DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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beet3_schuricht.jpg

Beethoven Symphony No.3 "Eroica"

Karl Schuricht
France National Orchestra


DISQUES MONTAIGNE (WM332)



シューリヒトは数限られた「自由」の芸術家だと思う。その音楽は鳥の如く空を舞い、常に自由である。今まで数多くの演奏でこういう解釈もあるのだとハッとさせられてきた。一番強烈だったのはこのエロイカかもしれない。フルトヴェングラーや他のドイツ系指揮者のドイツ的演奏が染み込んでいて、いつのまにか自分の頭の中に「標準的エロイカ像」が出来上がっていた私はこの演奏に大きな衝撃を受けた。この演奏を初めて聴いたのはエロイカの色々な演奏を集め始めるかなり初期だったのだが、始めはその良さがちっとも分からなかった。そのうちフルトヴェングラーにかぶれ、ついにはどんな演奏か忘れてしまった。10年近く経った後、「はて?どんな演奏だったか」とふと思い立って聴きなおしてみた。完敗だった。こんなにすごい演奏だったとは。
この演奏はシューリヒトらしい、明るい音色、弾むリズム、一気呵成に進む推進力。しかし絶対に硬質にならないしなやかさがあるのがシューリヒトのすごいところだと思う。一見相反するような要素が見事に両立しているのである。こんなことができるのはシューリヒトしかいない。
一楽章冒頭チェロのテーマから個性的だ。スラーを切るように弾くことにより、弾むような推進力を出している。他でも一つのフレーズの中の音をアクセント気味に演奏してその効果を出している。三楽章、四楽章も集中力が持続し、推進力に衰えは無い。
この演奏で一番衝撃的なのは四楽章コーダのプレストだろう。入りで普通のテンポか思いきや、ブレーキがかかりゆっくりとしたテンポで進む。そして最後のクライマックスで大きくリタルダンドし、天を仰ぐかのように終結する。こんなことが許されるのはシューリヒトだけだろう。
この演奏、ちょっと前にPECOというレーベルから復刻されているのを見かけた。現在はこれすらも手に入りにくいだろうから、どこかメジャーなレーベルから復刻してほしい。


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コメント

シューリヒト ONFの「英雄」

これは気品あり格調高い、そしてオーケストラの響きの明るさが吉と出た名演ですね。4楽章コーダがなぜか極端に遅いのです。
オーケストラの精度からシューリヒトではウィーン・フィル(ORFEO)を取ります。

  • 2005/11/11(金) 09:46:27 |
  • URL |
  • oroooro #A2h6czbI
  • [編集]

ウィーンフィル盤もいいですよね

orooroさんこんばんは。いつもコメントありがとうございます。本当に気品がある演奏ですよね。私もウィーンフィル盤好きです。この演奏はやはり四楽章のコーダの印象が強く、まずはじめに取り上げてみました。ウィーンフィル盤もそのうち取り上げたいと思っています。

  • 2005/11/11(金) 23:02:08 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

シューリヒト

トラックバックありがとうございます。
シューリヒトの英雄はエントリーのPECOレーベルのものと、1941年のベルリンフィルとの録音を持っていました。
いまPECOの演奏を聴いています。
良いですねえ。からりとしたオケも魅力です。

  • 2005/11/24(木) 11:18:03 |
  • URL |
  • ピースうさぎ #HMJooEnU
  • [編集]

シューリヒトいいですよね

ピースうさぎさん、はじめまして。コメントありがとうございます。いつも楽しくHPを拝見させていただいております。
シューリヒトは本当にいいですね。ウィーン・フィルとのエロイカも素晴らしいので是非とも聴いてください。

  • 2005/11/25(金) 00:27:50 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

シューリヒトのエロイカ

こんにちは。
シューリヒトのエロイカ、ほんと素晴らしいですね。80歳を過ぎてなおこんなに凄い音楽を作るんですから、超人というよりモンスター?
dokuohさんがエントリーされているフランス国立管弦楽団盤、私はvirtuosoの選集盤で持っていますが、全く同感です。
私がエントリーしたBPO盤も基本的なコンセプトは同じです。ただ、オケが本気になったベルリンフィルだから、こちらも凄い演奏でした。
探しにくいかもしれませんが、探す値打ちは十分あると思いますよ。

来年も引き続きよろしくお願い致します。
よいお年を。

  • 2005/12/31(土) 18:16:27 |
  • URL |
  • romani #8DRVcpnw
  • [編集]

超絶老人

romaniさん、コメント&TBありがとうございます。ベルリン・フィル盤、是非探してみます。
おっしゃる通り、とても80代の演奏とは思えません。一体どこからこんなエネルギーが沸いてくるのでしょうか。一流の芸術家というのは本当に凡人の想像を遥かに越えています。

こちらこそ来年も引き続きよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。

  • 2005/12/31(土) 22:12:00 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

不滅の名演奏

これまた奇跡的な名演ですね。

でも、僕も初めて聴いた時は特に感激しませんでした。だいたいシューリヒトというのを初めて聴いたのがこれでした。超個性的なサウンドであることはすぐに理解しましたが、それを紐解いていくうちに魅力にすっかりはまりました。
説明不能なほど細かい芸。

ウィーンフィル盤もハッとさせられる部分多数ですが、仏国立盤はさらに凄いと思います。
優秀なステレオ録音だし。フライング気味の拍手も好き(^^)ノ

ベルリンフィル盤は、実はさらにさらに凄い演奏ですが、録音に不備があること、スケルツォでフルートがしょぼい^^ことにより減点。

  • 2006/01/11(水) 23:06:45 |
  • URL |
  • 壁男 #SFo5/nok
  • [編集]

そうなんです

壁男さん、コメントありがとうございます。
そうなんです。初めから、その魅力を理解しにくい音楽かもしれません。
romaniさんもお勧めのベルリン・フィル盤が更に気になってきました。困った。

  • 2006/01/12(木) 00:35:59 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ベルリンフィル盤は伊オリジナルス盤で持っていますが、マーラーの「復活」と強引に2枚組になっています。シューリヒトの到達した最期の境地と言っては大袈裟かもしれませんが、凄い演奏。ただし、演奏の完成度、録音の完成度、製品としての完成度は仏国立盤の方が断然上で、やはり、最高なのは、ジャケットもまた美しいモンテーニュ盤ですね(^^)ノ

連発投稿を避けて続けますと、IMG盤のフリッチャイ、聴いてみたくなりました(^^;

  • 2006/01/12(木) 21:52:49 |
  • URL |
  • 壁男 #SFo5/nok
  • [編集]

フリッチャイ

壁男さん、コメントありがとうございます。
「最後の境地」とか言われてしまうと、さらに聴きたくなってしまいました。^^;
フリッチャイは廃盤予定で、店頭にならんでいるので最後になると思います。早めの購入をお勧めいたします。

  • 2006/01/13(金) 12:53:18 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

  • 2006/01/13(金) 23:11:28 |
  • |
  • #
  • [編集]

聴いた後、レビューを見よ
多分、このコメントから先に見る人はいないでしょうから、手遅れと思われます。dokuohさん、このレビューはネタバレです。全曲ラストのしかけ。私はこのコーダに心底感動しきったのです。ハイレベルな推理小説のどんでん返しよりもはるかに驚くこと請け合い。だから、あそこまで書いて欲しくないと思いました。というのも、ゲルギエフの《春の祭典》を聴く前に宇野大先生のライナーを読んでしまい、そこにラストのしかけが大々的に書かれていたため純粋に聴けなかったという失敗が過去にあったからです。
趣味は合いますね。フリッチャイのライヴとコイツ。最高のエロイカです。(もう一つ。クレンペラー/POのモノラルも超名演)
私はPECO盤で聴きました。
romaniさん、私はこのBPO盤にはガックリ来ました。相当悪く言えば、これはシューリヒトがBPOの威光に頼り切った手抜き演奏です。
この盤は良く分からなくて、「ベルリン・フィル・ディスコグラフィ」『クラシックプレス4』p254では1964年10月7~9日のラジオ・レコーディングとなっています。詳しい方、教えて。

  • 2006/01/13(金) 23:14:14 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

ネタバレですかね。すみません。
小生もクレンペラーのモノラルが大好きです。四楽章コーダのぶっ飛び方は、一番ではないでしょうか。

  • 2006/01/14(土) 15:56:47 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

聴き直すとこれはすごい

PECO盤をマルケヴィッチ目当てで買いました。当時このエロイカを聴いたときは全然ピンと来ず、ありきたりの演奏に聞こえたものです。

このところエロイカの棚卸をやっていまして、この盤も5年ぶり位に聴いて驚愕!すごいですね。たしかにクレンペラー55年盤に張りえるでしょう。エロイカ屈指の名演といって過言ではない。

昔は何を聴いていたんでしょうね。前はイッセルシュテットのすごさも全然わからなかったんですよ。

  • 2010/06/13(日) 14:01:04 |
  • URL |
  • gkrsnama #t50BOgd.
  • [編集]

遅くなってすみません

gkrsnamaさん、

初めまして。こんばんは。お返事が大変遅くなって申し訳ありません。

本当に凄い(「素晴らしい」よりも適切)演奏ですね。こんなことを出来るのはシューリヒトしかいません。コメントをいただいて、また久しぶりにこの演奏を聴きたくなりました。

  • 2010/11/22(月) 00:04:21 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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シューリヒト&ベルリンフィル ベートーベン交響曲第3番「英雄」

一泊二日の大阪出張からようやく帰ってきました。幸い台風にはほとんど遭遇せずにすんだのですが、逆に今日は台風一過でかんかん照りの暑さ。一日中背広を着ての活動だったので、正直参りました。そんな暑さを癒してくれたのは、往復の新幹線でずっと聴いていたシューリヒト

  • 2005/12/31(土) 18:05:32 |
  • ETUDE
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