DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Mendelssohn Symphony No.3 "Schottishe"

Hans Zender
SWR Sinfonieorchester Baden-Baden und Freiburg


GLOR (GC09281)



ツェンダーの音楽はまるで雪の結晶のようだ。秩序立って、冷やかで、透明感があり、繊細でいながら、しかしどこか暖かい。音楽は常に凛としており、品格を失いません。同じタイプの芸術家のシューリヒトは時々情熱が音楽からはみ出るところが魅力でしたが、ツェンダーははみ出ることはなく、常に冷静さを保っています。冷静さを保つということが訴求力の低下に繋がっているかというと、そういうことは一切なく、音楽は厳しく芯があり、一音一音に強靭な意志が宿っています。ツェンダーの音楽が分析的だという評を見かけますが、表面的な冷静さと秩序に隠された、青白い炎を伴った情熱こそ彼の本質であり、無秩序で安易な「爆演」に心奪われる人はツェンダーの音楽の奥の深さは分からないかもしれません。近年のツェンダーはシューリヒトよりもその朋友のアンセルメの芸風に似てきたと言えば、遠からず当たっていると思います。

メンデルスゾーンの音楽をちゃんと聴かせるというのは、実はとても難しいと思うのです。元々人類の不幸を背負って立つようなタイプの作曲家ではないので、一部の曲は別格として、貴族的な気品のある音楽がどうしても皮相な音楽になっていまう。それがメンデルスゾーンの音楽に飽きてしまう主因ではないかと思うのですが、ツェンダーのような超一流の芸術家が演奏すれば、かくも魅力溢れた音楽になるのです。

一楽章冒頭の序奏から、この繊細でどうしようもなく憂鬱な音楽は一体何なんだ!無限に憂鬱が溢れ出て、心の闇の部分と共振します。かと思えば、強奏ではツェンダーならではの氷柱のような鋭利で硬い音塊が迫ってきます。その音の破壊力に打ちのめされます。

二楽章の超快速ではないのにも関わらず、リズムが鋭く弾み、凄まじい生命力を宿しています。

三楽章の弦楽器のなんと繊細で美しいことか。たっぷり憂いを含んでロマンティックに歌います。デュナーミクが絶妙で一音一音神経が行き届いています。

普段ほとんど聴かないメンデルスゾーンをここまで繰り返し聴いている。自分でも驚いています。この曲ではクレンペラー最晩年のバイエルン放送響との巨大なライブ録音(四楽章のコーダ改変版!)、ミトロプーロスの白熱のライブ録音を愛聴してきましたが、それらに肩を並べる、部分的には上回る名演ではないでしょうか。

今後、引き続きこのGLORレーベルからツェンダーの演奏が発売されることを切に願います。これだけの稀有な芸術家が埋もれてしまうことは、あってはならないのです。

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