DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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brahms_boult.jpg

Brahms Symphony No.3

Sir Adrian Boult
London Symphony Orchestra


DISKY (HR 705412)



以前から繰り返し書いているが、私はブラームスが苦手である。だが厳密に言うと、ただでさえ重いブラームスの音楽を更に重くするような、過度に重々しく、仰々しい演奏に耐えられないということである。アプローチ、または曲によっては、好んで聴くものも少なくない。このボールトの演奏は、もしかしたら、大量に持っているブラームスの交響曲の演奏の中でも、最も好んで聴く演奏かもしれない。
演奏は正に「染み出る悲哀」である。ボールトは物々しくポーズを取ったり、深刻ぶったりしない。響きも重々しくなく、どちらかというと軽量級のブラームスである。だが、良く聴くと、ボールトの演奏からはいつでも、どこからでも少量ずつながら悲哀が染み出てきている。一度に出てくる悲哀の量は少ないが、染み出てくる悲哀の量を積分すると、その総量はありがちな見かけは重々しく深刻な演奏よりも上回っていると思う。「溢れ出る」のではなく、「染み出る」からこそ、聴き手の心を揺さぶるのである。
ボールトのブラームス交響曲全集の中で、一番好きなのはこの3番である。実に繊細だ。特に弱音部での繊細さは、中々他の演奏からは聴くことができない。「繊細」とは「緻密」とは異なる。単なる徹底した細部への表情付けという意味ではなく、「弱さ」があるのである。この感覚は子どもが母に甘えているときの、あの感覚に近いかもしれない。母なるものへの甘え、未熟な弱さ、そんなものがこの演奏からは感じられる。
一楽章は比較的大人しい。だが、それにだまされてしまっては、ボールトの演奏の魅力を見逃してしまう。ボールトの演奏の素晴らしさは、音楽が穏やかなところだけでなく、展開部などの比較的音楽が高揚するとこでも、少しずつ、少しずつ悲哀が染み出ていることである。それに気が付くことができれば、続く二楽章、三楽章のような曲ではその恩恵を最大限に受けることができるであろう。先に書いた通り、いつでも、どこででも悲哀が染み出してくるので、どこをとっても素晴らしい。そう、ところどころはっと感動させられるというより、ずっと、ずっと心を揺すられる。ずっと抱っこされながら揺られて、心地よく眠っているようだ。四楽章も一楽章と同様。白眉は最後の優しさで、涙なくして聴けるだろうか。


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コメント

ボールトのブラームス

こんにちは。
ボールトのブラームスは、意外にも大きな歌心に満ちていますね。バルビローリとはまた異なる歌わせ方。この3番、3楽章の歌の大きさは他の指揮者と比べるとボールトが一番です。

  • 2006/03/06(月) 14:52:56 |
  • URL |
  • orooro #wb1UO1s2
  • [編集]

こんにちは

はじめまして。つい先日ブログを立ち上げたcadenzaと申します。
こちらのブログとリンクをはらせてください。
僕はブラームスは好きな作曲家の一人です。交響曲はどれも好きですが、一番といわれると4番です。無難にクライバー盤をよく聞きます。
よろしくお願いしますm(_ _)m

  • 2006/03/06(月) 15:09:42 |
  • URL |
  • cadenza #-
  • [編集]

「第1」だけ

LPで持っています。
第1楽章の提示部をしっかり反復しているのがいい(してなくても文句はないけど、なんか好感度あり^^)。
この演奏はメニューインがコンマスをやったそうです。美しいソロが聴けます。

  • 2006/03/06(月) 18:34:24 |
  • URL |
  • 壁男 #-
  • [編集]

クナのブラ3

orooroさん、いつもコメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ボールトの三楽章は素晴らしいですね。歌に溢れています。しかもそれが鼻につかないのです。3番はクナの最晩年の演奏とこの演奏がベストを争っている感じです。本当に素晴らしい演奏です。

  • 2006/03/07(火) 22:14:48 |
  • URL |
  • dokuoh #.2JJxVI.
  • [編集]

リンクありがとうございます

cadenzaさん、初めまして。コメントありがとうございます。
リンクありがとうございました。ブログ拝見しました。大学生でいらっしゃるのですね。羨ましいです。遊ぶなら今のうちですよ(笑)。
CDの枚数が300枚を越したとの由、500枚はあっという間ですよ。そしてどんどん加速していきます・・・。お気をつけください^^;。

  • 2006/03/07(火) 22:18:53 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

ボールトのブラ1

壁男さん、いつもコメントありがとうございます。
そうなんです。反復しているのがいいんですよね。メニューインはボールトがわざわざ招聘したと聞いています。メニューインのこのソロは美しいですね。

  • 2006/03/07(火) 22:24:30 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • Author: dokuoh
  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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