DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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Beethoven Symphony No.9 "Choral"

Günter Wand
NDR Sinfonieorchester Hamburg


BMG (74321 89109 2)



非常に厳しい第九である。ヴァントらしく音を拡散するのではなく、凝縮させることにより、名演を成し遂げている。粘土彫刻のように要素を盛り付けていき作品を仕上げるのではなく、木彫刻のように無駄、「甘さ」を削っていき、芯のみが残っている。ここでいう「甘さ」とは、演奏上の技術的な甘さ、曖昧さではなく(もちろん、そういう要素もあるが)、分かり易い愛、人懐っこさ、とっつき易さと言ったら近いか。「甘さ」を一切排しているのでとっつきにくく、第九にフルトヴェングラーのような「甘さ」を求めている人は拒絶するだろう。よって、この演奏、好き嫌いがはっきり分かれるようだが、私は好きである。確かにきつ過ぎるところがあり、頻繁に聴くわけにはいかないが、聴いてて背筋が伸び、精神修養しているような気分になる。劇的表現、個性的表現は無く、音の厳しさ、構成の強固さでベートーヴェンの精神に迫っている。
ヴァントの芸風から行くと、やはり一楽章が最も出来がいい。ブルックナーの9番の一楽章を彷彿とさせる深遠な響きが素晴らしい。テンポは速めでインテンポ。変に溜めて深刻ぶったりすることは無い。スケールもそれほど大きくない。だが、北国の吹雪のような厳しさが響きに奥行きを与えており、それが感動を呼ぶ。二楽章も一楽章と同様。
三楽章は美しい。「甘さ」を排除しているので、チェリビダッケのような人工美に陥っているかというとそうではない。単なる表面的な美に止まらず、共感に満ちている。これはやはりベートーヴェンへの絶大な信頼が有るか無いかの差のような気がする。チェリビダッケが「自分の音楽」にしてしまっているのに対し、ヴァントはあくまで作曲家の下僕になっていると感じる。
四楽章の合唱部分は、前の三楽章に比べるとちょっと出来が落ちるという評を良く見かけるが、この部分を「オマケ」と考えている私には十分だ。確かにスケールが小さかったり、独唱がちょっといまいちで、力みが目立ったり、情感に乏しいと感じることがある。
このエントリはベートーヴェン交響曲全集からのもので、録音は24bit/96kリマスタリングで、比較にならないほど音が良くなった。ぼやけていた音がクリアになって、細部まで聞き取れるようになり、ヴァントの芸風が堪能できる。

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