DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

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beet7_haitink.jpg

Beethoven Symphony No.7

Bernard Haitink
London Symphony Orchestra


LSO (LSO0078)



この時期通勤途中で見かける新入社員が眩しい。周りの疲れたサラリーマン達とは対照的に、溌剌としていて、希望に満ちた顔をしている。うらやましいなぁ。これから辛いことが沢山あるだろうけど、頑張れ!新入社員!
そんな新入社員に贈りたいのが、最近発売されたこの演奏。最初聴いた感想が「これがハイティンク?」というものだった。コンセルトヘボウ管と残したベートーヴェンとはずいぶんと印象が違う。しかもマエストロは御年77歳のはずだ。もう老巨匠というべきハイティンクが、これほどに若々しく、溌剌としたベートーヴェンを聴かせてくれるとは夢にも思っていなかったのである。ハイティンクはまるで40歳くらい若返ってしまったようだ。私は少し前に発売されてベストセラーになったクライバーのライブ録音よりも、こちらの演奏を好む。
使用している楽譜は、新ベーレンライター版だが、ジンマン、ノリントンはもとより、アバド、ラトルのような古楽奏法を意識した演奏とは少し毛色が異なる。振幅の小さいヴィブラート、ソリッドなリズムなど、そういう部分もあるが、基本的には伝統的スタイルに立脚した演奏だと思う。音のバランスはハイティンク/LPOらしく、ピラミッド型のドイツ的バランスではなく、中音域がふくよかに鳴る。また、テンションが高くても決して荒くならず、音の粒子が細かいのはさすがハイティンクだ。それがハイティンクのベートーヴェンにありがちな神経質さにつながっていないのがこの演奏の美点だろう。コンヴィチュニー、カイルベルトなどのドイツ系指揮者のような音の深みや重厚さは期待できないが、それゆえ若々しい躍動感が素晴らしく、この時期聴くのにはぴったりかもしれない。
一楽章の主部が始まってからの生命力溢れる躍動感が素晴らしく、これぞ7番に求めているものだ。
二楽章冒頭の沈鬱な表情も素晴らしい。(2:00)のティンパニの音が意味深く、雄弁だ。
三楽章冒頭の切れ込み方も凄い。リズムは生き生きと弾み、これでこそスケルツォだ。
四楽章のテンションの高さは特筆すべきだ。とても80歳前のタクトから生み出される音楽とは思えない熱さである。クライバーに決して負けていない。(6:27)からの壮絶うねりは聴いていて熱くなる。終結への追い込みは最高のカタルシスを味わうことが出来る。
ハイティンクはこのCDを皮切りに、新ベートーヴェン・チクルスを始めるらしい。これからのリリースが楽しみだ。

お買い物『HMV - 交響曲第7番、三重協奏曲 ハイティンク&LSO(ライブ盤)【CD】-ベートーヴェン/音楽/HMV』


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コメント

私はクライバーなんですが

こんばんは。私はクライバー(ライブでない方)が好きなんですが。ともかくオーケストラのドライブ能力が図抜けています。響きも美しいしリズムも抜群。でも昔出た頃は「箱庭的」といわれていました。最終楽章はバーンスタイン(ウィーンフィル)がとても好きです。破綻すれすれまで踊り狂います。「舞踏の神化」ではなく、「舞踏の原始化」ですね。アフリカの原住民が踊っているような素朴ながらも身体を揺さぶられるリズムがあります。バーンスタインを聴くとクライバーは綺麗すぎる?

  • 2006/04/26(水) 21:41:02 |
  • URL |
  • calaf #-
  • [編集]

クライバーのスタジオ録音

calafさん、いつもコメントありがとうございます。
クライバーのベト7はライブよりもスタジオの方が好きですね。存命中このライブ録音の発売を許可しなかったのが分かる気がします。確かにライブの熱狂は凄いのですが、それだけという感があり、スタジオ録音のような均整美がありません。クライバーのドライブ感だけが一人歩きして人気を博しているのは残念でなりません。

  • 2006/04/26(水) 23:42:57 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

同感です。

クライバーのオルフェオ盤は長年待たせたわりには、いまいちでした。やはり「第4」のように自信を持って発売できなかったのですね。客席で聴けば凄かったでしょうね。

海賊盤ですがウィーンフィルとのライヴのが良かった。中学生の頃に海賊盤と知らずに買ってずっと聴いてましたv-40

バーンスタインではボストン響との最後の録音が泣けます。

ハイティンクは未聴です。

「第7」でベーレンライター版と旧ブライトコプフ版には聴いて分かるようなちがいがあるんでしょうか?スタッカート(点)とアクセント(楔)などの表示上の違いだけかなあ。
心構えが変わるのでしょうか?

  • 2006/04/29(土) 10:32:17 |
  • URL |
  • 壁男 #SFo5/nok
  • [編集]

違いは?

壁男さん、
いつもコメントありがとうございます。
私もウィーン・フィルとのライブ録音持ってます!Exclusiveの青いヤツですよね?個人的には今回のOrfeoよりも好きですね。
さて、新ベーレンライター版ですが、もともとベートーヴェンの時代は楽譜に細かく指示を書いたわけではありませんし、ブライトコプフでもアーティキュレーションをきちんと守っていない名演もあります(苦笑)。要は時代考証的か否かというだけのような気がしていますが、どうでしょう。小生それほどスコアを比較して勉強したわけではないので、薄学者の意見ではありますが。

  • 2006/04/29(土) 22:49:27 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
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  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

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