DokuOh ~独墺系クラシック音楽~

クラシック音楽、特に独墺系(ドイツ、オーストリア)の作曲家について、CDレビュー中心のブログです。

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
このページのトップへ
beet_latesq_suske.jpg

Beethoven String Quartet No.15

Suske Quartett


BERLIN Classics (0091632BC)



自分を奮起させるために、思い切ってブログで一番書きたかったことを書くことにした。これを書きたいが為に、ブログを始めたといっても過言で無いくらい、思い入れが強い曲、演奏である。後で修正を加えることも鑑みて、思い切ってエントリすることにした。

いきなり変な話だが、私は自分の葬儀で流す曲を決めている。きっとみなさんは、フォーレ、モーツァルトのレクイエム、ベートーヴェンの7番のアレグレット、エロイカの葬送行進曲などを思い浮かべるだろうが、それらのどれでもない。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番の三楽章、「病癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」をズスケSQの演奏で流してもらうことに決めている。この世に存在する「音楽」と呼ばれているものの中で最も好きな曲であり、演奏である。この曲はベートーヴェンが最晩年、腸の病で床に伏し、回復したときに書いた曲で、表題はベートーヴェン自身が楽譜に書き記したものである。
ベートーヴェン後期弦楽四重奏曲の音の風景には、人が一人しかいない。第九などの偉大な交響曲群の音の風景には人が大勢いるが、この曲は一人ぼっちだ。だが、一人ぼっちでも決して寂しくない。生や死、喜怒哀楽、すべてを超越した安らぎに満ちている。ベートーヴェンは幾多の苦難を乗り越え、最晩年ついに澄み切った悟りの境地に達してしまった。もはや、対話しているのは神のみだったのだろうか。
この曲を聴くときに、必ず連想するものがある。それは京都太秦の広隆寺にある、国宝、弥勒菩薩半跏思惟像である。
http://www.y-uruwashi.gr.jp/bosatu.html
実際に拝見する前からその存在は知っていたが、初めてその姿を拝見したときの衝撃と感動は今でも忘れられない。私は生まれて初めて彫刻を見て涙した。なんと慈しみ深く、優しい姿なのだろう。とても彫刻とは思えないほど、生命のぬくもりを感じさせ、絶え間なく溢れ出る「無限の慈悲」を湛えている。私は菩薩様の前に正座し、1時間以上そこでただただ見惚れ、祈っていた。私一人だけではない。この間多くの人が同じように祈っていた。京都に行くときは必ずこの菩薩様に会いに行く。プロフィールの写真は弥勒菩薩半跏思惟像を奉納した霊宝殿の前の池に咲いていた蓮の花である。

20060426232927.jpg

この曲は弥勒菩薩像と同じ「無限の慈悲」を湛えている。神の限りない慈悲に包まれている安堵感がある。どうしようもなく慈しみ深く優しい。一体この曲で何回涙しただろう。そして何回救われただろう。私にとってはかけがえのない大切な曲である。

(次回に続く)

お買い物『HMV - 弦楽四重奏曲全集 ズスケ四重奏団(10CD)【CD】-ベートーヴェン/音楽/HMV』


↓本記事がお役に立てたら、クリックにご協力お願いいたします。

音楽ブログランキング にほんブログ村 クラシックブログへ

テーマ:クラシック - ジャンル:音楽

このページのトップへ

コメント

続きを楽しみにしています♪

はじめまして、yurikamome さんのところからこちらにお邪魔するようになり、しばらく ROM させていただいておりました。

今回のこの記事にちょっと触発されて、KiKi も同じ曲を聴いてみました。  TB を送ってみたのですが反映されないみたい・・・・ ^^;  まあひょっとしたら時間がかかるのかもしれないので、様子を見てみますね。  いずれにしろ、続きのエントリーのアップ、楽しみにしています。

  • 2006/04/27(木) 11:04:09 |
  • URL |
  • KiKi #bMLlLu06
  • [編集]

初めまして

KiKiさん、
初めまして。コメントありがとうございます。
小生もちょっと前から貴ブログにお邪魔させていただいておりました。貴ブログであれほど大々的に取り上げていただいて感激しております。
それにしても、KiKiさんも弥勒菩薩像に魅せられたのですね。同じ方がいらっしゃってとても嬉しいです。本当に素晴らしいですよね。もう2年も会ってないので、そろそろ会いに行きたいです。
TBが反映されないのはおかしいですね。アダルトキーワードしか禁止していないはずなのですが。全ての制限を解除したのでお手数ですが、もう一度TBしていただけないでしょうか。
これからもよろしくお願いいたします。

  • 2006/04/28(金) 22:23:07 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

TB できました♪

KiKi の TB 騒ぎのせいで、迷惑 TB 防止の制限を解除していただくことになってしまってごめんなさい。  そのせいではないと思うのですが、どうやら無事 TB できたみたいです。  ご面倒をおかけして本当に申し訳ありませんでした。

私の Blog にもお越しいただいてくださっていたとのこと、光栄です。  今後ともよろしくお願いいたしますね♪

  • 2006/04/28(金) 23:31:24 |
  • URL |
  • KiKi #bMLlLu06
  • [編集]

生きているうちに聴けるか?
本来なら自分の内に秘めておくべきことも、ブログの発達によって(コンピュータと繋がっている)全世界の人々に発信できるようになった。
この記事にはdokuohさんの表現者としての欲求をじゅうぶんに嗅ぎ取ることができる。
読者の反応は二つに分かれると思う。
思い入れの強さに辟易してしまうか、圧倒されてしまうかのどちらかだ。
私は、この記事を読み、自分の音楽観について考えさせられた。
実は「音楽観」などという格好のいいものではなく、日々音楽を聴く理由についてである。
私は、死ぬことをさきのばしにするために音楽を聴いている。
音楽だけが死の恐怖をやわらげてくれるだろう。
ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲は、何度も聴こうと試みたが12番以降進めない、私にとって恐るべき音楽だ。
まだ、これを聴いてはならない。10年以上前にラサールSQのを買ってはみたが、毎年取り出しては聴くのをやめてしまっている。
だから、15番はおろか13,14,16番も一度も聴いたことがない。(大フーガだけはたまに聴く)
今はR.シュトラウスの「メタモルフォーゼン」と「4つの最後の歌」にハマっている。
こちらの方が、自分の身の丈にぴったりだ。(リヒャルト、ごめん!)
弥勒菩薩像は高校の修学旅行で見たが、感性のない私には「だれだれに似ている」と思っただけだった。
葬儀に流す音楽は、今のところクラシック音楽ではない。
ビーチ・ボーイズの方が私には合っていると思っている。
とにかく、dokuohさんの「筆」の力に圧倒された。

  • 2006/04/30(日) 00:13:55 |
  • URL |
  • 穂吉 #-
  • [編集]

ブログとは

穂吉さん、いつもコメントありがとうございます。
そのように言っていただけるとなにか恐縮してします。正直パンドラの箱を開けてしまったかなという感じもしてます。
ブログの目的ってなんでしょうね。小生の場合、穂吉さんご指摘のとおり、音楽と一緒で表現欲な分けですが、格好をつけるわけでもなく、結局のところ自己満足です。ただその自己満足が他人を巻き込むという事実はじっくり考えなければならないかもしれません。(それは楽器演奏でも同じだと思います)
さて、後期弦楽四重奏曲ですが、自分は気楽に聴きすぎているという節があるので、あまり褒められたものではありません。穂吉さんのように畏敬の念を持って接しているほうが、よほど音楽に対して誠実なのかもしれません。
いつもこんなに気合を入れて記事を書くわけではないので、今後はもう少しラフに行きたいと思っております。こんなの続けていたら、本業に差し支えます(笑)。

  • 2006/04/30(日) 20:57:07 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

こんちは!

こんにちは。

某所で一瞬リンクをみかけた気がするのですが、実は以前検索したときにこちらは発見しておりました。なので、リンクでの紹介に関してそう気を遣われることはないと思いますよ。^^
googleが簡単に見つけてしまいます。

さて、いきなり穂吉さんへのコメントですが、とにかく聞いたことのない方、聞けないと思っている方は何を言っても説得力を持ち得ないと思います。

納豆食べたことない人に納豆のおいしさ、毎日食べ続けた場合の健康や食事の楽しさに及ぼす影響について議論できないのと同じこと。

ただ、においがきつければそれなりの反応はあるでしょう。その入り口でだめだなと感じられたらそこで終わるのみでいいんだと思いますよ。関西人の親が嫌っていた納豆なるものを私はそんなにいいという人がいるなら食べてみようと思って食べてみて、大好きになりましたし。

さらに申せば、私がそこで納豆を食べられずに終わったとしても、納豆評論家たちのこだわり議論をにこにこ聞いていると思いますけどね。

納豆で喩えるなって?それもそうですね。

初めまして

ludwig_vanさん、
こんばんは。初めまして。コメントありがとうございます。
某所でのリンクは宣伝のようで嫌だったので削除しました。改めてご挨拶いたいます。
このエントリだけお読みになるとお分かりにならないとは思いますが、穂吉さんはマイナーな拙ブログの大切な愛読者でいらっしゃり、辛口のコメントをされる貴重な方です。このコメントも前向きな意味でコメントをいただけたと認識しております。その点ご了解いただけると幸いです。
さてこの曲、本当に素晴らしいですね。小生と同じように葬儀で使いたいという方が多くいらっしゃるのには驚きました。
今後ともよろしくお願いいたします。

  • 2006/11/28(火) 19:39:54 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]

今日買っちゃいました

こんばんは。今日(2007年3月9日)、渋谷行脚の時にこの後期のズスケのセット買ってしまいました。ゲヴァントハウスの全集もあったのですが、予算オーバーで・・(今日はmiwaplanさんの後見人のつもりだったのが、衝動買い炸裂してしまいました。家人には内緒です)。

今宵(もう日付が変わってますね。)はボリュームを絞って1枚目か聴こうかな。

  • 2007/03/10(土) 00:06:28 |
  • URL |
  • garjyu #lJQnh9ng
  • [編集]

深淵な世界へようこそ

garjyuさん、
こんにちは。コメントありがとうございます。
昨日はとても残念でした。次回は必ず参加しますので、よろしくお願いいたします。その前に支部会を行いましょうね(笑)。
ところでいよいよズスケSQのベートーヴェン後期弦四の深淵な世界に足を踏み入れられましたね。最初は地味に聴こえてピンと来ないかも知れませんが、辛抱強く何度も聴いてみてください。きっと一生の宝になることでしょう。近々ゲヴァントハウスSQについても取り上げます。13番は最高です。

  • 2007/03/10(土) 16:14:53 |
  • URL |
  • dokuoh #TquaeRfg
  • [編集]
このページのトップへ

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

このページのトップへ

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://dokuoh.blog35.fc2.com/tb.php/99-334c2189
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番 Op. 132

KiKi がよく訪問させていただく DokuOh~独墺系クラシック音楽~ さんが4月26日付でこのベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番を取り上げられていらっしゃいました。  そのエントリーにちょっと共感して、今日の KiKi の BGM はこちらです。  外は雨だし、こういう日はこう

  • 2006/04/28(金) 23:27:27 |
  • 落ちこぼれ会計人の Music Diary
このページのトップへ

FC2Ad

Information

dokuoh
  • Author: dokuoh
  • 最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

Search

Calendar

07月 « 2017年08月 » 09月
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

 

プロフィール

dokuoh

Author:dokuoh
最近老け込んで、見た目もすっかり年相応になってしまったバカ親パパのサラリーマンです。最近は、仕事、子育て、親の面倒に追われ、音楽を聴く時間もまともに持てなくなってますが、ストレス解消に無謀な数のCDを買いつづけています。^^;

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリー

リンク

  このブログをリンクに追加

ブログ内検索

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。