DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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bru9_wand.jpg

Bruckner Symphony No.9

Günter Wand
NDR Sinfonieorchester Hamburg


BMG (BVCC-34039/40)



2000年11月12日、私は生命の危機に瀕していた。病気をしたわけでも事故に遭って大怪我をしたわけでもない。ギュンター・ヴァント最後の日本公演の席にいた。たかがコンサートで「生命の危機」とは大げさな、とお思いになるかもしれない。だが、本当に死ぬかもしれないと思ったのだ。後にも先にもあのような経験はない。空前絶後の経験だった。
前半の「未完成」から尋常じゃなかった。曲が始まり低弦が音を出した瞬間に、武満メモリアルの温度がぐっと下がったのだ。それからもう何が起こっているか分からなかった。「未完成」が終わった時点で、すでに私の体は異常をきたしていた。体温は奪われ震えていた。
しかし、休憩後のブルックナーの9番は更に凄かった。一楽章で失神直前までいった。もう感動というレベルを遥かに通り越していた。途中から涙さえ出なくなった。上半身が完全に麻痺して、手は硬直して動かすことが出来ず、顔は顔面麻痺状態で筋肉が硬直し、まぶた、頬は痙攣を起こし始めた。体も時々痙攣を起こし、本当にこのまま死んでしまうのではと思った。一楽章コーダ前の壮絶なトゥッティ、コーダで完全に限界だった。そこから逃げたかった。怖かった。一楽章が終わってから本気で外に出ようと思った。だが動けなかった。体が全く動かなかったのだ。そしてその場にがんばって座ろうとした。そのうち座っているのがやっとになって、音楽を聴く余裕すら無くなっていった。二楽章からは意識が絶え絶えになり、どんな演奏だったか全く覚えていない。「聴いた」というよりは「戦った」というのが正解だった。あの壮絶な曲、演奏に耐え得るだけの精神力が私には無かった。演奏終了後、しばらく拍手も出来なかった。もちろん話すことも。手は硬直して動かなかったし、頬の筋肉が突っ張ってまともに話せなかった。泣いている人など沢山いたし、近くに座っていた外国人の老女性は手を合わせ祈っていた。初めて神の存在を身近に感じた。
このCDはそのときの模様を収めたものであるが、コンサート後すぐに購入したものの、恐くて一年くらいは聴けなかった。あくまで、演奏会の記念として購入したものである。改めて聴いてみるとアンサンブルの乱れなどあるが、そんなことはどうでもいい。録音としての演奏内容はもちろん素晴らしいが、語ろうと思わない。この経験は私の宝物である。今後このような経験ができるのだろうか。

お買い物『HMV - Sym.9: G.wand / Ndr So+schubert: Sym.8 (Dvd)(2000 Live In Japan)【DVD】-ブルックナー/音楽/HMV』


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コメント

こんなことがあるのですね

こんにちは。こんなことがあるのですね。一種のショック状態ですね。血圧がかなり低下したものと思われます。チェリビダッケの指揮の下で演奏していると、メンバーが彼岸に連れていかれる(自分が何を演奏しているのかわからなくなるほど)、夢心地になる、と聞いたことがありますが、それ以上ですね。ブルックナーは嫌いではないのですが(マーラーよりも好き)あまりその気になりません。でも、dokuohさんがここまで書かれるのですから、聴いてみたいですね。
追伸 湧々堂さんから、アウリンのシューベルト、丁寧な連絡がありました。購入を考えています。イケメンdokuohさんと書かれていましたよ。ハンサムなんですね(笑)

奇跡の音

僕もdokuohさんと同じ日に客席にいました。

「未完成」の冒頭が始まった瞬間、目に涙が溢れてきたことを思い出します。

  • 2006/01/23(月) 21:34:32 |
  • URL |
  • 壁男 #-
  • [編集]

calafさん、
こんばんは。コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、科学的にいいますと(笑)、ショック状態で血圧低下による症状です。感動しすぎて体にまで異常をきたしたのでしょうね。これをキザに「神を身近に感じた」と言っていますが、信心深い(無宗教)小生は、神を感じたと勝手に思っています。この演奏会を聴いた何人かの知り合いは、異口同音に「神の存在を感じた」と言っていました。それくらい、次元の違う演奏だったんだと思います。
ところで、隣に座っていた妻は様子がおかしい小生が心配で演奏を聴いてるどころでなかったそうです。今でも恨み言を言われます。^^;

ところでアウリンSQですが、お聴きになったら是非とも感想を聞かせてください。楽しみにしています。
田中さんは「イケメン」と言ってましたか。うーむ・・・実際どうかはご想像にお任せいたします(笑)。

壁男さん、
こんばんは。コメントありがとうございます。
また、色々ありがとうございました。この場で改めて御礼申し上げます。
そうなんですよ、小生も「未完成」の冒頭の低弦だけで涙しました。凡演とは次元が違いすぎました。今後あれだけのブルックナーを振ってくれる人が出てくればいいのですが。ボッシュに期待しましょう!

  • 2006/01/23(月) 21:56:13 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ヴァントのブルックナー

DokuOhさま、当方のブログにお越しした抱き感激です。

僕もブルックナー大好きなんですよ。ブログでも紹介したいんですけど、大好きだからこそ書けてません。

羨ましい限りです。ヨッフム好きの僕でも、9番はヴァントかシューリヒトだと思ってます。僕は、この演奏をCDで聴いてますが、ベルリンフィルとの演奏より老成しており、ベストであると思ってます。

  • 2006/03/26(日) 22:58:15 |
  • URL |
  • 笛吹きハンス #-
  • [編集]

ヴァント/ミュンヘン・フィル

笛吹きハンスさん、
こんばんは、コメントありがとうございます。
ブルックナー教ばんざーい(^-^)/。
ヴァント/ベルリン・フィルの演奏は録音の悪さもあり、好きではありません。ミュンヘン・フィルとの演奏をお聴きになったことはありますか?海賊盤でしか手に入りませんが、それはそれは凄い演奏です。是非お聴きになってください。

  • 2006/03/27(月) 03:30:29 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ブルックナー教万歳。

コメント、どうもです。
ヴァント&ミュンヘン・フィルですか~探してみます。DokuOhさんに伺ってよかったです。やはり、ヴァント&ベルリン・フィルの9番はだめかと僕も思ってたので、同じ考えの方に会えてよかったです。ブログって楽しい。

9番に関しては、以外や以外、チェリ&ミュンヘン・フィルが哲学的な名演でした。一楽章で30分を超えてます。

  • 2006/03/27(月) 23:53:29 |
  • URL |
  • 笛吹きハンス #-
  • [編集]

湧々堂

笛吹きハンスさん、
こんばんは、コメントありがとうございます。
ヴァント/ミュンヘン・フィルのブル9はリンクを張っている湧々堂さんで購入出来ます。
http://www.wakuwakudo.net/review_kyuuhu/symphony/bruckner_sym1.html#me1001
問い合わせてみてはいかがでしょうか。

  • 2006/03/27(月) 23:59:04 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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