性格を持っています。みんな性格も非常にドライなのです。もともとロマンティストな小生にはファーストインプレッションが良くないのは仕方ないのかもしれません(笑)。ただ、優れた芸術は好みを超えるので、気長に付き合うと宝もの演奏になりえます。セルがその代表かもしれません。

ベト7で好きなのは、ケーゲル、ブロムシュテット、コンヴィチュニー、カイルベルトなどやはりドイツ系の指揮者の演奏が多いですね。

今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2009/01/18(日) 23:00:51 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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