DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Brahms Piano Conterto No.1

Hans Vonk
Vladimir Feltsman
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester


Camerata (CMCD-25034)



この曲の真価に開眼させてくれた演奏です。この一枚さえあれば、この曲は十分とさえ思えるほど、心酔しています。また協奏曲という演奏形態の最高の姿を提示しているといっても過言ではありません。

私はこの曲がどうも苦手でした。壮年期の作で成熟した2番と比べ、若書きで協奏曲の概念を変えようとした意欲作であるが故に、どこか聴いていて気恥ずかしい感じがしてしまうのです。大仰なマエストーソの冒頭を聴いただけで、拒否反応が出てしまいます。
ある程度人生の辛酸を舐めてしまった大人は、若者にありがちな勢いだけの未熟な主張を、どこか覚めた目で見てしまいます。しかし、そこに嘘偽りがなく、若者が真剣な眼差しで情熱的に語れば、忘れていた何か熱いものが呼び起こされるに違いありません。この演奏はこの曲に真摯に向き合い、情熱に溢れ、稀有なまでの真実味に溢れています。

フェルツマンとフォンク。独奏、伴奏ともにこれ以上はありえないという充実ぶりです。独奏と伴奏のなんという一体感!そこに主従はなく、共に熱く歌い、時に熱く語り合う。その対話している様が本当に素晴らしく、音楽以上のものを感じさせます。

フェルツマンのピアノは常に豊かな歌に溢れています。熱い想いが迸る一楽章提示部(8:48)、再現部(18:55)からなど、中途半端な演奏だと恥ずかしくなってしまうフレーズが、これほど胸を打つことはありません。展開部の入り(10:28)、再現部入り(13:19)などはその強靭な精神力とともに迫ってきます。しかもそのような強音でもクリスタルのような磨かれた美音は揺るぎません。

フォンクの伴奏は唯一無二。やはりフォンクは真の芸術家です。その途切れない緊張感と細部まで配慮の行き届いた繊細な歌はフォンクの面目躍如です。一楽章、提示部、展開部での第二主題(7:57)、(18:03)の繊細で優しい歌はどうでしょう。心をえぐられずにいられましょうか。また、フォルテでのなんと深々とし、中身の詰まった充実した響き!緩徐楽章の二楽章の伴奏が素晴らしいのは必然と言えます。

三楽章、軽くなりがちなこの楽章が、なんと意味深く説得力のあることか。第二副次主題の(4:00)からのなんとふくよかで優しい歌!二つ目のカデンツァの前、ロンド主題が長調になり奏でられる後、テンポを速めて駆け抜ける(10:52)その青春の息吹に涙が止まりません。この感覚は私の大好きな弦楽六重奏曲の一楽章に似ています。そして二つ目のカデンツァの後のコーダの高揚感!少し未熟で酸っぱくありながら、前に進む力を与えてくれます。

フェルツマンとフォンクが残してくれたもう一つのピアノ協奏曲もベーム/バックハウスに匹敵する素晴らしい名演で、この二つの演奏は一生大切にしていきたい家宝というべき演奏なのです。

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コメント

こんばんは!

フェルツマン。
良いですよね。
ボクは彼のバッハは聴いているのですが、
ブラームスのコンチェルトは聴いたことないです。
なんか切れ味良さそうな気がします。
1番というのも、何かあってる気がしますね^^;

  • 2009/07/11(土) 11:30:19 |
  • URL |
  • せばすてぃあん #-
  • [編集]

フェルツマンのバッハ

せばすてぃあんさん、

こんにちは。いつもコメントありがとうございます。

フェルツマンのバッハはパルティータしか聴いたことがありませんが、大好きな演奏です。彼の打鍵の強靭さと美しさの共存は素晴らしいものがあります。

この演奏本当に素晴らしいですよ。独奏もですが、伴奏がこの上なく素晴らしいです。

  • 2009/07/12(日) 11:34:54 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

はじめまして

クラシックに目覚めて一年くらいの
初心者です。
いま関心が強いのは、3Bです。
まずはベートーベンを攻めていますが、
ブラームスにも、かなり関心があります。

このコンチェルトは、2台のピアノ用、次いで
交響曲に、そしてコンチェルトに、と
複雑な経緯なものらしいですね。

1番は、まだコレ!といったCDにめぐり合って
いませんでした。
参考になりました。

これから、よろしくです。

  • 2009/07/15(水) 21:56:43 |
  • URL |
  • 四季歩 #ipmCGEIo
  • [編集]

初めまして

四季歩さん、

こんばんは。初めまして。コメントありがとうございます。ようこそクラオタの泥沼へ(笑)。

クラシック音楽は実に奥が深く、一度その泥沼にはまってしまうと一生抜け出せません。一体CDにいくらつぎ込んだことか・・・。しかし、お金の問題でなく、人生を豊かにしてくれることは間違いありません。

何ぶん、マニアックなブログではありますが、今後ともよろしくお願い申し上げます。貴ブログにも遊びに行かせていただきます。

  • 2009/07/17(金) 23:51:46 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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