DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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brahms_pcon2_backhaus.jpg

Brahms Piano Conterto No.2

Karl Böhm
Wilhelm Backhaus
Wiener Philharmoniker


DECCA (448 600-2)



天邪鬼の私は世評の定まった演奏を敬遠する悪い癖があります。世評が定まった演奏を悪いとは言いませんが、どうも天邪鬼ぶりを発揮して「人が良いと言うから良いというのはおかしい。他にも良い演奏があるだろう。」となってしまうのです。それでは逆贔屓になってしまう。

でもやはり、良いものは良い。久しぶりにこの演奏を聴いて、いきなり冒頭のホルンの後の深々としたピアノに心を奪われ、涙を流してしまいました。なんと言う深みのある音!これは到底他のピアニストが出来る芸当ではないと改めて感じました。打鍵のたびに虹色の波紋が周りに静かに広がる。その虹色は決して幸せの虹色ではなく、人生の辛苦を背負った哀しい虹色なのです。強音部でも効果を狙った安易な表現ではなく、七分の力で一音一音噛み締めるように大切に奏でられるその一つ一つの音にいちいち感動させられ、普段この曲を聴いて涙を流さないちょっとしたフレーズにも涙を流してしまいました。

例えば一楽章、(0:37)からはもっと強い打鍵で力強く演奏するものも多いですが、バックハウスは七分くらいの力で弾く。そこから湧き出る哀愁の量は計り知れません。さらに素晴らしいのは展開部に入ってから(9:37)で、哀しい虹色の波紋があたり一面に広がり、その波動が心の奥にまで入ってきて涙が止まりません。そして再現部で一番好きなところ(14:44)での弱めに奏でられる信じられないほどの深み!過ぎ去った遠い過去から響いてくるかの如く遠鳴りする様に涙を禁じ得ません。

やはりバックハウスは稀有な演奏家でした。

最近評判になったシャイー/フレイレの演奏は、南欧を思わせる明るい響きなのはいいのですが、やはりどこか深みに欠け、心の奥にまで染み入ってくることはありませんでした。この曲に不可欠なものが欠けているように思えるのです。改めてブラームスの壮年期以降の曲には演奏者の年輪の重ね方が演奏の善し悪しに関係するのではないかと考えています。

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テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

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コメント

ごぶさたしております。

大変ごぶさたしております。
色々と大変だったようですね(と一言ですませるような軽いお話ではなさそうですが。)。
私は、外的な要因よりも、自分自身の問題から、三度目・・(四度目?)夏の冬眠に入って仕事もしておりません。最初の2,3週間は、頭痛で音楽どころではありませんでした。ボチボチ聴けるようになった今、確かにブラームスはいつもより身近に感じます。
お互い落ち着きましたら、また、音楽談義をしたいですね。

  • 2009/07/08(水) 20:25:46 |
  • URL |
  • garjyu #4A9T8td.
  • [編集]

ありがとうございます

garjyuさん、

こんばんは。こちらこそ大変御無沙汰しております。再びコメントをいただけてとても嬉しいです。また、貴ブログをちょくちょく訪問していながら、コメント一つ残さずにすみません。実生活と一緒で、疲れているときはコミュニケーションが億劫になってしまうのですよね・・・。

garjyuさんも大変そうで、陰ながら心配しておりました。くれぐれも御自愛ください。
今は本来の元気を取り戻しました。そろそろブルックナー行きます(笑)。拙ブログの「大変話」は毎年恒例みたいになってますけど(笑)、鍛えられて確実に糧になってます。

ブラームスの音楽には「弱くていいんだ」、「無理しなくていいんだ」というメッセージがあるように思います。なので、弱っているときは寄り添ってくれるのかもしれません。

また、音楽談義にお付き合いいただけると幸いです。

  • 2009/07/08(水) 22:36:39 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

バックハウス/ベーム名盤

こんばんは。
ご無沙汰していました。更新が無いのがずっと気になっていましたが、復活の旨安心しました。生きていると本当に思わぬことが起こりブログどころでないお気持はよくよく分かります。なにはともあれ今後とも音楽談義を楽しみにしています。

さてバックハウス/ベームの名盤は自分でも記事にしたことが有りますが、いまだに王座は揺るぎません。それでもしいて言えばルービンシュタイン、ゼルキンが次点というところです。

  • 2009/07/08(水) 23:56:21 |
  • URL |
  • ハルくん #SIR.BgG2
  • [編集]

ご無沙汰しております

ハルくんさん、

こんばんは。大変ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。再びコメントをいただけてとても嬉しいです。

ブログはあくまで趣味ですから、義務感に捕われずに気が向いたら更新すればいいと思います。もう更新が途切れないことを願いつつ・・・

バックハウスの凄さに改めて感銘を受けました。孤高の境地に達してますね。布石は既に打ちましたが、2番では近日エントリー予定のフェルツマンが素晴らしいです。録音もいいので是非お聴きになってください。

今後ともお付き合いいただけると幸いです。貴ブログにもちょくちょく遊びに行かせていただきます。

  • 2009/07/09(木) 23:07:35 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

何といっても、これは名盤

バックハウスとベームのブラームス、第1番は残念ながらモノラルとはいえ、ステレオで再録音されていたら、もっとよかったかもしれません。第2番は、これは何といっても名盤です。今、クルト・マズアがライプツィッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団を指揮した交響曲第2番を聴いてから、じっくり味わうと、最高です。
もっとも、バックハウスのものには、1964年、カラヤン、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団と共演したものもあり、こちらはカラヤンを圧倒するほどのものです。ぜひ、機会があればご
1聴を。

ご無沙汰しております

畑山千恵子さん、

こんばんは。ご無沙汰しております。
コメントありがとうございます。

バックハウスの1番は未聴ですが、ステレオで残して欲しかったですね。2番のような永遠の名盤になってたかもしれません。
バックハウスにカラヤンとの競演盤があるとは知りませんでした。探してみます。情報ありがとうございます。

  • 2009/07/14(火) 20:40:31 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

カラヤン共演盤??

僕もバックハウスがカラヤンと共演した録音が有るとは知らなかったですね。カラヤンはハンス・リヒターハーザーとゲザ・アンダ盤だけかと思っていました。ディスクの詳しい情報が分かりましたら是非教えてください。

  • 2009/07/18(土) 08:12:51 |
  • URL |
  • ハルくん #SIR.BgG2
  • [編集]

これですかね?

ハルくんさん、

検索したら↓が引っかかりました。
http://www.geocities.co.jp/MusicHall-Horn/2889/Solisten.html#kl1
これですかね?

  • 2009/07/21(火) 02:50:55 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

On Golden Pond

こんにちは。映画の話で恐縮ですがヘンリー・フォンダ、ジェーン・フォンダ親子共演の「黄昏」(On Golden Pond)の湖面に映える夕焼けの黄金色を見て、突然浮かんだのこのブラームスの2番です。

ご無沙汰しております

calafさん、

こんばんは。ご無沙汰しております。
コメントありがとうございます。再びコメントをいただけて嬉しいです。

「黄昏」は観たことがないですが、私が書いていることは、おっしゃるイメージに近いと思います。キラキラとしていながら物悲しい。なんとも深い演奏です。

  • 2009/07/24(金) 23:35:31 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
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